+ トッキュー!!感想 +



第十五巻
□一五巻。
「今日が三隊最後の仕事や、死ぬのは終わってからや」
ある冬の非番の日……、盛大に風邪を引いた兵悟は隊長命令?でとあるグランドに呼び出され強制的に野球のメンバーにさせられていました。
ユンケルだのゼナだの無駄に高い栄養ドリンクを「五本くらいいっとけ」と兵悟に渡す嶋さん。太っ腹なのは分かりますけど、一応一日一本と決まっていますし、別に飲んだ分だけ効くようにできてるわけではないのでオススメしませんね。
つか、高嶺さん、止めてやって(笑)
14巻で三隊としての仕事は全て終わりかと思ったのに、一体何が始まるんだ? とページを捲ったらこんなことになってました。
「それでは海上保安庁特殊救難隊と、東京消防庁の特別救助隊との対抗試合を行います」
えええええええ!!!
野球っすか! しかも消防と!
三隊中心となって集った即席野球チーム。非番のヒヨコ隊プラスメグルと羽田航空基地からは何故か恵子ちゃんまで来ちゃってます。
なぜこんなことになったかというと……ことの発端は都庁で行われた防災会議でした。
「おや、お久しぶりですね」
スーツを着込んで真面目な態度を見せていた嶋さんに誰かが声をかけてきました。見るとトッキュー!!ではなくドカベンに出てきそうな出で立ちの男が立ってます。
「海上保安庁特殊救難隊の嶋本さんじゃないですか!」
「……ほんま、久しぶりですね。東京消防庁特別救助隊の沖田さん」
そう、二人は宿命のライバル(?)だったのだった。
意地の張り合いをしていると石原都知事が現れ、二人は最敬礼で頭をさげました。
「おはようございますっ! 都知事っ!」
「おー、よく来てくれたなー! トッキュー!!」
そんな都知事に「はい!」と笑顔で返事をする両名。
「今のはウチにかけていただいた言葉ですやんっ」
「何言ってます!! 今のは海保にかけていただいた言葉ですやん!!」
そして再び意地の張り合いが始まりました。
「元々トッキューの元祖は消防ですから! まぎらわしいのは海保ですやんっ」
「でも知名度は海保のスマートなトッキュー! そのままそっちは特別救助隊で!」
アホくせえ……!!(笑)
特別救助隊がトッキューと呼ばれたがってるなんて話初めてきいたわ(笑)、すげー無理やりだ(笑)、あっちは「レスキュー隊」っていう立派なあだ名があるのに。
ともかく「どっちが本物か勝負つける時がきたのだ」と盛り上がる二人の発生させる荒波に悠然と耐える高嶺さんが素敵でした。
基地長も基地長で「ようやく世間に認知され始めたトッキューという名を消防が独り占めするなど言語道断!」とノリノリです。向こうのマスコットであるキュータ君をうみまるが食べちゃう絵を背景に背負ったりして基地長の本気度がうかがえます。今後の異動・昇進すべてに関わると思って死ぬ気でやれ、という命令です。
パ、パワハラだ……!(笑)
取りあえず三管区内での異動だったらあれですね、銚子としきしま乗船が辛いでしょうね。銚子は遠い、しきしま乗ったら下手すりゃマラッカ行き……。この世界にしきしまあるかは知らんけど。
まあともかく、勝負事に燃える男・嶋本進次は燃えてますが三隊でこの手のことに興味なさそうな大口はやはりめんどくさがってるわけですよ。
「あ〜〜、かったるいなー。どうだっていいじゃんトッキューがどっちでも」
口に出せば殺されるので出してはいませんが、私も大口に大いに賛成だな(笑)
が、テキトーに終わらせよう、としゃがみ込んでプレイボールを待つ大口の目に……有り得ないほどの剛速球を放つピッチャーの姿が飛び込んできました。
なんでも沖田さんの話によると甲子園でノーヒットノーラン達成した伝説の手拭い王子らしい。なんでそんなのが消防にいるんだよ(笑)
「くっそー、それがなんぼのもんじゃい! 大口っ、絶対に打ち崩せ!」
「えええ!? カンタンに言わないで下さいよッ」
休日に呼び出されたあげくにこんな隊長命令受ける大口さんマジお疲れっす!
しかも様子見しようとバッターボックスに入ったら基地長からも指示が来ました。
――デッドボールで出塁せよ。
デッドボールつったって、手拭い王子の投げる球は剛速球なわけですよ。
「ムリ……死んじゃう……」
涙目の大口にマジ同情です。
でも当然ながらスリーアウト。二番打者は恵子ちゃんのようです。でもアウト。三番打者は嶋さん。あれ……四番じゃなくていいの? と思ったけどヤツはイチローファンぽいから当然の三番なのか。
けれどもアウトで、お前ーー!! 一応千葉で優勝経験あるんだろ!? なんだそのザマは! と思ったけど手拭い王子は甲子園優勝ピッチャーだもんね……ムリか……。
「女子供を相手にできるなんて草野球らしい醍醐味ですな!!」
沖田に笑われて怒り心頭の恵子ちゃんと嶋さんなのでした。まあ恵子ちゃんはともかく、「子供」に反応するとは、やっぱ背の低さゆえだと自覚してんのかな……。
さて攻守交代です。
ピッチャーは小鉄。「ウチの秘密兵器小鉄!」などと大げさに言われております。どうでもいいけどみんなに「小鉄」って名前で呼ばれる小鉄愛されてますよね。誰も「佐々木」って言わないし(笑)
まあでも、小鉄は実直な男で表裏のない人だからここはキャッチャー塾長の活躍の場でもあります。
「あ〜〜あ、こんな試合さっさと終わらせて家族で休み満喫したいっすよね〜〜〜!? お互い大変っすね」
そんな風に世間話持ちかけつつ「まずは外角低めのボール入りますから」なんてぶっちゃけちゃう塾長です。
当然相手は混乱。しかも当然ブラフなので球はど真ん中ストレートはいりました。
「こらこらー、ど真ん中のサインじゃねーだろ!? すいませんねーあいつサイン間違えやがって。次は緩いカーブっすね」
塾長の巧みな心理誘導作戦こえええええ!!(笑)
まあ、なんというか実は小鉄はストレートしか投げられないらしくリードに苦労している塾長なのでした。次第にバレて「どうしよう一ノ宮さん」なんて頼っちゃう小鉄が可愛いぞ(笑)
でもやっぱり打たれちゃってショートゴロ、だったんですが華麗に拾った恵子ちゃんとセカンド嶋さんの連携プレイにより二塁・一塁走者をアウトにするダブルプレイきました。
「嶋、セカンドに入るタイミングが一歩遅れてる」
「はいっ、以後気を付けます!」
いや、恵子ちゃんカッコイイけど……仮にも甲子園出場決まってた野球選手がたかが女にこう言われるってどうなの……。私はあんま男の領域に女がしかも一人でシャシャリ出てくるの好きじゃないので微妙なシーンでしたね。
カッコイイ女性として見せたいのかもしれないけど、ハッキリ言って彼女がカッコイイというよりは嶋さんが情けなく見えるだけですからねー。中高生ならまだしも三十代でこれはね。男はある程度立ててあげないとダメだと思うよ。この手のやり方で女性を格好良く見せるにはかなり描き込まないとアレだから難しい問題ですけどね。
まあでも珍しく恵子ちゃんが美人に見えたシーンでした。
結局一点も入らないまま試合は進み、外野は病人兵悟とやる気ナッシングのライトメグルのせいで穴だらけ。ライト前フライを「センター!」とか言ってメグルが兵悟に走らせたもんだから見事ミスって消防が一点先取することになりました。
メグルは勝負事にこだわるヤツかと思ってましたがあれですね。協調性のカケラもないからチームプレイなんてどうでもいいんでしょうね。
そんなこんなで嶋本隊長の怒りは募っていくのでした。
結局消防が一点勝ち越したまま九回に突入。
「海保トッキューさんは今日から漢字表記でお願いしますよーーーー!!」
笑われて顔が凄いことになってる嶋本隊長です。
そんなとき――バッターボックスに入ったのは塾長でした。
華麗に予告ホームランのポーズを取る塾長。
「さすが塾長!」
「ガツンと言わせてやってくださいよ!!」
盛り上がるヒヨコ達。塾長、なんだかんだでヒヨコに慕われてるじゃないか(笑)
「うおっしゃあああああ!!!」
気合い入りまくりでバットを振る塾長でしたが……やはりというか、ホームラン打つと見せかけてバント狙いでした。
しかし手の内は読まれており、アッサリアウト(笑)
次取り返してこい! と言われてバッターボックスに立ったのはメグルですが、前記の通りやる気ないので棒立ち状態でアウトです。
「嶋本さん! 試合終わってからにしてください!」
バットでメグルに制裁しそうな隊長を押さえる大口マジお疲れっす。最近大口が好きでたまらない。その調子で来年は隊長の世話よろしくネ。
まあ、そんなこんなでツーアウトになって絶体絶命ですよ。そんな時、バッターボックスに立ったのは病人の兵悟。
が――、兵悟の微動だにしない眼力に手拭い王子はビビってました。甲子園にもあんなヤツはいなかった、と。
「そいつの目はすごいっすよ。少しでも気ぃ抜こうもんならパッカーン打ちますぜ! なぜならこいつは視力8.0! 原始の目を持つ脅威の動体視力!」
視力6.0なのに大幅に水増しして兵悟を宣伝する嶋本隊長です。
驚く消防チームを後目に「よかった……こいつを三隊に入れてて……」って隊長、そんなオチかよ(笑)
しかし嶋さんは野球のユニフォーム似合いますねー。カッコイイです。ユニフォームのデザインはマリナーズのパクりですけども(笑)
兵悟はけっきょくデッドボールで出塁。
でもさすがの嶋さんも手拭い王子の剛速球顔面にくらってデッドボールになった兵悟に笑って頷いている基地長にはドン引きしていました。しかし背に腹はかえられない。次のバッター小鉄に死ぬ気で打つよう指示する嶋本隊長です。
つーか小鉄って嶋さんに弱いよね……常にタジタジ……。気の優しい人だからなぁ。
まあそんな小鉄がバッターボックスに入ろうとした直前で、基地長は代打を宣言しました。まさか基地長自ら出るのか? とザワついていたところで野球場には一台のタクシーが横付けされます。
一塁にいる兵悟は熱で視界が悪く、なんだか周りがざわついていて、手拭い王子が「あっちがレスキューで上でも野球はお前が上だ!」なんて言われてる声がなんとなく入ってくるだけ。
すると気持ちの良いヒット音が響いて「走れ神林ーーー!! バックホームや! 追いつかれるで!」との隊長の怒声が聞こえてきたのでした。
一体何なんだ? と振り返ると……そこには一面ブチ抜きで走ってくる色黒の男がいました。
「え……!? 真田さん!」
そうです、代打で打ったのはついに帰ってきたサナダマンなのでした。
久々の真田SUGEEEです。真田SUGEEEしながら帰国するとは思ってなかったので唖然としてしまいました。
これによりトッキューチームは逆転し、消防チームそっちのけで真田SUGEEEと盛り上がっております。もう勝った気になってます。地味にムカつきますね。この瞬間から心底私は消防チーム応援してました。
でもアッサリ小鉄にかわってピッチャーを務めた真田の活躍により一ページで消防さん負けてしまいました……。
帰国早々ここまで鬱陶しいといっそ清々しいのぉ、って感じです。
まあ消防さんには元気出してもらいたいです。トッキューよりレスキュー隊のほうがいいって絶対!
あと都知事はめんどくさいから両方含めて「トッキュー」って言ったんだと思うよ(笑)

さて、そんなこんなで新ヒヨコ隊は地獄のGWに突入、そして100キロ行軍です。
支援に入ったメグルは自転車に乗ってバテそうなヒヨコに声をかけます。
「もうリタイアすっとか〜〜〜? まだ20キロもあるとぞ? こっからが本当の100キロ行軍たい!」
コイツ、どの口がそんなこと言うんだ!? と思いつつもヒヨコの前にキャンディを落としていったメグルを見てちょっと感動してしまいました。
ヒヨコも「石井さん! ありがとうございます! ずっと嫌なひとだと思っててすいません!」とか感動してましたけど、私もヒヨコも甘かったようです。
それはキャンディではなく、キャンディに見せかけたゆで卵の黄身のみだったのでした。
口内の水分を奪われたヒヨコは慌てて黄身を吐き出してました……メグルは相変わらずメグルだったようです。
去年、お巡りさんにガン垂れてたり世の中腐ってやがるモードになったり、星野君に助けてもらったり、一人だけお金ゲットしてご飯食べたりしたあのメグルさんがこれとは……正直なんてコメントして良いのか分かりませんけど。お前が言うなやるなとは思いますね。大羽とかにさせろよ……ぜったいあっちのがいいって。
「若いヤツは年齢近いやつの言うことの方がきくのかねぇ」
なんて塾長と黒岩隊長は言ってましたけど。
でも、今年のヒヨコは優秀なのでみんなちゃんとゴールできたようです。嬉しそうにヒヨコの肩を叩いている塾長に感動しました。塾長だって、ヒヨコ可愛いんだよね!
まあ、そして新しい人が入ってくるということは去る人がいるということですよ。
エプロンで行われている脱帽式で地味に正装している佐藤専門官にトキメキました。第一種の制服良いですよね、階級があがると飾りもゴージャスになって見栄えいいし。
送迎会が行われ、帰ってきた真田と入れ違いでインドネシアに行くことになる二隊の南部隊長を送り出す大羽は男泣きです。
でもスーツ姿の大羽カッコイイですよね。嶋さんもカッコイイし、やっぱスーツは全員もれなく男前度あがりますね。
特に大羽は長身でスタイルいいし普通に男前だからよけいカッコイイ。
次のドラフトではやっぱり二人とも真田隊希望なのか? とタカミツがメグルと兵悟に訊いていると突然星野君がやってきました。
「どっちも入んなかったりして」
なーんてね、なんていうお茶目でちょっと黒い星野君なのでした。
「俺との隊はそんな嫌やったんか?」
目の据わっている嶋本隊長です。
さて、送り出しも済んでいよいよドラフト。会議の図、アップは真田なのに中心に嶋さんが描かれていたのが意外でした。まるで主役のような扱いだぞこれ。でも真田と肩を並べている嶋さんはいいですね。もう隊長・副隊長ではないもんなぁ。
どうでもいいけど、帰国時の真田は褐色肌だったのにもう元に戻ってますよ。すごい美白技術です。女の敵ですよこれ。
翌日、総集合日に新隊の編成が発表されるということで眠れなかった兵悟は羽田まで走っていこうと官舎を出ました。
するとメグルとバッタリ会い、意地の張り合いしながら走っていると蒲田付近で同じく眠れず走ってきたらしき真田が追いついてきました。
そして爆弾発言投下です。
「二人とも次の隊では俺のもとで働いてもらう」
詳しいことは基地に着いてから、ということでしたが突然のことにビックリしつつ念願の真田隊ということでニヤける兵悟です。
発表を待ちつつ、大羽はまだ南部隊長がいなくなったショックから立ち直れていない様子。そんなに南部隊長が好きだったのか、大羽よ。まあ、大羽は南部さんに見初められて(違)トッキュー来たわけだから当然っちゃ当然か……。
今年の発表方法はシンプルに掲示です。颯爽と現れた佐藤専門官も「このやり方がシンプルで好きだ」と言いつつ編成を書いた紙をはりだしました。
さて、気になる新隊の編成は……? はしゃぐ隊員達を後ろの方から笑って見守る各隊の隊長が素敵ですね。
長倉、やはりオッシーのあとを継いで四隊の隊長に昇格です。ですけど塾長付きです。
「よろしくお願いしむぁ〜〜すY
塾長にそんな風に言われて小さな声で「こちらこそ」と答える長倉なのでした。やはり去年の嶋さん同様基地長の推薦を断り切れなかったらしい(笑)
そしてタカミツは一隊のままでした。
「あ、黒岩隊のままだ!!」
タカミツ、嬉しそうです。もう一人の軍曹として恐れをなしていた黒岩隊長だったというのに一年で偉い変わり様ですね。でも黒岩さんいい人だから気持ちは凄く分かります。黒岩さんもタカミツ可愛がってるっぽいしね。……しかし大羽といいタカミツといい自分の隊長慕ってるってのに兵悟ときたら……(遠い目)
小鉄も黒岩隊でした。
「あれ? 小鉄さんも一隊ですか?」
「おーよろしく! 一管同士だな」
心の扉を閉ざした小鉄ではありますが、彼は同郷にはとってもフレンドリーだったのでした(笑)
実直な黒岩隊長は小鉄にとても合うと思うし、タカミツも同郷の先輩が出来て嬉しそうだし、一隊は良い隊になりそうですね。
まあともかく小鉄は三隊からは抜けるということで、嶋本さんは誰を選んだんだろう? なんて兵悟が思っていると後ろから大羽の声にならない悲鳴が聞こえてきました。
「嶋本隊じゃ……」
そんな大羽を踏みつけてご満悦気味の嶋本隊長です。
「よろしうな、潜水担当! 神林よりかは使える思うて選んだんや、キッチリ働けよ!」
今年こそ念願叶って大羽をゲットできた嶋本隊長なのでした。そりゃ嬉しいわな!
南部隊長がいなくなったうえにあの軍曹の隊に入れられるなんて……と落胆している大羽ですが、君はどれほど自分が隊長に愛されてるか知るといいよ! きっと感動して泣くよ!(笑)
一度南部隊長VS嶋本隊長が真面目に見たいです。もし南部さんいたら大羽はどの隊だったんでしょうね、今年こそ「大羽は三隊!」って譲らない嶋本隊長がドラフトで拝めたかもしれません。
まあ、そんなこんなで嶋さんは移動もなく三隊のままです。兵悟がなにげなく三隊の表を見ているとよく見知った名前がそこにありました。
副隊長:大口誠治郎。
「大口さん、副隊長っすか!?」
「みたいだね〜〜〜、知ってたけど」
だって保大出だも〜〜ん、とピースサインをする大口です。く……やはりウゼエ!!
知ってたけど、ってことは内々の打診があったんだろうなー。しかし三年目で副隊長か、さすが保大出っすね。や、まあわざわざ保大出を特救隊に入れるのは指揮官にするためだから当然なんだけども。
「兵悟んトコの六隊も副隊長に昇格したばっかの人じゃん」
大口にそう言われて兵悟が六隊のメンバー表に目を移すと、そこにも見知った名前がありました。
副隊長:高嶺嘉之。
「また六隊でも一緒だね神林くん、よろしく」
高嶺さんが副隊長!? と頬を紅潮させて喜ぶ兵悟です。よほど嬉しかったのか兵悟ビジョンの高嶺さん、バラまで背負ってます。
ここで確信したんですけど、高嶺さんは絶対に保大出ではないということです。何故かというと大口が今まで同じ隊でしかも年上だろう高嶺さんのことを「昇格したばっかの人じゃん」なんて他人行儀かつ結構見下した言い方してたからです。
高嶺さんの経歴については我ながら「あれ、バッチリじゃね?」みたいなの思い付いたので追々語りたいと思います。
あと、嶋さんは最初から大口を副隊長に選んだわけではなく、高嶺さんをとりたかったけど真田に競り負けたんだと見てますが……どうでしょうか(笑)
「うわあああ俺も六隊ですっ、神林さん! 嬉しいっす、ハンパねえっす!」
例の兵悟に憧れているらしきヒヨコ君も六隊でした。
「あ、石井さんもよろしくっす」
ついでのように言われてメグルは切れかけてましたけども(笑)
あともう一人、安堂龍さんという人が六隊にはいました。
「うわ、最悪、よりによって真田隊かよ……」
と呟いておりました。安堂龍という仰々しい名前に似合わないルックスしてます。あんどうりゅう……アンドリュー君か……益々似合わないな。
ということで今年(年末だが)のトッキュー始動です。
なんでも今年はヒヨコからして経験の浅い若い潜水士ばかりを集めたらしい。黒岩も一ノ宮も随分手こずっていたようだ、とは基地長談ですが……今年の新人は出来が良いって評判でしたよね?
去年どんだけダメだったんだよ……。そりゃ嶋本教官降格で当然だわ……。
そして真田隊は、隊長・副隊長以外は全員25歳以下というトッキュー史上もっとも若い隊だそうです。
つーことはアンドリューも25歳以下かよ……。下手すりゃ大羽より年下か……なのに大羽よりトッキューとして先輩なんだから優秀なんだろうな。あ、でも出世は大羽が早いというのはどういうことだろう。後天的に大羽が優秀だったのか。そうだよなあんだけ二人の隊長に愛されてるヤツだもんな。
まあ、ともかく極端にバランスの悪い隊ということでドラフトでは各隊長この真田隊の編成に猛反対だったらしいです。インドネシア行ってからおかしくなったんじゃないか? とも言われてますが、ヤツはもともとおかしかったと思うんですが違うんだろうか……。
そんな不安の中、六隊は洋上訓練です。
例の兵悟に憧れているヒヨコ君、お名前は武山直美くんと言うそうです。細身で長身の青年です。
その武山君、ピューマからロープ投下するも目標位置から大幅にズレてしまって危うくアンドリュー達に怪我をさせてしまう寸前で真田がロープ袋素手で払ったもんだから真田怪我しちゃいまいた。
しかし真田は副隊長の高嶺さんに一旦中止して手当するように進言されてもスルー。
恵子ちゃんからも「真田隊長、どうしますか?」って言われてんのに「訓練続行だ」ですと。
……恵子たん……、真田のことは「隊長」って呼ぶんすか……。そこで「真田くん、どうする?」って言えばもう私は何も言うまいと思ったのに……。なんで嶋さんだけあの扱いなんだよ……。
まあ、そんなこんなで洋上訓練はグダグダでお怒りになる恵子様なのでした。今度あのようなコントやったら洋上に捨てていくのだそう。
落ち込む武山君に責任転嫁するメグル、そんなメグルに「メグル君だって」といつもの調子の兵悟。その三人に「もういいじゃん、明日の防基での訓練がんばればいいじゃん」なんて言っちゃうアンドリューは適度に気が抜けてていいと思います。
そして何気なく「腹減ったー、メシ食いいこうぜ」と誘うアンドリュー。あれ、良い先輩じゃんね。あと八年もすればこの人がトッキューの隊長になるの分かる気がする。
そんなアンドリューの言葉を拾って「そうだな、これから反省会かねて焼肉食いに行こう」とは真田隊長。が、「これから横浜まで走っていこう!」と付け加えて走って行っちゃいました。は、羽田から横浜までマラソンっすか……。しかも平然と「はい」つって付いていってケロっとしてる高嶺さんは地味にぱねぇと思います。
翌日――、防災基地のA水槽では泳力訓練に精を出す嶋本三隊の姿がありました。
「よっしゃー、ええぞーその調子や大羽ー。大口もがんばらんと追いつかれるでー!」
ええなぁ、平穏や……一ノ宮さんもおらんし、副隊長の大口は年下やし、もちろんみんな能力高いし隊長二年目頑張れそうや!!
笑顔全快の嶋本隊長です。鬼隊長ではなくもはや仏です。でも逆に言うと自分に甘い環境だよね、この嶋本隊って。二年目なんて若葉マークとれたての初心者運転手みたいなもんで一番気弛みそうで危ないのに。
まあそんな感じでご満悦気味の嶋本隊長の耳に、聞き慣れた声が聞こえてきました。
「……六隊や……」
あの隊ほんま大丈夫なんか? と呆れつつ見てる感じの嶋本隊長です。まあ色々言ったけど私もどっちのほうが頼りがいがあるかっつーと六隊よりは三隊だと思います。
六隊の面々は今日も汗を流して吐く勢いで頑張っております。
アンドリューは本当に真田との隊がいやらしく「昔、一緒の隊だったんだ」と、トラウマ持ちの様子。
でも残念なことにもう一度選ばれたということは、真田はアンドリュー気に入ってるんだよね(笑)
しかも昔って言うけど、彼は大口と同期なのでトッキュー三年目。ということは兵悟が真田に初めて会ったときの隊、つまり真田隊長・嶋本副隊長のときにアンドリューは真田隊だったってことですからね。
全然昔じゃねーじゃん……。それに大口という期待の新人?押しのけて真田はアンドリューを選んだってことだから相当じゃん。しかもインドネシアの空白を覗けば実質継続してアンドリューと高嶺さん起用してるってよほど気に入られてんだよアンドリュー。諦めろ(笑)
兵悟は真田との隊が嫌だというアンドリューに反発してましたが、アンドリューは「すごい人だけど、憧れてるなら一緒に出動なんてしない方が良いぜ」だそうで。
アンドリューはあんなルックスしてますが、良くみるとかなり真面目に訓練も仕事もこなしててなかなか好感度高いです。
さて、アンドリューの言葉にもやもやしてた兵悟のもとに元上司がやってきました。
「神林、おつかれさん! どうや、六隊は?」
「いやーもういっぱいいっぱいで」
「そーかーそうやろうなー、真田隊長の隊やからな〜〜〜」
お節介嶋本進次、気楽に兵悟の肩を叩きつつ襟元掴んで引き寄せて急に凄んでこう忠告。
「自分の命は自分で守れよ」
「え……?」
「俺が真田隊長のもとで働いとって覚えたことや。――ま、そのうちわかるで」
そうして今度の当直の無事を祈ってる、と兵悟の肩を叩いて去っていく嶋本隊長です。
あなた……どこまでも元部下が可愛いんですね……。と思わずにはいられなかった場面です。まあ自分の隊の部下が出来がいい分、よそに気を回す余力残ってるんでしょう。
あの隊がまともに機能するはずがない、と考えつつ歩いていると前方に真田を発見した嶋本隊長。
真田もそれに気づいて互いに挨拶します。
「お疲れさまです!」
でも、嶋さんは三隊の隊長。余所の隊のことを考えている場合じゃないわけですよ。
そのまま黙して力強く真田の横をすり抜ける嶋本隊長、決意の表情です。
――もう違う隊や。三隊を守っていくのが、俺の仕事や。
どうしようマジでカッコイイ…………!
男前すぎてどうしようかと思いました。この決別シーンはトッキューベスト5には絶対入ります。そうだよね、もう真田は上の立場ではなく同等ですからね。
六隊のこと、兵悟や真田のことも含めて心配してはいるけど今は隊長として三隊が最優先。マジで隊長素敵なんですけど、どうしよう! ノースリウエットすげー素敵。上腕二頭筋が素晴らしい!
まあ主人公もいない、同期の中では一番影の薄い大羽を選んでしまった嶋本隊なんて出番は減る一方ですからアレですけど……。
でも私としては大好きな嶋さんと大羽のいる隊なんてパラダイスでしかないんだから、三隊の活躍もっと見たかったなーと残念に思います。あの大口がどんな風に副隊長やってるのかも気になりますしね。
私の予想としては、実質副隊長的な役割は大羽が担ってるような気がしますけどネ。だから大口も自分が隊長になったら大羽を副隊長に選んだんだろうよ……。つか地味に嶋本組の結束の強さがうかがえる人事なんだよなー、今後のトッキューは。ほんともっと見たかったぜ、二年目嶋本隊……。

さて、六隊初めての当直です。
新人の通過儀礼である容儀点検ではやはり武山君は九か所ほどのペナルティをくらって腕立てです。
二年目のメグル・兵悟もそれぞれ4,5のペナルティで腕立て。おいおいいいい、あの超厳しい塾長相手でも二年目の大口は二カ所だったぜ?
果たして兵悟達がダメダメなのか大口が優秀なのか疑問。つーかアンドリューもペナルティくらってる(笑)
そう言えば嶋本隊はこの容儀点検やるの大口さんだったZE……去年腕立てやってたヤツが他人のチェックしていくとか想像すると笑える……。つか大口そのものが笑える(酷)
むしろ容儀点検終わったあと大羽にこそっと「大口副隊長……、バックルの位置ズレてますけぇ」とか言われて「えっ、マジ!? わ、やっべ。大羽、隊長にはナイショな!」とか言ってる様子がありありと想像できる……。そして「なにやっとんのや!?」と隊長に聞かれちゃって仲良くペナルティ受けちゃう様も想像できる……。
ハッ、いかんいかん。気を抜いたら私の心は六隊ではなく愛しの三隊に飛んでしまう(笑)
アンドリューは朝から落ち着きがなく兵悟に心配されてます。なんでも「真田さんといるとよく出動がかかる」そうで早速の出動を畏れている模様。
そしてその悪寒はアタリ、朝の交替がおわった直後に海難通報が飛び込んで来ました。
場所は9管。新潟。
ということでまたしてもガルちゃんの出番なのであります。
武山は新潟出身なので、あそこの海なら任せてくださいと張り切っております。
アンドリューは弁当持ってくるの忘れて青ざめてましたが、そこはさすがの副隊長です。「食いっぱぐれないでください」と皆のお弁当を持ってきておりました。流石や。
ガルフは新潟航空基地でヘリに乗り換えです。
さてさて、北陸のヘリと言うことでシコルスキーS-76Cきたああああああ!!!!
シコルスキーを愛する身としてはここは語っておかなくてはならないでしょう! 
やはりシコルスキーと言ってまず有名かつ私も好きな機体と言えばブラックホークですね。
つーかシコルスキーの機体つったら取りあえず「〜ホーク」って付ければいいんじゃね? と思っている節があるので基本なんでも「〜ホーク」って呼んでます。
空自のヒーローことイエローホーク、洋上迷彩ホーク、海自のスカイラーク・レスキューラークことレッドホークに哨戒機であるシーホーク。他にも沢山の仲間がいます。ベル社の機体より胴体からテールローターまでのフォルムがスマートであることが特徴でしょうか。ともかく私は黒い機体が大好きなのでブラックホークもさることながら最近の洋上迷彩ホークはすっげかっけえええと思いつつ見てるんですが、けっこうイエローホークとかレッドホークも好きです。
ただ……、残念なことに海保のナナロクがそこまで好きかっていうと……うーん。ベル212のほうが好きかな。まあ212はそのうち全部アグスタ139に変わっちゃうけども……。消防や警察見習ってドーファンでもいいじゃんなぁ、と思いつつ、金ねーしなぁと可哀想になりつつ。でも212みたいにパイロットの腕が出る機体というのはやっぱりカッコイイわけですよ。せめてジェットレンジャーだけはもうしばらく現役でいて欲しい次第です。
さて、ナナロクですが……なんか「らいちょう」とか書いてあるんですけど……新潟のこの機体って、ちょうど2005年あたりに墜落してダメになっていたように思うんですが……。これが描かれた時はまだ無事だったんでしょうか。もう一機のほうかな?
まあそんなわけでナナロクで飛び立つ六隊ですが……ぜ、全員乗っとる……。えっと、機長とコパイと通信士にホイストマン乗せて六隊を全員乗せると最低でも十人。要救助者は船内に五人残されてるとあらかじめ分かっている。
…………、いや、ナナロクって一五人も乗れないと思うんだけど……。あれか、真田とメグルを洋上に捨てていく作戦か? なら良し、と。
器材等々乗せてたら重量制限軽く引っかかりそうなんだが……、頑張れナナロク君……。
気を取り直して該船は傾いており、転覆しかねない危険な状況です。
なんでこんなことになったんだ? と話していると武山が「ああああーーー!!」と叫びました。
そう、新潟出身の武山には原因が分かってしまったんです。
大量発生したエチゼンクラゲが何らかのトラブルを引き起こしている、と。
そばには海保のPLHも来ていて該船に退船するよう呼びかけていますが、該船の漁師達は一向に従おうとしません。
真田は強風波浪のせいで現場にヘリで降りるのも彼らを吊り上げるのも厳しいと判断して、まず巡視船に降り警救艇に乗り換えて彼らの救助にあたると指示。
いや、だから強風以前にナナロクでは人数制限に引っかかってですね(略)
更に真田は「俺のカンじゃ船底の冷却パイプにクラゲが詰まってのエンジントラブルだと思うから神林と石井は今から海潜れ」と二人にクラゲ天国の海に飛び込むよう指示しました。
お、俺のカン……カン……カン……。(エコー)
まあいいや。真田だしね。
私……泳ぐの好きだけど、クラゲだって食べるのは好きだけど、クラゲとお友達になりたくはないから……ちょっと二人に同情してしまいました。怖いよね絶対。
「びっしりいるびっしりいるびっしりいる!」
さっそくクラゲに囲まれて兵悟は軽くパニクってます。
真田のカンはあたって、冷却パイプにはミンチより酷い状態のクラゲちゃん達が見事詰まっておりました。き、気持ち悪い。
メグルは「オイが調べる!」と言った手前あとには引けず、素手でクラゲに応戦。
まあクラゲと戦いつつトラブりつつ二人とも何とか無事クラゲを追い払うことには成功しました。
しかし、六隊が船に乗り込もうとした所で突然機関室からはド派手な爆発が……。
それを見た巡視船の船長「すぐSSTに出動要請を」とトッケイ様を呼ぶことを決意。うおおおマジで!? と燃えかけた所で真田のヤツが止めやがりまいした。
「その必要はない!!!」
…………おおい、真田よ……。お前、相手はPLHの船長だぞ? 二等海上保安監様ですよ? PLH大型巡視船の船長ですよー!? 
これはないわ……いくらトッキューに指揮権があるっつったってこれはないわ……。嶋本隊長だってちゃんとおずの船長に敬意払ってたじゃん……。
その後も船長にくどくどとタメ口で状況説明をする真田。
言うなれば相手は大佐なわけですよ。しかもPLHだからかなり格上の大佐なわけですよ。真田は隊長だから役職的には所詮上級中尉なわけですよ。年齢的に海保の階級としては三佐にあたる一正だと思うけど。
まあどっちみちねーよって感じです。お前……やっぱ恵子ちゃんと似てるよ……。
超個人的な意見としてはトッケイの出番とんじゃねーよトッキューがああ!!と大変遺憾なのであります。
えー、ちなみにトッキューに合わせてトッケイって呼んでみましたが、SSTことスペシャル・セキュリティ・チーム、特殊警備隊は海保の特殊部隊であります。特別警備隊という米軍でいうところのナイトストーカーズみたいな組織もあるので(大分違う)略称が難しいですが、「俺トッケイ!」「俺もトッケイ!」「合わせて俺たち・トッケイズ!」でいいんじゃね? とか思ってます(寒)
例によってトッケイとトッキューは仲が悪いのだろか? なんて考えるとこの真田の態度もさもありなんて感じですね。性質が正反対だから仕方ない部分もあるでしょうけど。でも実際はそんなことはないと思いますけどね。
自衛隊っつーか軍だと救難と戦闘員が仲悪いなんて命取りなんですけど……トッキューの場合はコンバットレスキューという側面がないのでね……。
でもSSTが海保の精鋭特殊部隊であることには変わりなく、やはりこの手のものは男児の憧れのはずなのに……昨今深刻な人材不足と、特救隊も含めて質の低下も心配されている今日この頃です。ここで言っても仕方ないけど、体力に自信のある若者は「俺こそが!」ってぜひ挑戦してもらいたいものですね。
えー、話を戻して。
真田はアンドリューに要救助者を託し、燃える船内にメグルと兵悟連れて行くことにしました。船内に残る人を心配する要救助者を励ましてるアンドリューが地味にカッコイイです。
でも消火活動は厳しく真田が「中止だ、すぐ甲板(こうはん)に戻れ」って言っててちょっとおかしかったです。
「甲板(かんぱん)」って言ったら「お前、海自のスパイだな?」突っ込もうかと思ってたけど、ちゃんと保安官だった模様。
私は紛らわしいので甲板のことは総じてデッキって言います。
で、真田は救助を中止したのか? なんて思っている兵悟達をよそに彼はエチゼンクラゲを一纏めにして釣り上げました。
意味のわからない二人をよそに「ちょっと操舵室行ってくる!」と操舵室に駆け込む真田。
何をしたかというと、一旦船を転覆させてクルッと一回転させ……海水で消化するという荒技を見せたのでした。
うっそおおおおおん。
ここに来てスーパーレスキュー漫画の道に路線変更したんだろうか……。
起きあがりこぼしの要領じゃなくて一回転……だと……?
要救助者を助けるだけじゃなくて船も助ける、これが真田さんのレスキュー! なんて兵悟は感動していたようですが……。
しかも真田のこの行動は全くの独断ですからね。せめて隊員に「今から船を一回転させる」とか言えよ。わかんねーよ。
超人がいるとこうなってしまうのか……、三隊とか一隊だったらもっとまともなレスキュー見られたんだろうか、なんて考えてしまう。
さて仕事も終わったところで、六隊は九管の警救課長さんから良いお店を教えてもらって魚料理に舌鼓を打つことにしました。
なんでも課長と真田は古くからの知り合いでよくお世話になっていたらしい。またまたまたまた真田SUGEEEです。もう腹も立ちません。いつものことです。
さてさて、羽田に戻ってきてまた訓練の日々です。
ある日の横浜では六隊は忍者修行のようなサバイバル訓練というか鬼ごっこやってました。よくこんな訓練計画通ったなオイ。
武山君は新潟の山育ちらしくサバイバル能力には自信アリとのことで……みるみる頭角を現してメグルはウザがっております。
身体能力には恵まれてるもんな〜〜、って感心してるアンドリューのような大人の配慮はメグルには出来ないようです。当然ですけど。
ヒヨコの時より筋肉痛だ……なんて兵悟が家でダウンしていると、ユリちゃんからメールが入ってきました。
夕ご飯のお誘いです。
するとまたまた今度はすみれちゃんからメールが入ってきました。これまた夕食のお誘い。
二人から誘われてどうしよう!? なんて思ってると部屋のチャイムが鳴り……「まさか!?」って思って出るといたのは武山くん(笑)
「神林さん、ご飯食べました?」
「あ……いや、ちょっと用事あって」
武山君の誘いに曖昧な返事を返していると、武山君の背後から二人の人影が出てきました。
「どこの女とよ〜〜〜〜!?」
目の据わっちゃってるユリちゃんとすみれちゃんです。
どうやら兵悟は試されていたようです(笑) 
どっちに返事するか迷ってたでしょ、とすみれちゃんに怒鳴られております。
ユリちゃんとすみれちゃんはすっかり仲良くなった様子。でもなぜ武山君と? と思っているとすみれちゃんが爆弾発言。
「ナオ、まだ双子だって言ってなかったの?」
そうです、すみれちゃんと武山くんは二卵性双生児の兄妹なのでした。
なんでも武山君は一年浪人したので兵悟の後輩にあたるそう。同い年なんですね。一年浪人したヤン嶋みたいなもんです(違)
まあでも兵悟の一期下ってことは私の中でメグルと同期になるんだが……お互いあんなに目立つ存在なのに知らなかったんかー?
潜水研修の時から身体能力に目を付けられてて、トッキュー行きが決まっていたらしい武山君。てことはあれですかね……一年ちょっと航海士補やって、次の年の前期の潜水研修で潜水士なってすぐトッキューへってことですかね。……私の中のヤン嶋ルートと一緒だ(笑)
まあでもそんな経験の浅い武山君ですから、潜水士としてはとてつもない欠点を抱えていたようで……。
俺はまだ彼のことを分かっていなかった、という意味深な兵悟の言葉を残して以下次巻へ続きます。

しかしユリちゃんほんと可愛いわー。スタイルいいし、ビジュアルだけならほんと兵悟には勿体ない。やっぱ真田と並びなよ、真田と!(笑)

そして真田と言えば、武山君がロープ投下失敗した時の怪我でかなり酷い腫れ方してて伏線張ってあったんですけど……当然のごとくスルーされてました。
普通はその怪我が元でレスキュー失敗したりとかエピソードに絡めるもんじゃないかと思うんですが、この漫画的にはいつものことなのかな……。


□一五巻私的ベスト台詞。
「三隊を守っていくのが、俺の仕事や」
もう説明不要でしょう。
自分の命は自分で守れよ、って忠告してた嶋本隊長も素敵だった……。
あれですね、嶋さんは良い感じに真田を反面教師にしていると思います。彼は精神的にはもとより物理的にも部下を守ってくれる隊長だしね。
指示が短くて的確、そして隊員の能力を最大限活かそうとする指揮官としては理想的な動きを見せる嶋本隊長と正反対の位置にいますからね、真田は。

 


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