+ トッキュー!!感想 +
第十四巻 |
□一四巻。
隊長は吊り上げた二名の搬送を大口に託し、塾長と共にホイストで龍精丸へと降りました。 「気ぃつけとけ神林、相当のストレスがかかっとる人間が100名以上や、救助に来たと分かったらパニックになるかもしれん」 しかしそんな隊長の心配をよそに、大浜高専の学生たちは互いに歌を歌って励ましあい、救助が来た事に喜びこそすれ取り乱しはしませんでした。 「救助は一人ずつしか行えません! まずはヘリですぐ搬送しなければならない怪我人はいますか?」 隊長が言うと学生たちは口をそろえて「まずチョッサーを!」と指差します。するとそこには怪我をして横たわる近藤教官がいました。 兵悟はすぐさま近寄って涙目。 結局近藤教官を先にヘリで搬送することになったんですが。ヘリ戻ってくんのはえええええええ!!! まあ近いからな……、機長大忙しだな。 大分海の機嫌も直ってきて「ちくしょー、あいつらまだこねーのかよ」と塾長が愚痴っていた頃……、どうやら運搬業務を一手に担い陸路から来たらしき小鉄と高嶺さんが到着しました。なるほど、この二人は三隊の中ではガテン系だからこの役回りか(笑) 嶋さんって高嶺さんの救命士の資格、全然活かす気ないよね(笑) 「小鉄! 高峰! おっせーぞ!」 塾長に愚痴られつつ二人は岸側からロープを船との間に張って一人一人船から搬送を開始。どうやら海保・消防の共同作業のようです。当たり前のように対馬駐屯地の陸自は来ておりません(笑)対馬の陸自は精鋭部隊でもあるのにねえ、なんてちょっと不満。まあ、来るまでもないってことやね。 トッキューがちんたら救助してたっていつまでも終わらん! としらはの坂崎さん達や福岡のらいこう、鹿児島のぶどうの面々も救助に乗り出しました。 その光景は勿論全国放送されています。 トッキュー基地で笑顔の黒岩隊、目頭の熱くなっている長倉、病院で微笑むオッシー。涙を流す橘さん。 トッキューのなかで一番T9スライダーに精通していた隊員がこの海難に立ち会ったこと、(そしてゴーサインを出すという勇気ある隊長であったこと。更に新人に任せるよう隊長を諭した副隊長がいたこと)、等々様々な偶然が重なっての奇跡の救出劇でした。 あの渋いオヤジパイロットが強風の中ずっとホバってくれてた……、とありますが。や、機長は近藤教官吊り上げた段階でお役御免だったんじゃね? と思ったり思わなかったり。 でも強風の中ホバリングを続けるというのは見た目以上に大変なことで、一旦ホバ状態に入ると吹き付ける風に合わせて機体を調節しなきゃなんないわ、今回みたいに船の傍に寄る場合マスト等々の揺り返しに合わせても機体の動きを調節しなきゃなんないしで一瞬たりとも気が抜けません。 とは言え……これはベル412なので、多少はホバり易かったと思います。212とかジェットレンジャーでこれやってのけたなら喝采ですけどね。海王丸のときは212が飛んでたような気がするんですが……どうだったかな。 さて、仕事を終えて羽田に着いた兵悟は真っ先に九州で仕入れてきた大量のブラックモンブランを持ってメグルのお見舞いに駆けつけました。 相変わらず「吊り上げに時間かかりすぎばい。何あれ?」等々悪態をつくメグルですが、今の兵悟はそんな悪態すら嬉しい様子。 「なんや? 元気そうやないか石井、復帰は早そうやな」 嶋さんも基地長と共にお見舞いに駆けつけてくれました。 嶋さん……、自分の直属の部下じゃないのに、よほどメグルが心配なんですね(笑) 今日の嶋本さんは私服が素敵です。いつもジャージしか着てないから新鮮です。喉仏が素敵(笑) 基地長に早く怪我を治すよう言われて「オッシーのくだらんダジャレ聞かんで済むけん治りははやかですよ」なんて返すメグルはまだオッシーがトッキューを辞めたことを知らないわけで。 基地長からその事実を聞かされて真っ白。 「オイの、事故か……?」 真っ白になった孫を見て「孫は疲れとるけん帰ってくれんね」と孫の上司たちを追い返す祖母ちゃん。あ、甘い……。 みんなが帰ったあと、昨日オッシーが別れ際に「元気でな、メグル」と名前を呼んでくれたことを思い出したメグルです。最後やけん、名前呼んでくれたとか? と。 お土産を渡しそびれた兵悟がもう一度病室に戻ってくると、そこには何とカーテンをビリビリに引き裂いているメグルがいました。 「はよ行かんば……」 と、どうやらオッシーの所に行くためにこれをロープにして地上に降りる気のようです。でも、気持ちはともかく立派な器物破損ですね。ちゃんと病院に弁償しましょうねメグルさん。 しかし病院側からすれば包丁持ち出してカーテンを引き裂く……、キチガイ認定されても文句は言えない患者だな。 兵悟はそんなメグルを背負って降り、背中に担いで猛ダッシュでオッシーの元を訪れます。 「なんで……今回のことで押尾隊長だけが責任とって辞めんばいかんとですか? 俺のミスばかばって……あんたが辞めたって変わらん! 意味なかです! 辞めんでください!」 いや、変われよ!! 責任ある人間が責任取るのは当然じゃん。その背中を見て成長すれよお前……。意味がないとかマジ意味不明なんですけど。 オッシーはオッシーで、みんなの手前「責任取る」と言ったけど、メグルに降下を託した段階でそう遠くない未来にトッキューを辞めていたそうです。オッシー的には隊長である自分は全てで隊員を上回ってなきゃいけないのにメグルのほうが降下は上だと判断した。その時点で隊長失格だったと思っていたようで。 まあ、引退理由がそれってのは別に良いんですが。三隊なんて見てみろよオッシー……、あそこの隊長べつに隊ナンバー1じゃねーぜ? 塾長いなかったら三隊やべーぜ? そりゃオッシーんとこは長倉だからあれだけどさあ。 でも、オッシーの次の台詞に少しだけ納得。 「別にトッキューなんかなくなっても、うちと同じことを他の管区の潜水士やら機動救難隊やら消防やら自衛隊やらができりゃー一番早く救助できていいだろ。トッキューは守ってくもんじゃない」 うん、私もそう思うけど。 その台詞を自衛隊の救難が言うなら分かるけど、トッキューが言うことじゃないよね?(^^) と、軽くイラっとしてしまいました。お前らが投げた現場に借り出されるの誰だと思ってんだよマジで。 普段これだけ自衛隊の存在をまるっと無視してるのに、何でこういう時に自衛隊の名を出すんだ? 別に「他管区の潜水士やら機動救難隊やら消防やら」でいいじゃん。自衛隊だけ省いてくれよ。 まあ、どうやらオッシーは地元に戻って指定船乗って未来のトッキュー育てるみたいです。 長倉たち四隊のメンツも駆けつけて見送りをし、オッシーはトッキューを去ったのでした。さよならオッシー。 オッシーの旅立ちと共にトッキューも一区切り付きました。多分、漫画としてとても面白かったのはここまでだったと思います。 ハッ、つまりトッキューにはオッシーが不可欠ということなのか!?(違) さてさて、新章に移る間に閑話休題です。 それは……真田甚のジャカルタ奮闘記。 マジでどうでもいいので、デフォで読み飛ばしていました。つかすっかり真田のことなんて忘れていたのに、忘れた頃にやってきましたよ。 や、最初は流し読みくらいはしようと思ったんですけどね……、よくある私の苦手な「海外赴任したら日本の同僚のそっくりさんばかりだった」というネタで、嶋さんそっくりの女性が出てきて更に兵悟と出てきた段階で完全にすっ飛ばしましたね。 後日、余裕があるときにちゃんと読んだらこれはこれで面白かったし、嶋さんそっくりの女性・ミムラさんは好きなんですけどね。 ともかく、真田はジャカルタでも相変わらず真田イズムを発揮して頑張っておりました。 以上です。 さてさてさて、新章のとっかかりは久々のユリちゃんから。 看護学校に通って勉強頑張っているようです。 兵悟が例の対馬の海難で一躍時の人になっちゃって、遠くに感じちゃうユリちゃんです。 そんなユリちゃん、ある日夜に電車乗ってたらHENTAIに絡まれてしまいました。するとそこで颯爽と助けてくれた素敵メガネな人は……なんと女の子でした(笑) 電車男ならぬ電車女だな。 お礼も言えなかったけど、可愛い子に助けてもらった、とハイテンションで兵悟にメールするユリちゃんです。そしてさりげなく「次の日曜ヒマ?」とデートに誘ってみるんですが、見事「展示訓練だから」と断られてしまいました。か、かわいそうなユリちゃん。 しかしユリちゃんはグラドル並のスタイルで色っぽいわー。可愛いわー。トッキューの女の子で一番好き。 まあ、断られてめげるなんてユリちゃんじゃないわけですよ。ストーカー予備軍の力を思う存分発揮して、どこで展示訓練が行われるのか調べてこっそり行っちゃいました(笑) 「こんにちは、隊長の嶋本です」 なんてアナウンサーのお姉さん相手に愛想振りまく嶋本隊長がうける(笑) あの海難に実際に出動していた隊、ということで、子供たちから憧れの眼差しを受ける隊長が素敵だわー。 兵悟は展示訓練では溺れ役で残念ながらカッコイイ役どころではなく、「だから私に教えるのいやだったのかな」とポジティブ解釈のユリちゃんです。神林はそこまで深く考えてはいない、といつかのサナダマンのお言葉をプレゼントしたい(笑) ちなみにカッコよく兵悟を救助してたのは大口でした。お前、ほんとオイシイよなー。 三隊全員が整列して、にわかに写真撮影会になってユリちゃんも「撮りたいな、どうしよう」と恥ずかしがっていると「撮ってあげましょうか?」と誰かが声をかけてきました。 振り返ると、なんとこの前の電車女が……! 偶然の再会で互いに盛り上がっていると、「すみれちゃーーん!」とユリちゃんには聞き覚えのある声が近づき。 「あ、見てたよ兵悟ー!」と電車女も笑い……、一瞬で真っ暗になるユリちゃんです。 そして「勝手に来てごめんなさい!」と走り去るユリちゃん(笑) 「神林、痴話げんかは他所でやってくれ!」 盛大に隊長に突っ込まれる兵悟。 塾長なんかは面白がって「あのメガネっ娘と兵悟ちゃんの関係は? フリップをドン!」と隊員達に指示。 ・結婚を約束した幼馴染同士! 兵悟は忘れてる。 ←大口 ・血のつながらない兄妹。十年ぶりに再会。 ←高嶺さん ・海保校の同期。三管勤務? ←小鉄 小鉄だけ真面目に答えてしまって「ボケろよ小鉄! つかえねーなー!」なんて塾長に叱り飛ばされる小鉄なのでした。 まあ、小鉄の予想通り彼女・すみれちゃんと兵悟は保校の同期なのでした。真田と恵子ちゃんみたいなもんです(違) つか、大口すげえ。ユリちゃんのことをちゃんと「ユリちゃん」と認識している様子。一度しか会ったことないのに可愛い女の子はチェック済みですか、さすが大口さんパネぇっす! 地味に嶋本隊長もちゃんと女の子チェックしてるし、そういう部分で気が合うんだなあの二人。だから次の年は大口は副隊長に任命してもらえたんだな(笑) プライベートでも仲良さそうですよね、嶋本・大口って。張り切って合コンとか行ってそう。塾長・嶋本じゃあ休日に遊んだりとかあり得なさそうだし。でも、正直歳は嶋本・塾長のほうが近いだろうから嶋さんには「あんま若ぶんなよ!」って言ってやりたい(笑) すみれちゃんは、まあ予想通りというか保校時代は兵悟のこと好きだった様子です。今もトッキューのことしか目に入らなくてユリちゃんそっちのけな態度の兵悟を心配してるみたい。 すみれちゃんは、兵悟のことは吹っ切れたんだなーって読んでて分かるけど……この手のシチュエーションといえば嶋本進次さんですが恵子ちゃんのこと吹っ切れたか疑問なのは何故だろう? 「私、兵悟のこと好きだったんだ」って言ったからすみれちゃんは吹っ切れたのかなー。もう嶋さんも一度「俺、機長のこと好きやったんです」って言ったらどうっすかね? なんて思いつつも、この時はすみれちゃん登場で三角関係にするつもりだったのかもしれませんね。微妙に兵悟がすみれちゃんに未練あるような態度で描かれてるし。 さて、季節は晩夏です。 夏といえばトッキュー新人の招集。 初秋のある朝、兵悟が走っていると目の前には防災基地に向かうヒヨコ集団がいました。 「おはよう、訓練はもう慣れた?」 「神林さん! おはようございます!」 すっかり先輩の兵悟です。颯爽とヒヨコを追い抜いてしまう辺り、兵悟も成長したなーと逞しく思いますね。 あれから一年……、タカミツや大羽はそれぞれの隊で頑張っているし、星野君も頑張って救命士の学校に通ってる。メグルは相変わらず病院でリハビリの日々。 そんなことを考えていると「一緒に走っていいっすか!?」とヒヨコの一人が兵悟に追いついてきました。 「俺、神林さんと話したかったっす。一緒に走れてウレシイっす」 どうやら彼は兵悟に憧れている様子。あの対馬の海難を見ていたらしく、まさかそんなことを言われるとは思っていなかった兵悟はタジタジです。 兵悟は自分なんかよりもっと凄い人が沢山いるから、君はもっと上を目指せば良い、とか言いつつ「うかうかしてると追い越される」なんて思って一気に猛ダッシュでヒヨコを置いていってしまいました(笑) 三隊、本日の訓練は座学です。 心配蘇生法とAEDの手順、ということで今日の講師は高嶺さん。でもこれ、自動車の免許の学科でもやるよね……。 模擬人体を使って実習するということで、模擬人体を持ってきたんですが……これが何と塾長そっくりで、大口は「まるで一ノ宮さんがいるみたいっすね」と呟き模擬人体に「かずあき君」という名前をつけちゃいました。 そう、塾長はいま三隊にいないのです。 何故かというと、塾長は塾長へと舞い戻ってヒヨコ達の教官をやっているからです。 今日も防災基地には塾長のシゴキを受けて悲鳴をあげるヒヨコ達の声が響いております。 「俺の指導なんて可愛いもんやったやろ〜〜〜〜」 なんて言いつつ大いに不満げの嶋本隊長。 なんでも他隊の隊長から「嶋本の指導は今の若いやつを鍛えるにはまだ甘すぎる。トッキュー隊員の質の低下を防ぐには一からやり直したほうがいい」という意見が出たらしく……基地長がそれを受けて一番厳しかった塾長に戻したのだそうです。 まあ、当然だな。上の意見を言ったのは五隊の隊長のようですが、私だってそう言うわ。「嶋本じゃ頼りない」ってね。これは周りにナメられる要因を作ってる嶋さんが悪い。 屈辱だったとは思いますけどね、立場同等である同僚に思い切りダメ出しされたあげくに現在は部下の塾長に自身の仕事取られたわけですから。 「帆船の事故で、お前や石井が好き勝手やってるように見えたんやろ」 なんて隊長は言っていましたが、実際やつら好き勝手やってたからね。そしてそれを制御できなかったのはあなたですからね。まあ、アホな新人に当たってしまったことは不幸だったと思いますけど結果が全てですから仕方ないです。教官時代にもっと厳しくしていれば、こうはならなかったかもしれないし、周りはそう判断するでしょう。 そして悪いことに今年のヒヨコは出来が良いですからね。来年からも塾長で行こう、ということになると思います。 まあでも、兵悟にはこの隊長の言葉を重く受け止めてもらいたいです。坂崎さんが減俸処分になり、嶋本隊長が教官を降ろされ、と自分の行動の所為でいちいち上司に迷惑かけてんだからもっと自覚しろって感じですね。 まあでも「お前らが好き勝手やってるように見えたんやろ」って言葉は、兵悟たちをかばう発言とも取れますよね。「俺の可愛い教え子たちのことを上はなんもわかっとらん!!」という風にも解釈できるわけで……、こういう意味だったのならホント甘いよなーと思います。どうなんでしょうね。 どちらにせよ、嶋さんももう少し厳しく出来るといいんだけど……と思いつつあの人年々丸くなってるっぽいからあんま向かないのかもなー、鬼教官役。 さて、実習です。 駅構内で急に子供が心停止したという状況設定で訓練開始。 「かずあきぃぃ!! かずあきが息をしてないのぉぉぉ! 誰か助けてえええ!」 すっかりお母さんになりきる高嶺さん。 これは……お前らどこへ行っても保安官でしかないんだから、こんな芝居打つ必要は果たしてあるのか? と思ったり思わなかったり。しかし高嶺さんの熱演に感動(笑) さてさて、翌日は三隊とヒヨコ隊の合同訓練です。 消火訓練、ということでヒヨコ隊には助っ人が呼ばれました。 「石井です、よろしくお願いします」 そうです、リハビリも兼ねてメグルはこれからヒヨコ隊と共に訓練するらしいです。でも、実際に意識不明になった特救隊の人がいましたけどその人は原隊復帰は叶わなかったからメグルがあの状態でこうして復帰して、それから今後の昇格を思うとちょっと微妙です。いくら漫画とは言え。 さて、翌日は千葉の第二海堡にて訓練です。確か数年前に立ち入り禁止になっちゃって嘆いていた一部釣りファンとか特撮ファンも多かったようなそんな場所。 教官・塾長を目の前にして微妙に機嫌の悪い隊長です。まさか塾長にSITTO? なんて思ってたけど、多分違います。まあ後のお楽しみです。 消火救助はトッキューの初歩ですからね。実際、現場で火災起こっちゃったら特救隊が呼び出される可能性めちゃめちゃ高いですし。SST呼んでもいいんだけど、救助の名目じゃやっぱ特救隊だし。 塾長の笑顔で厳しいことをやらせる精神攻撃にも耐え、着実に消火していくヒヨコ達。 隊長も兵悟もヒヨコの出来のよさに感心です。 まあ、そんな中でも元消防のメグルは張り切ってヒヨコを引っ張り指導をしています。 「石井にはリーダーシップをとってもらいたかった」とかつて言っていた嶋本元教官はそんなメグルの様子にすげー嬉しそうですが、散々メグルのアホっぷりを知っているこっちとしてはメグルが偉そうにヒヨコを叱り飛ばしている様子を見るにつけ、超微妙な心境になってしまいます。 「今のはヒヨコバージョン、出来て当たり前! 次はトッキューバージョン行くぞ、三隊準備カカレ!」 なんて塾長に言われて「はい!」って返事する三隊がおもしれえ。下克上が起こっているというか、これはあくまでヒヨコ研修ってこと考えれば塾長のほうが立場上なのかなぁ。面白い。 まあ、ともかく久々に塾長も三隊に戻ってきての訓練です。 ヒヨコの前で厳しい状況想定の中、消火訓練を続ける三隊。 そんな時、何を思ったか兵悟がこんなことを言いました。 「嶋本隊長! 消火水量40%カットで行きましょう!」 珍しい兵悟の隊長呼び。すると即座にその兵悟発言に大口が乗っかります。 「ついでにガンホースなしで!」 ガンホースなしとかねーよ(笑) どうした大口……! なんて思いつつも兵悟の意図も大口の意図が分かっているから読み手としては熱くなります。 塾長も乗ってきて「それもアリだな」と肯定。 隊長は一応、今回始めて表に出る小鉄の火器担当という設定をフルに活かし小鉄に訊きます。 「小鉄、どんなもんや?」 「二分以上中にいると危険値を越えます。それ以内に消火できれば……」 「せっかく今回、開発中の冷却スーツを検証しているのでもう少し試したいですね」 小鉄も高嶺さんも後押し。そしてそして、兵悟がトドメの一発を刺しました。 「三隊最後の訓練ですからやれるところまでやりましょうよ!! 嶋本隊長!!」 くそ、お前……こんなときばっかり「隊長」って呼びやがって……! しかしこんな風に口に出してしまうところが相変わらずKYな兵悟さんです。大口を始め、みんな最後だと知っていたから言葉ではなく態度で語っていたのに(笑) もちろん隊長も分かっていたからこそ、機嫌が悪かったんではなく神妙にしてたんですよね、訓練前に。 命の保障はできんぞ? と言ってもやると言う隊員を前にして隊長はこの一年を振り返るのでした。 うまくいかんこともぎょーさんあったけど、三隊でなら何かできそうな気がしとった。なんでやろ――、と。 「三隊最後までアホ呼ばわりや! ええやないか!!」 満面の笑みで隊長はこう思うのでした。 こいつらとやれて、ほんまに良かった……と。 ああ、これで大好きな三隊ともお別れかーと思うと切なくなってしまいます。 しかし三隊はやっぱりアホ呼ばわりなんだな……(笑) ていうかこの話読んでやっぱり確信しましたね、大口は絶対に嶋本派だと。お前隊長尊敬しすぎ。 大好きだ大口!(単純) もう君は大羽と一緒にずっと嶋本派でいてくれ。嶋本・大口・大羽の嶋本組がほんとに好き。 でも隊としては今の三隊のほうが面白いですよね。塾長がいて、小鉄がいて、高嶺さんがいて、兵悟がいて……というほうが面白い。 そして嶋さんが初めての自分の隊を大事に思ってくれているのが伝ってとても嬉しかったです。ほんと色々あったなーと懐かしく思います。隊長としての嶋さんはほんとカッコ良かった。二年目も頑張ってくださいという気持ちで一杯です。 そして一四巻が最終巻でも問題はなかった……。 □十四巻私的ベスト台詞。 特にないな……。あえて言うなら三隊最後の訓練での大口。 マジで大口カッコ良かった。いやなヤツでもあるけど、基本良いヤツなんだよね大口は。 |