+ トッキュー!!感想 +



第十六巻
□一六巻。
前巻で恵子ちゃんが真田のことを「真田君は自分ができることは相手も出来ると思って要求する」って、六隊のみんなが真田に付いていけるかどうか心配していましたが。
それって隊長として最悪じゃね?
と思わずにはいられないのでした。
隊員の能力把握できないとかマジ終わってる……。勘弁してよ、ヤツが軍人の歩兵分隊長とかだったら全滅だぜ部隊は……。
嶋本隊長の「お前らはトッキューや! 絶対できる!」とは全然違う……。

えー気を取り直して。
結局、ユリちゃんも武山兄妹もあのあと兵悟の部屋にお泊まり。
朝になって兵悟が起きると、武山君は外で一服してました。
兵悟は武山君とはタメなので「敬語じゃなくていいよ」って言うんですけど、武山君は後輩なのでその辺はキッチリしないとダメなんだそう。
うーん、体育会系だ(笑)
さて、今日も真田隊は当直で出動がかかってしまいました。
なんでも三日前熱海沖で沈んだ貨物船の乗員が一人見つかってないということで、捜索を依頼されたのだそう。
三日前ということは、もう行方不明の人は生きている可能性がほぼないということで。
「緊急性はなかってことですね」
相変わらず、遺体をモノとしか見ていないメグルさんはどうでもよさげです。
すると武山君は自ら生きたいと立候補しました。
メグルは遺体はどうでもよくても船内捜索はしてみたかったらしくいちゃもん付けますが、真田は武山の発言を受けて自分と武山と兵悟で出動すると指示。
メグルがどうせ新人や兵悟にピッタリの仕事だとふてくされていると、ふいに基地の電話が鳴り響きました。
電話を受けた高嶺さん、電話を切ったのちにメグルに告げます。
「三隊が丹沢レンジャー訓練で持っていくアルファ米が切れてたらしいです。石井くん、届けにおつかいにいってもらえますか?」
「おーー! ピッタリの仕事だな!」
まあ、人をバカにしてるとこういう目に合うのは当然ですね。
一方、たぶん横浜の三隊は大口副隊長が電話受けてました。
「石井が届けにくるそうでーす」
「初めてのおつかいか! ギャハハハハ!」
隊長、大受けしてます(笑)
しかし私もしょっちゅうハイエース乗るから分かるんですけど、あれに男六人地味にきっついよなぁ……。運転はしやすいんですけどね、ハイエース。
メグルは防災基地までどうやって行ったんだろう……。あいつ免許持ってるんだろうか……。
でもやっぱ三隊いいな、楽しそうだ。
えー、熱海沖での船内捜索。
船の限界深度は45メートルとか言ってますが……まあ、比べるなって言われても、自衛隊の潜水士のほうが深くまで潜れますよね。
どっちにしても、耳がぁ耳がぁって気がします。泳ぐのは好きだけど、40メートル潜るってどんな気分なんだろうなぁ。
さて前巻の引きとなった武山の欠点……それは暗所恐怖症ということでした。
暗い船内でパニックになり、武山は兵悟を巻き込んで二人とも要救助者に。
兵悟のことは真田が助けてくれましたが、今回は真田PM船のクルーに敬語使ってました。わからん、お前の基準はなんだ。少なくともPLHの船長の方が偉いぞ?
病院で目覚めた兵悟。武山が無事だと知って「よかった」と呟くんですが病院に駆け付けたメグルは怒り心頭。
「死にそうな目に合わせられてよう"良かった"とか言えるもんたい! 真田隊長がおらんかったら今ごろ話なんかできんやったとぞ!?」
メグルが兵悟大好きでツンデレなのはよーーーく知ってますけど。
知った上であえて言いますけど、メグルのこの言葉の意味が心底分からない……。後輩の無事を知って安堵することがそんなにおかしいか? なんつーか、第一声にこういう言葉が出てくるメンタリティが真面目に理解不能。
暗所恐怖症――トッキュー以前に潜水士として致命的ですよね。宇宙を想定しての訓練が海中で行われることを考えてみればすぐ分かると思います。
アンドリューも、メグルも、高嶺さんも意見は同じでした。そんな武山とバディは組めない、と。
「隊の全員がバディを組めないなら、武山には辞めてもらうしかない」
真田がそう言っている所に、偶然居合わせてしまった武山君は泣きながら土下座します。
クビになりたくない、辞めたくない、と。
真田は兵悟だけが武山とバディを組めないとは言わなかったことで、兵悟にこの件を預けるといいだしました。五日で答えを出せ、と。
兵悟は……こういう場面を目の当たりにしたら、やっぱり思い出してしまいますよね。星野君のことを。
もう仲間を失うのは嫌だ。――そう思った兵悟は武山に暗所恐怖症を克服しよう、と力強く言いました。
「できないことが明確になれば、目標が具体的になって取り組みやすい」
嶋本さんに教えられたことだ、と武山に言いつつ訓練を続ける兵悟たち。
教官、いいこと言うなぁ(涙)
兵悟にはやっぱり嶋本隊長が合ってると思うよ……、まあ嶋さん兵悟に甘いからアレだけどさ。
さて兵悟はもしかして救命士としては初めてのご意見じゃね? という高嶺さんに暗所恐怖症について聞かされていました。
「カンタンな治療法はありません。不安と立ち向かい不安と戦う訓練を繰り返す行動療法が一般的ですが、長い期間かかると考えた方が良いでしょう。焦ってしまえばますます恐怖症が酷くなる悪循環にはまってしまいがちです」
まー、結論から言うと高嶺さんも最初に言ってるけど治療法はないってことですね。
でも武山は必死です。
焦って上手くいかない武山を励ましつつ、三日目の夜、兵悟は武山と外でご飯食べていました。
「あれ、兵悟じゃん」
「星野君、ひさしぶりー、今帰り?」
すると学校帰りの星野君とバッタリ会って、星野君も一緒にご飯食べることに。つか星野君……相変わらずオシャレさんだぜ! 間違っても私服:ジャージなんてないんですね!(笑)
「兵悟の後輩? はじめまして〜」
「武山です! よろしくおねがいしますっ」
「おずの星野基です、今、救急救命士の学校かよってまーす」
武山と挨拶を交わしつつ、二人の状況が分からない星野君は「真田さんにトッキュー向いてないって言われて救命士目指してんだけどね」って言っちゃいました……。
あまり重く受け止めないで、こうなって本当に良かったと思ってるから、とは星野君。救命士の道を選ばせてくれた真田さんに感謝してるそうです。
まあ君のがんばりをずっと気にして認めてくれてオレンジ着せてくれるのは真田じゃなく嶋本教官だけどな!! と思わずにはいられないZE。真田なんて放置じゃないか、星野君のことは。
まあいいや。
星野君の話を聞いて、いたたまれないのは武山です。一足先に帰ってしまいました。
翌日――、一人防災基地にいった兵悟にすみれちゃんから電話が入りました。
さっきナオから電話があって、俺もうトッキュー辞めるからって言われた、とすみれちゃん。
最後にケリつけなきゃいけないことがあるから何かあったら後を頼む、って遺言めいたことを言われたと聞いてハッとした兵悟は熱海に飛びました。
すると案の定、例の船が沈没してるあたりで一人飛び込もうとしている武山を発見して思わず殴り飛ばす兵悟です。
武山はトッキューを辞める覚悟ができている。でも自分の力不足のせいで船内に残されている人を見つけられないまま捜索が打ち切りになってしまった。だから見つけて家族のもとに帰してあげたいと兵悟に訴えました。
兵悟はその言葉にハッとします。武山にばかり気を取られていて船内に残された人のことを全く考えていなかった、と。自分も恐怖症で大変なのにそれよりも要救助者の身を案じている武山の魂はもう立派にトッキューなんだ、と。
これ地味にメグルさんを否定してる言葉ですよね……。
アイツ、遺体はモノだって言い切りやがったからな……。
そんなわけで武山とバディを組んで潜ることにした兵悟。
潜った船内でいつパニックになるか分からないという恐怖と戦いつつ武山は要救助者を捜します。そして、見つけた遺体は既に一週間経っているのにもかかわらずまるで眠っているかのように綺麗なままでした。
ずっとここで一人助けを待っていた人……。武山は涙を流しながら遺体の手を取りました。
「すみません、俺の所為で見つけるのが遅れてしまいました……。すみません」
こんな所で死にたくなかったのはこの人のほうだ。この暗闇から連れ出したい、と思う武山は本当に優しい子なんだなーと思います。某メグルさんは爪の垢を煎じて飲ませてもらえばいいと思いますマジで。
さて二人して海面から顔を出すと、六隊のみんなが迎えに来てくれていました。
有無を言わさず二人をぶん殴る真田隊長です。
まあこれは当然だな。
二人の行動は除隊に相当するものだけど、遺体を見つけたということで揚収任務として正式な六隊の出動にすると真田。
こ、これが報告書改ざんってヤツか……。なんの要請もない出動ですけどいいんすかね……(笑)
そしてアンドリューとバディを組む真田なのでした。選んだのがアンドリューってのが地味にウケる。
要救助者の家族は遺体が綺麗なままで帰ってきて喜んでたみたいです。
兵悟と武山は一ヶ月の謹慎および大掃除という出血大サービスの措置で済んだようです。
「君ら育てんのに手間やら暇やら税金やらがたーーくさん使われてるからね。そー簡単に辞められても困るんだよね」
基地長談です。
いや、まったくもってその通りです。よくパイロット志望で「自衛隊でウイングマーク取ってから民間にいけばいいや」とか言っているバカがいますが、パイロット一人育てるのに国民の血税数億投入されてることなんて全く分かってないんだなーなんて思います。まあそんなのはまず受かりませんけどね、試験に。別にライン狙いでもいいんですけどね、億単位の授業料払うなら。まあどっちみち自衛隊側の時間と労力の無駄だからイヤだけど。
そういや保大出の人でも任官拒否して海自に行っちゃう人がたまにいるようですが……パンピーの目線から見るとこれはアリなんじゃないかと思います。海保的にはイヤでしょうけどネ。

さて、既にグダグダ感満載の武山編でしたが更にグダグダな新章突入です。

兵悟はここ最近、悩ましげな夢にうなされる日々が続いております。
訓練に身が入らず、叱られる毎日です。
なぜかというと……隣に越してきた新婚夫婦の夜の営みが薄い壁越しにずーっと聞こえてくるからなのでした。
独身用の官舎だったんじゃ……というツッコミはこの際ナシです。
そんなとき、同級生三人でルームシェアをすることになったというユリちゃんの手伝いを非番の日にすることになった兵悟は、「俺もここ(らへん)すみたいなー」なんて遠い目で言ったりしてかなり疲弊してます。
作業を手伝っていると、突然ユリちゃんの友人二人がそれぞれ彼氏と同棲することになってルームシェア解消を言いだしてしまいました。
どうしよう、といいつつお互い「じゃあ俺たち私たちが一緒に住めば」なんて意識して焦りまくる兵悟とユリちゃん。
このままじゃヤバイ、ということで二人はすみれちゃんを呼び出しました。
ちょうど千葉から霞ヶ関に通うのが面倒だから引っ越しを考えてたというすみれちゃんは飛びつきます。
…………、わざわざ霞ヶ関に横浜から通う意味が私には全くワカランけども。
ていうか何で千葉? 千葉の保安部にいたのかなー、保校の人は出身管区からの異動はないのに三管の千葉にいたの? 保校時代から三管希望してて家を出るつもりだったんだろうか?
どっちにしても「じゃあ兄がいる横浜なら安心って親が言うから」とかいう理由ならまだ分かるけど、わざわざ霞ヶ関通うのに横浜はねーよ。新高円寺とかが無難でしょ。
という無理やり感に非常にぐったりしつつ、兵悟はすみれちゃんとユリちゃんと同棲をすることとなりました。
「結婚か?」
「お金あるんですか?」
「同棲か?」
「女っすか!?」
「女ばい」
上から隊長、副隊長、以下ヒラの第一声ですが……、真田は相変わらず結婚と妊娠以外の単語出てこないんですね。
兵悟は女二人と同棲することは黙ってたんですが、引っ越しのトラックを追いかけたアンドリューにまずバレ、すみれちゃんと兵悟の二人で買い物してる所をメグルに見られ「前の女と違う?」などと思われ、ユリちゃんに至っては薬局で「太ったかも……」とお腹をさすっているところを高嶺さんに見られ、「あの子……出産を控えているのか……」などと盛大に勘違いされ。
武山に至っては偶然ラブホの前にすみれちゃんと兵悟がいるのを見てしまい「す、すみれと神林さんが!?」とショックを受けてしまっている模様です。
そんな感じで三人の生活が始まりました。
初日の夜、乾杯をしようとしていた三人の部屋にふいにインターホンが鳴り響きました。
「引越祝い来たぞ!」
「何だよ黙ってみずくせーなー」
酒を抱えた嶋本隊長とクラッカーを放つタカミツ。そして大羽と真田です。
しかし嶋本隊長たちの目線の先には女二人を従えた兵悟の姿があり――。
「神林ぃぃぃ! お前いつからそんなかいしょあったんか!?」
「すすすすすすみませんっ」
「謝るようなやましいマネしとんのか!?」
「してませんっ」
アホな部下の意外な一面(勘違い)にショックを隠せない嶋本隊長です(笑)
そうかと思いきや初対面のすみれちゃんのことを「紹介せえっ!」とか張り切っちゃう隊長です。
フラグ立ったのかと思いきや、そんなことはなかったけども……(笑)
しかし、兵悟の隊長の真田と同期の大羽とタカミツが祝いに来てくれるのは分かるけど……嶋さんはどんだけ付き合いがいいんだと思わずにはいられない場面でした。

場面変わって。
「一体何人の女と遊んでんのよ! 真面目な人かと思ったのに!」
などと携帯までパッキリ折られて盛大に振られている人がおりました。
誰だ……? と思ったら。
「ま、これで出動かかっても行かなくていいからいいか〜〜なんて」
ショックを受けつつもポジティブに捉えているのはなんとアンドリューでした。お前、遊び人だったのかよ……!
その頃のメグルは――、なんとPerfumeのコンサートに無理やり?武山君を誘って行ってノリにのっていました。
石井さんってこういうの好きな人だったんですね……、なんていう武山に、オイはPerfumeが秋葉でチラシ配りしよったころからのニワカで信者ではない、なんて答えていたメグルは真性のオタクだと思いました。
しかも何かリュック背負ってるし……コイツはやべえ……マジで秋葉に強い男だ、メグルさん……。つい少し前に星野君のシティボーイっぷりを見たばかりだから余計……ねえ……。

兵悟は昨晩、嶋さんにこってり絞られた様子です。
なんか、嶋さんって意外に真面目みたいですね、そういう所。真田の方が天然なぶんオープンというか。
そんな兵悟はより一層引き締めなきゃと思って羽田に向かいます。今日は急な総員集収がかかったらしい。
「おはよーございます!」
思い切って基地の扉をあけると、兵悟の目線の先には――なんと整列させられている嶋本三隊の姿がありました。
「嶋本、前回の出動要請どうして捜索をしなかった?」
なんだか偉そうな人に立たされてる三隊です。その後ろで長倉・黒岩の隊長らも顔に冷や汗浮かべて見てます。
「ヘリで伊豆へと移動中、半没したボートが発見されたとの通報が入りました。我々はリペリング降下の展示訓練に向かっておりましたので潜水器材は用意しておりませんでした。それに後発が捜索に向かったとの報告を受けましたのでそのまま訓練へ――」
「ボンベがないならなぜ素潜りでやらん」
偉い人と隊長の言葉を真横で聞きながら顔面蒼白の新人くんと大羽です。いやな雰囲気ですね。
「しかしっ……、船内捜索の原則はマスク・シュノーケル・フィンとボンベが……」
「原則がなんだ? 資器材がないときのために素潜り訓練やってんだろ」
説明してもこう言われては、思うところはあっても中間管理職の次にすべき行動なんて一つしかありません。
「……申し訳ありませんでした」
直角に腰を折る嶋本隊長です。
それを見て、「ざまーなかばい」などと言っていたメグルはホント腐ってると思います。
兵悟は「あの嶋本さんが……」って嶋さんが謝ったことに驚いていましたが、むしろ嶋さんっていつでも他人に対して腰低いと思うんですがね……いつも最敬礼してるイメージあるよ。
そこに塾長も出勤してきて「何やってんだ?」って覗き見たら、あの塾長でさえ顔面蒼白。
なんでも塾長曰く、三隊怒鳴ってた偉そうな人はトッキュー創立時のメンバーなのだそうです。更には今週いっぱいで今の基地長は小樽に異動となるため新基地長として羽田に来たのだそう。
うそーん、そんな急に異動って基地長犯罪でもやらかしたんかよ? なんぼ異動つっても海保は役所だし事前に異動内示くらいあるべ。
どうでも良いですけど、ちょうど今年の春の異動で羽田の特救隊基地の基地長異動になってたような気がするな……。まあ異動の季節ですからね。
しかし基地長、小樽に異動って……左遷っすか……?
基地の外は雷雨になってますが、新基地長は「全員エプロンに整列」と命令。
「え、雨降ってきましたけど……」
なんて言っちゃうKYな長倉が面白いです。
さて全員オレンジを濡らして新基地長のお言葉を受けてます。
「俺はつくづく最近のトッキューの不甲斐なさを嘆いている。いつからトッキューは腑抜けの集団になった? 各管区からの出動要請の激減、ようやく出動しても対応できないとすぐにしっぽを巻いて帰る。死ぬ気でなんとかしようという気概が全く感じられん」
あーやっべこの新基地長。全てがツッコミどころ満載でどうコメントして良いのかワカラン。
つかツッコミ待ちですか? って気がして突っ込んだら負けなような気さえしてきた……。でも今までの六隊の書かれかたから見て肯定的なんだろうなぁ。
まず見せしめかしらないけど三隊を怒鳴ってた内容。
あれは嶋本隊長の言い分がどう見ても正しい。現場に近いところにいただろう三隊に出動要請が来たのかもしれんけど、捜索できる装備もないヤツが来ても邪魔なだけだし後発が出たのならそっちに任せてれば良い話。
「助けを待ってる人がいるのに」という感情論はあくまで感情論であって、同情や同感は得やすいのかもしれないけども理性的な判断とはとても言えません。
原則がなんだ? って言うが、違反して三隊の誰かが殉職したりしたらどうするつもりだ? 
後発が出た段階で、そっちに任務が移ってんだから三隊にシャシャリ出てこられたってむしろ迷惑です。
レスキューなんてやってる筋肉自慢の荒くればっかの職場なんだから、助けを待ってる人がいたら行きたいのが当然です。それを思い留まらせて、理性的な判断をするのが隊長であり基地長の役目なのに。しごく真っ当な判断を下したにすぎない嶋本隊長は本当に悲惨でしたね。
そしてエプロンでの発言。
各管区から出動要請が減ってるってのは良いことだと思うんですけど……。現場でトッキュー呼ぶまでもないって判断してるんだろうし、トッキューみたいな部隊は暇なほうがいいんだし。
対応できないって判断したら引くも勇気ですよ。素直に自衛隊に任せときゃいいんだし。迷惑なのが出来もしないのにちんけなプライド掲げていつまでも引こうとしないことです。そのせいで助かるものも助からなかった案件なんて沢山あるんだし。
まあ、それはともかく「最近のトッキュー」は主人公のいた嶋本隊を中心として自衛隊をまるっと無視するほどの大活躍だったと思いますけどねぇこの世界では。
死ぬ気でなんとか〜、って言われた時に泣きそうな顔をしていたタカミツが可哀想でしたよ。彼にとって、目の前で見捨ててしまった例の海難のことはトラウマでしょうから。
更に新基地長は隊員のプライベートもチェックしていたらしく、女二人と同棲をしている兵悟を始め若くてチャラチャラしている六隊が気に入らないそうです。
どうでもいいじゃんね……プライベートのことまで口出しせんでも……。
まあでも兵悟の件は私もどうかと思うので、少し同意ですけどね。
そんなこんなで新基地長自らの口からバラされた兵悟同棲事件はあっという間にトッキューに広まってしまいました。
「神林が官舎出たのは女二人囲っとくためだったとは……若いヤツは何考えてるかわからんなー」
呆れる黒岩さんに「どんな女だ?」と食いつく小鉄が地味に面白かったです。
でも一隊としても、結婚する気もない友達以上恋人未満? の関係は中途半端だという評価で評判悪いみたいです。まあ当然です。
そして新基地長、トッキューで競技会をするのだと言い出しました。なんでも隊同士でつぶし合いをしてもらう、と。
最下位の隊は解散だー! ということらしいです。
六隊もあるなんて多すぎるということらしく、最下位の隊長は海外へ左遷だそうです。
いや、まあ、五隊でも回せるとは思うし……現に今も特救隊の実働部隊は五隊だけど……六隊ちゃんと確保できて維持できるなら別に六隊体勢でいいのに……。
そもそもトッキューが腑抜けだのなんだの言ってるけど、本業そっちのけで競技会ってのが意味不明すぎるし支離滅裂すぎる。訓練でもしとけよそんなことより。
まあでも基地長命令なので、各隊奮起するわけです。
三隊は軍曹の隊らしく筋トレに励んでます。一番辛そうなのが副隊長の大口という事実が笑いを誘う場面です。
長倉も隊長面して隊員にリペ降頑張らせてます。
「もっと食え! 炭水化物だ!!!」
一隊は腹が減っては何とやらで大食い大会になってるのは一体なんなのか……(笑)
フィリピンに左遷だぞーと脅された六隊隊長、真田は。
「昔、押尾隊長によくフィリピンパブに連れていかれたので(タガログ語)多少は覚えています」
なんて天然な返しをしていました。お前……いいな、天然で、と初めて思った場面です。しかしオッシー……(笑)
そして競技会前日。
なんと六隊は基地長の陰謀で当直です。こんな時に出動にでもなったら……とビビっているとやっぱり海難通報が入ってきてしまいました。
しかし出動要請ではなく、あくまでこれこれこんな海難が起きたけど現場で対応している、というお知らせのみでホッとしていた所に基地長がシャシャリ出てきました。
「なんかある前に行くのがお前らじゃないのか?」
「しかし、正式な出動はかかっていないので」
「出動要請なんか関係あるかバカ野郎!! お前らそれでもトッキューか!?」
高嶺さんの正論も基地長にかかると全てパーです。
いや、要請もかかってない連中がシャシャリ出てきたら邪魔でしかないと思うんだけど。要請もなにもかも一切いらないのなら一番最初に自衛隊が出てくるからお前らいらんわ。
まあでも基地長にそう言われたからシャシャリ出ていく六隊です。
今日も五十嵐チームwithピューマです。
ここは国民として言っておきたいんだけど、ピューマ飛ばすのに使われてるの国民の税金なんですけどー!
要請ないのに税金使ってヘリ飛ばしてんじゃねーよ。タダでヘリが飛ぶとでも思ってんのか? あ? お前のポケットマネーから出せよ、でもそのお前の金すらも元は国民の税金だけどな!!! と基地長に言いたい。
出動要請かかってないのに行くってのマジでないよ。これが大規模な災害で現場の英断だったとかなら話は別だけど、単にトッキューのメンツがどうってので行ってるだけだし、マジで不愉快です。
何のために指揮系統やなんかが決まってると思ってんだよ。あほくさくてコメントするのもあほくさい。
兵悟が漂流した時だって、トッキューには当然出動要請はかからなかったし、漂流みたいな海難では要請は来ないと知っていても嶋さんたちは兵悟の身を案じながら起きていたわけで。ああいう雰囲気が良かったのに……。
そして基地長に一つの隊を解散させる権限なんてないだろうに。
しかも最下位の隊長はフィリピンに左遷、ってどんだけフィリピンをバカにしてんのよ。フィリピンに失礼。むしろ日本の恥。ジャパンコーストガードの品位落としてんじゃねーよマジで。

そんなこんなで六隊は徹夜で働かされてそのまま競技会なのでした。以下次巻へ。

ベスト台詞は当然ありません。

 


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