+ トッキュー!!感想 +



第十一巻
恵子様の態度のでかさについていちいち苛ついていたらキリがないし、どうしよう、と思ってたらもの凄い解決方法が浮かびました(笑)
実は五管時代、こんなことがあったんじゃないかなーと妄想。
優しい機長と良い仲間に恵まれて、充実した日々をおくる恵子ちゃん。
さて、恵子ちゃんにはAちゃんというとても可愛がってるメカニックの女の子がいました。女の子の少ない職場ですから、自分に懐いてくれてればそりゃ可愛いでしょう。
ある日、Aちゃんは泣きながら恵子ちゃんに言いました。
「神戸で潜水士やってる嶋本さんに"うわっ、オイルくせえ!"って言われたんです……」
ヤン嶋と付き合っていたのか片思いかはたまたただの冗談か分からないけど、泣いているAちゃんを見てブチキレる恵子ちゃん。
「嶋本ォォォォ!! そこに直れェェェェ!!!」
そしてそれから嶋さんにロックオンしてシゴキの日々が始まったのでした。
「五十嵐は熱心だなー、よその潜水士にあんなに一生懸命」
まったりとそれを見届ける機長なのでした。
それ以降、恵子ちゃんの中で嶋さんは「後輩を泣かせた男」でしかなくいつまでも根に持たれ、嶋さんもそれが分かっているから未だに強く出られないと。
これならヤン嶋が全面的に悪いよね、恵子ちゃんなにも悪くないよねってか当然だよね☆

イラっときたらこの捏造を思い出せば、あら不思議、仕方ないよねーで済まされる。
これに似たような経緯だったら、恵子様お疲れっすって感じです。

まあでも先日のヤン嶋と恵子ちゃんの関係のおかしさをもっと端的に分かりやすく言うとこうですよ。
新米潜水士の兵悟(七管・佐世保)が福岡航空基地所属のどこかのヘリの新米副操縦士(七管・福岡)にしょっちゅう正座させられてどつかれていた、と。
普通に「ねーよ(笑)」でしょこう考えると。接点すらねーよ。
そしてこう考えるとやっぱりイラっと来るんで、「まあヤン嶋が悪かったんだよ」って事にしといたほうが平和です。

ピューマでジェットコースター☆もなぁ……比べるモンじゃないってわかってるけど、F-15編隊とかC-1の背面飛行とか見ちゃうと上には上が山ほどいるというか、HENTAIパイロットはほんと山のようにいるから……ねえ。
降下だって、第一空挺団のHENTAIパラシュート降下とか見ちゃうと……うん、なんだ、ほんとリペ降がトッキューの専売特許とか恥ずかしいから勘弁したって! って気分になってしまいます。マジで輸送機? なC-1にぐるんぐるんバレルロールされたあげくに放り落とされる空挺団とかもうね、機体もパイロットも中の人間もHENTAI過ぎてどうしようって感じですし。OH-1なんかは……パイロットがどうこう以前に機体性能がHENNTAIです。C-1といい、さすがはメイドインジャパン!
水とヘリに関してはシールズとナイトストーカーズがタッグ組んでやってきたら、やっぱ裸足で逃げ出すしかないよね……。ナイトストーカーズの回転翼操縦能力は真面目に鬼だし、なんかもう、そこに重力はあるのか? 水はあるのか? 土はあるのか? って感じの操縦するんですよね……。恵子様、一度勝負してみて欲しい。や、まずOH-1のHENTAIパイロットと勝負する方が先か。
つーか、ファイター乗りは格好良すぎだろう……花形なのも真のエリートなのも頷けるってもんです。あーもう戦闘機って何であんなにカッコイイんだろう……!
輸送機のまったり感が好きなんですが、やっぱりシャープなのもいいですよね。
あー一度どれでもいいから戦闘機のサブシートに乗せてもらって海上に出て空母に着艦したいなーなんて思ってるんですが……実際「乗せてあげる(^^)」て言われたら激しく悩むだろうな……、普通に飛ばれるだけでも死にそうなのにアクロバット飛行とかされた日には……無事に土を踏める気がしない……。

と、話は激しく逸れましたが持ち上げすぎは真田にしろよくないってことですネ。

余談ですが、あまり知られてないかもしれませんけど、空自のパイロットたちはほぼ毎日スクランブルかかって出動して今この瞬間も日本の空を守ってくれてます。


□十一巻。
嶋本隊好きとしては、この表紙好きです。インカム嶋さんほんとカッコイイよね。地味に大口がイケメンで一瞬「主役?」とか勘違いしそうになりますよね(違)
さて、佐世保では櫻井さんの青春話なんですが……。
櫻井さん、以前階級章付けてたのを見る限り、一等海上保安士でした。階級かなりあやふやだということを抜きにしてもこれは納得だったので合っていると思います。ということは櫻井さんは少なくとも実務経験五年以上アリということで。
高校出てストレートで保校→海保で若くても二五歳以上。若くて大羽とタメかな? くらい。でもそしたら「おお、大羽と一緒かー。保校同期だったんだ」って話が出そうだから櫻井さんの方が上でしょう。アラサーですね。
そんな櫻井さんの「D−Tが女子高生をゲット出来るまで☆」を見せられても正直ドン引きです、な感じの佐世保話でした。
これならもっと、「あー海猿(またはトッキュー)のせいで変な追っかけ増えたんだろうなー、やれやれだZE」みたいな毒のある話でも良かったのに……櫻井さんマジ可哀想。
でもミーハーはともかく、キッカケは何であっても海上保安官になってみたいと思って尚かつなってからも続けられるのなら全然OKだと思いますけどね。
私の従兄だって……某青島刑事に憧れて……年齢ギリギリな感じでも諦めずにマジで警官になっちゃったし、ね……(遠い目)
まあ面接で「海猿観てきました!」とかいうアフォはいらんがな。

この話で拾いモノだったのは坂崎さんの「ベストよりベター」という台詞。現場の基本ですね。

さて、帰ってきました横浜!
相変わらず兵悟達同期の花は仲が良くて和みますねー。もうみんな大好きだよ。メグルもいていいよ(笑)
星野君はお洒落さんだよね。大羽もスタイルが良いせいか何でも似合っててカッコイイ。この二人が気が合うの分かるぞうん。
ということで、ある冬の朝――元ヒヨコ(星野君含む)の五人は某鬼軍曹に叩き起こされ、雪かきをさせられていたのでした。
「ちゃっちゃと雪かきせんかい! 官舎の皆さんが出勤できんやろーがっ!!」
嶋本軍曹の凄いところは、下っ端にさせるけどまず自ら率先してやっちゃうところだよね……あなた、隊長になってまで、なんでそんな雑用を……。こういうところ、凄いと思うけどやっぱり身近にいたら鬱陶しいだろうな……。
「なんで嶋本さんて朝異様に強いんだ……」
「ワシら朝五時に起こされてクタクタなんに……」
「初芝電気で量産して中国に輸出すればいいのにね」
最後の発言は星野君ですが、量産型嶋本進次@パナソニックか……そんなん開発されてもぜったいいらねー。だって毎朝「朝やでッ、とっとと起きんかい!」とか「なにボサっとしてんねん、チャッチャと用意せえ!」とか言うんでしょ? 考えただけで鬱陶しい……。
そんなわけでみんなで愚痴りつつも、嶋本さんに限らず隊長になる人は凄いのぉ、と大羽。うちの隊長も(嶋本さんに劣らず)凄いんじゃぞ、という大羽の話を皮切りにみんなで「俺の隊長」自慢大会勃発です(笑)
しかし、そんな中メグルは沈黙を守り……。
「じゃ、オイは当直やけんもう行くばい」
と去っていきました。メグルの去ったあとには何やら魔法陣の上に置かれた禍々しい雪だるまが残っており……「メグル君大丈夫なのかな」と心配になる同期です。
「凄い人?」と出勤するメグルさんは鬱々としてます。
四隊隊長は押尾勉さん。通称オッシーはメグルのことを「バンちゃん」と呼び、親父ギャグ大好きないかにもな中年親父だったのでした。
でもメグルが出勤した頃には既に着替えて待機してるあたり、ちゃんとしてると思うけどね……。嶋さんもだけど、全然下っ端より行動はええよ。
海難の時もまずオッシーは「そうだなー、副隊長どうする?」と副隊長に意見を求める始末で……メグルはやきもき。
おっと、この副隊長誰かと思えば長倉さんではありませんか……。あれです、研修時に手首痛めててレンジャー訓練に参加出来ずに真田がシャシャリ出てくる隙を与えた一隊の長倉さんです。
一隊の時は被ってたヘルメットのラインから見てヒラだったし、今年初めて副隊長に昇格したんでしょうね……、長倉の昇進スピードはマジでハンパねえっすけど、きっと副隊長になるまでが長かったんでしょう。
さて、オッシーですが……そんなに切羽詰まった場面でないかぎり、副隊長に意見を求めて隊の意見統一を図るというのは全然アリですよね。なにが狙いかっていうと、副隊長の成長です。いずれは隊長になる人材なんですから、育てないと。わざわざオッシーが長倉指名して副隊長にしたのって、そういう意図がなきゃなにがあるんだ? と思うわけで。
しかしそんなオッシーを見てメグルさんは「作戦ひとつ自分で考えきらん。真田さんと大違い」と。
なんか、いるよね、隊長はただ目立ってればいいと勘違いしてるヒーロー思考の人間って……って感じです。その真田だってかつてオッシーの下にいたのにね。
押尾隊長のことはなんも尊敬できん……気が重か……真田さんとレスキューしとうてこんな所まで来たのに……とアンニュイなメグルさんなのでした。
そしてついにある日。
「バンちゃん、おーいバンちゃん!」
「やけんメグルって何度も――」
メグルが振り返ると、そこにはイチゴ帽子のかぶり物をしてビキニ海パン一丁のオッシーがいました。
フリーズするメグル。
「今度の結婚式の二次会、四隊はこれで出るから。お前は赤フンでハンドベル担当だ」
早く着替えて練習だ、と言われて赤フンを渡され……こらえ性のないメグルさんはついに行動に出ました。
無理!!!!! その勢いで基地長室に飛び込むメグルさん。
「お願いします、オイを四隊から替えてください。押尾隊長ば尊敬できません」
「配属を替えてほしいということは、オレンジを脱ぐということだぞ。その覚悟は出来ているのか、石井?」
「――はい!」
もう知らん! と辞職宣言です。
お前さあ、ほんとさあ、あのさあ、お前みたいな使えないガキ一人をトッキュー隊員にするのにお前の大好きな国民の血税がいくら投入されたと思ってんだよ……簡単に辞められたら困るっつーの。ほんとなんていうか、ガキだよね。
ほんと最近の若者は(略)じゃないですけど、何か嫌なことがあるとすぐ辞めちゃう根性ナシって結構いるんですよね。メグルは自分が辞めることで税金はともかく、せっかく選んでくれたオッシーのことも、育ててくれた嶋本教官の顔も、メグルを選出した第七管区のメンツも潰すことになるって分かってるんだろうか……「選んでくれた隊長に感謝してオレンジに相応しいトッキューになるんやぞ」って教官の教えなんて、なんも聞いてないよねコイツ。
しかしメグルがちょうど基地長に辞める宣言をしていると、上半身裸のオッシーが入ってきました。
海難通報が入ったので出動する、と。
メグルの話は後回しです。
聞かれた? とビビってるメグルさんは相変わらず被害妄想激しいっすね。
どうせこん人だって、オイのことムカついとるはずや。何か言わんね、と一人悶々。
ははっ、かわんねーなーメグルは(by星野君)
メグルって小心者だよねこういうところ。星野君とかオッシーとかに酷いこと言ったりするわりに「どうせ向こうだってオイを嫌いったい!」とか訳のわからん超理論かまして被害者面だし。オッシーも星野君も大人だから受け流してくれるけど、普通にウゼえ。
そんなメグルの思惑を余所に、オッシーはなんとオナラ一発かまし(笑)
オッシーなりの気遣いかなんか知らないけど、オッシーほどになるといちいちメグルみたいなガキのことを気にしてられないってのが本音でしょうね。つまりメグルの自意識過剰。
まあそんなメグルさんですから「最悪ばい。ここから帰ったらアンタの下からバイバイばい」とやさぐれたままいざ現場です。
現場は漁船に網が絡みついた状態で、その中に要救助者が二名いる、とのこと。
困難そうな現場を見てニヤリと笑うメグルがかなり嫌です。メグルにとって難しい海難ってゲームなんだよね……人命救助したいとかって志はなくて、難しいゲームをクリアするみたいな感覚。
まあでも例によってオッシーは緩いからまた「真田隊長なら(略)」と思い巡らせるメグルさんなのでした。
メグルはやたら真田に夢を持ってるみたいだけど……、真田ってそんな凄い隊長とは思えないからスゲー笑えるぜ(笑)
速攻で降下して「オイが一番に助けるったい!」なんて言ってるメグルさんですが、いざ降下すると何も出来なかったりするのがまた笑えます。
この辺の潮は常時6〜8ノットはあるのだそうです。あーそりゃメグルにはレスキューどころか泳ぐことすら無理だわ。
しばし考え込んだオッシーは「網、切ってみっか」と指示。
当然メグルは憤慨し、網を切ったら漁船が(8ノットな勢いで)流されるやないですか、と反論。責任取れるとですか! なんてぺーぺーが偉そうなことまで言ったりなんかして。
オッシー、おもむろにメグルに頭突き一発です。
「じゃ、救助できたら四隊の出し物ぜったい参加しろ。いいな、バンちゃん」
唖然とするメグルです。
もうどうなってもしらん、と。
これはねー、自分ができないからってほんと隊長ナメすぎな場面ですよね。
さて網を切ると自由になった漁船は当然8ノットくらいで流されます。
今回は下っ端には無理ということで、オッシー自ら行きました。
そうです、相対速度を合わせれば止まったように見えるんです。要するにオッシーは8ノットに合わせて泳げる自信があったから網を切れなんて指示したわけで……。
こん人……何モンや……? と唖然とするメグルなのでした。
横浜は今日も雪です。やっぱりまだ認める気にはなれないけど……あと一年だから我慢する、と考えを改めたらしきメグルさん。
ちなみに結婚式の出し物は赤フンから人間筆文字にメグルの提案で変えたそうで、大成功を納めたらしい(笑)
長倉は海保大柔道着の黒帯つけてたりして、保大時代は柔道選択してたんだなーとどうでもいい情報も入りました(笑)
ビキニ一丁でタップダンス踏むオッシーかっこいいぜ……!
「メグル君見たよ! 結婚式の写真!」
「お前と気が合いそうやなー、押尾隊長(ニヤニヤ)」
三隊コンビにそんなふうに言われて「絶対認めん!」と絶叫するメグルは、今日も積もった雪で大量の不気味な雪だるまを量産し星野君を怖がらせるのでした。
以上、メグルの四隊奮闘記でした。

ちなみに今回ピューマを出したのは恵子様のチームじゃありませんでした。
なんでこんな時に限って……。
どうせなら三隊のときにこのおじさんで、四隊の時に恵子様だったらいいのに……そうしたほうがお互い仕事しやすそう……。まあ四隊with恵子様もあるにはあるが。
ついでに今回はメグル奮闘記でしたが、こんな風にタカミツin黒岩隊や大羽in南部隊も見たかったですね。
タカミツの話はチラッとあるものの、二隊の大羽はほんと無視だからな……。大羽好きとしては悲しい。

さて、三隊は訓練のために栃木県の奥日光にやってきました。
「しっかり食わんと夜まで持たんぞ! 凍死しとうなかったらもっと食えッ!」
例によって軍曹隊長に無理やり食べさせられる兵悟です。
嶋さんの口癖の一つですよね、「もっと食え」って。確かに平均摂取量と体力が落ちていて、でも「ヘタレられない」って時は無理にでも食べてカロリー確保することもあったけど、既に慣れてて「あー頑張らんば」って時は、スーパーヴァームのほうがいいや私は……(笑)
そんなわけで食堂でご飯食べてると、ちょうど兵悟達が席を立とうとした所で割り込んできた男女三人組がいました。
先に待ってる人がいたからどくように注意する兵悟ですが、相手が逆ギレしてしまい……隊長が宥めにやってきます。
「まあまあ騒がずな〜〜、君たち、落ち着こうや、ん? 腹減っとるのはお互い様やで」
ヤン嶋時代を思うと、笑顔でこう言える彼は本当に成長したと思います。しかし。
「ちっさいオッサンは黙っとけよ!!」
「やだ、大阪弁のコロポックルよ、信じらんない」
超地雷を踏んだ男女二名に隊長は――。
「高嶺、一ノ宮さん、小鉄」
名前を呟いただけで命令内容を察した部下達は颯爽と三人組をとっつかまえて――三人はけっこうヤバい人種だと悟ったのか「覚えとけよ!」と捨てぜりふを残して去っていくのでした。
食堂のお客さんに拍手される中、「お騒がせしました」と頭を下げる高嶺さん。良いなぁ。
しかし嶋さんはやっぱり身長低いの気にしてるんだね……(笑)
えー、本日三隊が奥日光にやってきたのは一面に氷の張ったマイナス世界・湯の湖で北の海を想定した訓練を行うためであります。
さすがに鹿児島出身の大口は寒いのダメらしく、一番寒そうです。
でも沖縄出身の高嶺さんは案外平気そうだな……、やせ我慢かもしれないけど(笑)
寒すぎて氷に穴あけるのも一苦労な面々ですが、小鉄だけは淡々と作業をこなしてます。
「北の鉄人はこういう時役に立つんや、三隊に入れた甲斐あったわ」
と隊長です。まさか、これだけのために小鉄を選んだんすか隊長?(笑)
高嶺さんはニット帽と髪の毛が凍り付いちゃって帽子脱ぐことも叶わず痛がってました。想像以上に寒いんでしょうね。
さて、訓練内容は「水平素潜り」です。
穴から入って氷の下を水平素潜りで20m進み、もう一つの穴から出る、というもの。
水平素潜り20m程度なら、ぶっちゃけ全然楽勝だと思うんですが……、全く明かりのない中しかも氷水という条件が付加されるとどうなんでしょう?
兵悟もその辺が全く掴めず「途中で苦しくなったら我慢せんとあがれ」って嶋さんに言われて「我慢するななんて初めて言われた」なんて思いつつ水に入ります。
まあ、軍曹がこう言うからにはかなり厳しいんだろうなってことは想像できますね。
兵悟が潜った途端、辺りは真っ暗です。あー、これはいわゆる宇宙飛行士が全方位に対応するための訓練でこういうのやりますよね。宇宙で何が一番怖いって方向が分からなくなることです。これは怖いわ……コスモが見えるわ。
兵悟も不味いと感じたのか浮上するも氷にブチあたって抜けられず、エアーも吸えないと焦っていたところで警戒に付いていた小鉄がエアーを吸わせてくれて無事氷の上に出ることができました。
「初めて氷に入ったとき、二人に一人は最後までもたん。俺も最初はそうやった」
髪の毛が凍っちゃってる隊長の言葉です。
小鉄さんは、いつもより身体を動かせ、凍って使えなくなる危険性があるからその辺に器材放置するな、「氷をなめんな!」と厳しいお言葉を兵悟にプレゼント。
訓練はその後も続き……次は夜九時から障害物突破訓練をするということで、一旦終了です。
マイナスの世界でウエットスーツのみで一日中泳ぎ続けたあとのお風呂……、冬ってお風呂に入るのただでさえ勇気いるから、温泉に入る勇気のない兵悟の気持ちが痛いほど分かります。
「早く入れよ」
そんな兵悟を湯船に突き落とした塾長はマジで鬼だと思います(笑)
ちなみにこのバスタイム、高嶺さんと隊長だけいない……。ハンカチ噛みしめて隊長の姿を探した嶋本ファン、挙手するように(笑)
一人余裕で湯船に使ってる小鉄を見て、兵悟は無邪気に声をかけます。
今日助けてもらったお礼と、西出身の自分には分からない北の海でレスキューしてきた小鉄を凄い、と絶賛する兵悟です、が。
「俺、潜水士になってから北の海で生存者を救出したこと一度もないし」
小鉄は心に重いモノを背負っていました。
一管で潜水士やってたころオホーツク海で貨物船が転覆して救出に向かった、と。でも氷の海はあっという間に人間の自由を奪う。意識は持っても身体はその前に言うことを聞かなくなって――目の前で要救助者が海に沈んでいくのを為す統べもなく見送るしかなかったことは、今も小鉄の心に棘となって残っているようです。
カウント600――、真冬の海で要救助者が生きていられるのはたったの600秒。それが命のタイムリミット。その間に救助を完了させなければならない、それが北の海の残酷な現実だ、と小鉄。
小鉄がどれだけの想いを抱えてトッキューに来たのか……、無邪気に話しかけてしまった兵悟は「すみません」と謝るのでした。
そんな兵悟に「夜もがんばれよ」とさり気なく言ってくれる小鉄はやっぱり地味に良いヤツ。
小鉄の話を聞いたせいか、夜の訓練も頑張る!と張り切る兵悟です。隊長もビックリするほど夕食を食べつつ「お代わりもらいます!」と茶碗を差し出した兵悟に真っ先にご飯をよそってあげる高嶺さんはやっぱり三隊のお母さんなのでした。
しかし――。
旅館の人から「お客様、ちょっと……」と呼ばれて行ってみると、なんと乗ってきたハイエースが泥水がぶっかけられていてカチンカチンに凍ってしまっていました。予備のボンベも全部エアーが抜かれてしまっていて……唖然とする三隊面々。
どうやら犯人は昼間食堂で騒動を起こした例の男女三人組らしい。
「で、どうするよ隊長?」
塾長に訊かれて「んー……」と唸りつつ、ボンベないなら潜水訓練は不可能だからレンジャー訓練に切り替える、と隊長。
四隊のオッシーは良い感じに長倉を副隊長として育ててるけど、塾長もまた良い感じに嶋さんを隊長として育ててますよね。これは実際に軍隊なんかでもよくある図で、新米パイロット士官はベテランメカニックの下士官にせっつかれて立派に士官として育っていったりするものです。
つまり、三隊の要は塾長! 一ノ宮塾長のニックネームは伊達じゃない、と思う次第です。
一方――、「へへっ、ざまーみろ」と例の三人組は凍った湯の湖でアイススケートを楽しんでいました。
その中のちょっと太った色黒の少年・川畑君は「奥日光のプルシェンコ」と呼ばれているらしく(笑)華麗なフィギュアスケートテクニックを披露しております。
バックの支持ナシ前方Y字スパイラルやってます……、これは……さすがプルシェンコを自称するだけあってメチャクチャ難しいことやってますよ地味に。しかもシューズの傾き具合からインエッジに乗ってやがる……できねぇよこんな技(笑)
さて、そんな川畑君ですが、まだ17歳ゆえにお母さんから身を案じる?着信が届きました。無視していると、急に足元の氷が割れ――。
川畑君が溺れて助けを請うていると、仲間は冗談だと思ったらしく笑っていたんですが、そのうちマジで川畑君は沈んでいってしまい……驚いて悲鳴をあげていると「どうかしましたかー!?」と人の声が。
そう、やってきたのはレンジャー訓練に切り替えた三隊。
三隊のメンツは悲鳴あげたのが昼間の女の子だと知るや否や「あっ、お前らー!」と怒鳴りかけるんですがなりふり構っていられない女の子は「ちょっと、助けてよ!」と状況を説明します。
「助けろって……どーもこーもお前らのせいでボンベもウエットも持ってきてねーぞ!?」
「このままじゃいくら俺らでも潜れないっすよ」
塾長と大口の言葉に「そんな……」と項垂れる女の子ですが、例え嫌なヤツでも目の前の要救助者しかも子供を見捨てるなんて、嶋本隊長の辞書にはありませんよね。
「進入索セットや! ワンバディごと60秒交替の素潜りで捜索する!」
そう、無理なら無理って言う隊長がこう言うってことは……望みはあるってことです。
素潜り!? と驚く面々に隊長は力強く言います。
「60秒厳守や、それならウエットなしでもギリギリ耐えられる! お前らはトッキューや! 絶対できる!」
なんというリーダーシップ……!
正直なところカリスマ性はない隊長だけど、隊長としてのプライドや指導力・統率力というのは既にしっかり備わっている嶋本隊長だというのを見せつけられたシーンです。
そして、自分の部下を心から信頼してなければ出てこない発言でもあります。
こんな風に隊長から「出来る!」って言い切られたら、絶対できるんだ、って思っちゃいますよね。
川畑君の携帯着信履歴から、彼が湖に落ちて既に二分が経過していることが判明しました。
命のタイムリミットは600秒。つまり、残りあと480秒です。
第一バディは嶋本・神林。ウエットの代わりに訓練用に持ってきていたドライスーツを着ての潜水です。
ウエットもなんですが、基本浮くような仕様なので、女の子達からスケート靴を脱がせて重りとして使用します。
兵悟は誰より必死な小鉄を見て小鉄に聞いた話を思い出し……二度と小鉄に目の前で要救助者を死なせるような思いはさせない、と湯の湖にドボン。
一分経って嶋さんが水面に上がるも兵悟はまだ上がってこず……取り付けていた確保索を引っ張って強制的に地上へ戻された兵悟なのでした。
兵悟ちゃーん、気持ちは分かるけどそこは隊長の命令厳守しろ、な?
そして全身氷まみれになりながら捜索をする三隊の面々を見て「信じらんない……」と女の子は震えながら見つめます。
「あんなことして平気なの……?」
それを聞いた嶋さんは、かじかむ手を震わせて凍りまみれの顔で振り返りました。
「平気そうに見えるかぁ?」
嶋本進次、最高に男前なシーンです。でもほんと、辛そうだよね……。
小鉄も必死に探しつつも、やっぱりフロートスーツでは動きにくいようで……、でも今度こそ助けたくて。
一巡しても見つけられず、素潜り二巡目です。
今度は兵悟、左奥の湖底にちらりと川畑君の影を発見しました。
一度水から出て、もう一度潜る、と言いかけた時――「どけ、神林!」と小鉄の大声が響きました。
なんと小鉄はフロートスーツを脱ぎ捨て、「60秒たったら確保索引き上げてください!」と湖に飛び込もうとしてます。が、全員「スーツなしなんて無茶だ」と止めるわけで。
しかし――隊長は確認するように小鉄に訊きます。
「小鉄、できるか?」
できます、と即答した小鉄に隊長はこう指示。
「よし、行け」
嶋本進次、もう一つの口癖「よし、行け」であります。
嶋本隊長の良いところは、状況判断が抜群に速いというところもあると思います。あと「拾っていけ」といい、指示が短くて的確で分かりやすい。
嶋さんはダメだと判断したらダメだと言う人なんで、彼が「行け」って言うことは大丈夫だということで、彼が隊員の力を信頼してるということでもあります。自らが前へ出るでなく隊員の力を最大限に引き出して使う……本当に、隊長としてこれだけ資質のある人だったなんて、嶋本隊長には驚かされることばかりです。同時にこれ以上の隊長はいないと本気で思います。
小鉄は、兵悟の言葉を頼りに左奥の湖底を必死にさがしてついに川畑君を発見しました。
が、川畑君の足には何かが絡まっていて……、60秒が経過して地上では確保索を引き上げようとするも重くて上がらない状態です。
腰につけた確保索を目一杯引っ張られ、小鉄も必死に川畑君を掴みます。でも引き上げられる力が強くて、何かに絡まっている川畑君をつい手から零しそうになって……「これ以上は手に力が入らない。息も切れる。仕方がない。俺にはもう助けきれない」ギリギリの中でそう思いつつも「いや……! 今度こそ一緒に帰るんだ」と、過去に目の前で要救助者を死なせてしまった無念を繰り返すまいと踏ん張って――小鉄は遠くで「小鉄さん、大丈夫ですか!?」という兵悟の声を聞くのでした。
北の海じゃあ要救助者が現場に着くまで生きてるなんて滅多にない、仕方なかったことだ、お前の責任じゃない……とかつて言われたこと。
そしてトッキューへ行ってみないか? お前ならきっとできる、と言われてトッキューへ来たこと。
お前らはトッキューや、絶対できる、と隊長に言われたこと。
できる……と言われ続けた小鉄は、ようやく自身の手で一人の少年の命を救うことができました。が、本人はまだボー然としてて自覚がないようです。
川畑君は足に自転車が絡まっていたようで……、引き上げたあと、蘇生措置を行う隊長と副隊長です。
……あの、せっかくこの隊には救命士がいるのに、なんで隊長が人工呼吸やって副隊長が心臓マッサージしてんの? なんて思っちゃったり。や、髪型から察するにそうでしょあれ。
私も、免許取るときに蘇生法だのAEDの使い方だのやりましたが……やっぱり、ここは救命士さんがやったほうが、いいのではないか、と……。
てか、嶋さんて人工呼吸担当っぽい節があるよね。けっこうな頻度でやってるよね人工呼吸。ちょっと要救助者羨ましいとか思った嶋本ファン、挙手するように(笑)
そんな甲斐あって川畑君は息を吹き返しました。
「小鉄さん、助かりましたよ! 小鉄さんが助けたんすよ!」
涙目で感極まった兵悟に言われて「俺が……? できたのか……?」と小鉄。
「ご、ごめんなさい……オレ……」
救急車へと移っていく川畑君に謝られて、小鉄はその手を笑って取りました。
何度でもこの手を掴みあげたい、だからトッキューに来たんだ、と。
「氷、なめんなよ」
最後は小鉄のキメ台詞でシメです(笑)
翌日――、例の男女二人は泥まみれのハイエースを清掃して以前より綺麗な状態に戻して三隊に謝りました。
「入院しとる川畑君によろしうな」
ダイエットしてからフィギュアや、とは隊長です。
そんな隊長や今回の小鉄のことを浮かべて兵悟は、みんなそれぞれトッキューとして必要とされる何かがある。俺にはなにがあるんだろう? 早く三隊に必要な存在になるんだ、と決意を新たにしますが……やっぱり訓練では一人遅れちゃうのでした。

どうでもいいですが、塾長のスキンヘッド……寒そうですよね……頭寒いと全身冷えるから、今回一番辛かったの塾長かも。

とある日――、塾長は基地で壊れた器材の修復を行っておりました。
機関科出身らしき塾長。流体力学とか材料力学とかもやったんだろうなーと思うと非常に親近感を覚えます。機械は苦手なので尊敬です。
でも塾長は保校卒っぽいから、そんなに詳しくはやってないだろうし……本当に叩き上げなんだろうなって気がします。
塾長の鮮やかな手つきに感動する兵悟です、が。
「兵悟ちゃんもこれくらい自分で直せるようにならなきゃダメよ〜? お前は目ぇキラキラさせる以外なーーーんも特技がねぇんだ。どうやったら三隊で役に立つか自分の脳みそで良く考えてくれよぉ? そんなのいちいち俺が教えることじゃねぇだろ? あ?」
嶋本"鬼軍曹"よりも余程怖いと噂の一ノ宮"塾長"に迫られてタジタジの兵悟です。軍曹は垣間見える甘さがあるけど、塾長ってそういうのないよネ。
兵悟が塾長に虐められていると、ちょうど海難通報が入ってきました。
千葉の館山沖で貨物船が灯台に衝突しそのまま傾いて走行していると通報があったらしい。該船は呼びかけても応答せず、乗員の状況その他は不明とのこと。何でも木更津海上保安部に通報があったということですが……木更津海上保安部なんて存在しねーよ……、なんの間違いだこれは……。保安署か?
まあいいや。
「イカの運搬船だから積み荷はイカ」という佐藤専門官の言葉を聞いて三隊の面々は――それぞれイカの塩辛だの刺身だのを思い浮かべるのでした。
「しょうゆ持ってくなよ」とは隊長のお言葉です。
念のため船内調査するようにトッキューにお呼びがかかったそうです。ということで、三隊は小鉄を基地に残して全員で出動。――小鉄ってなんかいつもハブられてる気がするなぁ、まあ火気担当だから仕方ないか。
現地の天候から船の進路を予測して地図に手を滑らせる隊長。予測場所を見て「この辺の潮の流れは複雑で地元の漁師もよう近づかん。過去何度か海難も起きてるが……要救助者がまだ誰一人見つかったことないんや」とミステリーじみたことを言い出しました。しかし、これは地味に嶋さんが千葉出身なんだと実感させられるエピソードだったかも。改めて読むと「あー千葉出身かつ千葉の保安部にいたんだな」って納得。
さて、みんなで出動準備していると、大口は今回の出動に関して何か引っかかったらしく……思わせぶりなアップを残したままいつも通りピューマで出動です。
あ、ちなみに今回もピューマは恵子様のチームっす。
現場で該船を発見するも、意外にも該船は普通に走っており……でもヘリで接近しても誰一人出てこない辺りやはり様子は変です。
しかし相変わらずインカム装着の嶋本隊長カッコイイです。何でだろう? 男前度がに2、3割増しになる気がするんですよね。
隊長は塾長、兵悟、大口にただちに降下して船内調査をするように指示。
まずトップバッターは塾長です。
「イカ、ゴチになりまーす」
塾長はそんな言葉を残して颯爽と降りていったのです、が。
「一ノ宮の様子が変です!」
ホイストマンの声に「は?」と恵子様。
「いつもじゃないのか?」
地味に酷い隊長です。
ヘリからデッキを覗き込むと、そこにはふしぎなおどりを踊るかずあきくんがいました。
「まさか……」
と何か思わせぶりな大口を残して、兵悟の降下です。ハッとして「まて、兵悟――!」と大口は止めるも時すでに遅し。
「いちのみやさーーん!」
「くるなあああ!」
下でそんな会話がされているとも知らずにヘリから隊長やホイストマンがデッキを見下ろすと……そこには、ふしぎなおどりを踊るひょうごがいて……イカの呪いにでもかかっとんのか!? と慄く隊長なのでした。
「一ノ宮、神林! なにふざけとるんや!? おい! 応答しろ!!」
隊長が呼びかけると「く、臭いっす……」と兵悟です。
「硫黄のニオイだ……、この船、ガスが出ている!!」
塾長からの声を受けて、なんでイカの運搬船にガスなんか、と呟く隊長に「やっぱり」と大口。
「最悪の予想があたってしまったみたいっすね」
…………お前への多大なるツッコミは後ほどさせてもらうことにするよ、大口。
兵悟と塾長は取りあえず風上に移動して呼吸の確保です。こんな状態じゃ自分の命守るのに精一杯でレスキューどころではない。この状況は想定外で対ケミカル装備もなく、どうすれば……と悩んでいた所に誰かが降下してきました。
しかも、防毒衣装着で。
そうです、さっきから思わせぶりな態度をとっていた大口さんです。
万が一を思って防毒衣を持ち込んでたらしいです。しかも、一着のみ。
大口によるとイカの運搬船だから内臓もある可能性を予測し、もしも内臓が腐敗して硫化水素でも発生したら船員は倒れるし、かといって船はそのまま航行を続けて今回のように灯台にぶつかるなんて事態もあり得る、と感じていたそうです。
うん、君の洞察力はなかなかだと思うが……うん、まああとでじっくりネ。
当然二人はレスキューに参加できないので「俺一人でやります、俺に任せてください!」と颯爽と大口は船内へと行ってしまうのでした。
でも兵悟はとてもジッとなんてしてられない性格なのはご存じの通り。
「俺たちにも何かできることないんですか!?」
「ちったあ自分で考えろっつったろ!?」
そんな言い争いを塾長としつつ、「団扇でもあったら……」と呟いた兵悟に「それだ!」と塾長。
塾長は名古屋出身だからどうか分かりませんが、この会話で確実に言えることは兵悟の「団扇」のアクセントでは東京人はとっさに「団扇」だと理解してくれないって事です。兵悟は確実にう(→)ち(↑)わ(↓)なんてアクセントで「団扇」って言ってませんからね。ちったぁ文脈で理解しろよ、って思いますけどマジで「……ウチワ?」な感じで一瞬固まりますからね東の人は。メグル辺り何度もそんな目に合ってると思うんですよねー。その度にキレかけてると思うんですよね。
まあ、今はそんなことはどうでもいいです。
船内の大口は、全員魚倉にいると踏んで入っていきます。
するとやはり要救助者はいたものの、全員泡噴いて危険な状態です。
一刻も早くこの場から連れ出さなくてはならないんですが……服が滑ってうまく連れ出せません。
そのうち呼吸も心許なくなってきたけど、防毒衣は一着しかないし誰も呼べない。だったら叫ぶしかないじゃない! ということで大口は盛大に愚痴ります。
「あーーー! 役にたたねーなー! あいつらはよーーー!!」
………。
大口さんが絶叫していると、突如魚倉のフタが開きました。
振り返るとそこには即席送風機を作って風を発生させる塾長の姿が……。
何でも扇風機に船の電圧を直で浴びせて強力な送風機にしたらしい。で、風でガスの濃度散らして船内への進入をはかったということです。
「くっそ……せっかく防毒衣持ってきたのに……副隊長やるな」
とは大口さん。かくして塾長のおかげで要救助者は全員確保できたのでした。
大口さー……、お前が頭脳的に割と使えるのは分かったからさー……、まずさ、隊長に進言しろよ。毒ガス発生に気づいたらっつーか少しでも気づいたことは隊長に言っとけ。な? 防毒衣とか勝手に持ち込むんじゃなくて隊長に相談しろ、な? 勝手に自己完結して「やはり最悪の予想が〜」とか言われても知らんっちゅーねん。しかも自分が一着しか持ってこなかったくせに「あいつら使えねー!」とは何ごとですか。お前、ちょっと保大出だからっていい気になりすぎなんちゃうん? 大晦日の態度といい、その性格ちょっとヤバイと思うよマジで。
まあ、でも大口は嶋本隊長のこと好きっぽいし……確実に真田より嶋本派だから、そこはとってもいいと思います☆
メグルみたいなゲーム脳ではなく、一応レスキューには本気だしね……。
さてさて、病院に運ばれた要救助者は無事に命を取り留めたそうで。
よかったよかった、と笑顔の隊長以下三隊なのでした。
まあしかし、当分イカの塩辛は見たくない状態な三隊でもありました。
そんな三隊を見て、ピューマから降りた恵子様はこんなことを言いました。
「あら、神林君の部屋と同じニオイするわね」
ビクッ、と身体を震わせる兵悟。
「俺らがイカ臭いってことなのか?」
「さあ……」
「分かりにくい……」
「まさか機長がそんなギャグ……」
「なんで俺の部屋のニオイ知ってんだ……?」
ひそひそ話をする三隊を見て、下ネタは受け辛いわね……、とロンリーな恵子様なのでした。
ちなみに上の会話、上から順に塾長・大口・高嶺さん・嶋さん・兵悟です。
兵悟だけズレているというのは置いておいて、「まさか機長がそんなギャグ」って隊長……お前未だに恵子ちゃんに何か夢持ってるのかYO! と声を大にして突っ込みたくなりました。
そしてあの海域で奇妙な海難が多い謎は結局解けず、「聖なる海のイカりやなイカ〜?」とオヤジなことも言ってしまった隊長。
「うわっ、嶋本隊長ありえないっすよ! 加齢臭するっすよ!!」
そんな隊長にドン引きの大口なのでした。

さて、季節は春です。
とある日、兵悟はユリちゃんとJR桜木町駅で待ち合わせ。
ユリちゃんは上京してきて、これから三年間横浜に住むそうです。
ランチにさっそく行きつけの中華屋にいってニンニクたっぷりの餃子頼む辺り……兵悟は相変わらずKYだなぁと思いつつ楽しい(笑)
兵悟はデートなつもりは全くなかったらしく、中華屋の店主に「デート」て言われて初めて意識しちゃいます。可愛い(笑)
でもこんな官舎の近くでは色々と見知った人に会ってしまうわけで……、まず中華屋に塾長が現れて速攻で逃げ出す兵悟。
コンビニに行くと「ケンシロウ、コンビニで男気ひとりごはん」なる本を真剣に立ち読みする嶋本隊長がいました。やっぱり健康も気になる年頃ですからね、自炊しないとネ。というか、ご飯くらい作りに行ってあげます! て思っちゃった嶋本ファン、挙(略)
更には大口に会ったりタカミツや星野君に会ったり……行き場に窮した兵悟は結局工作船を見に資料館に行くことに。
赤レンガを歩きつつ、デートと自覚しないことでデートの責任から俺逃げてた! なんて真剣に悩み始める兵悟です。可愛いぞ(笑)
そんなこんなで悶々としていると、ふと迷子の小さな男の子を見つけて二人は一緒にお父さんお母さんを捜すことにしました。
ユリちゃんはぐずり始めた男の子を見ても冷静に対処してて、ユリちゃんも新しい場所に踏み出そうとしてるんだ、なんて感心する兵悟。
でもユリちゃんは、たぶん保育士免許持ってるんだろうから、子供には慣れてて当然なような……(^^;
そしてなんと、迷子の男の子は黒岩隊長のお子さんでした。魁一(かいち)君と言うそうです。全然黒岩隊長に似てないです。
「遊んでくれてたのか? ありがとな」
なんて黒岩隊長と話していると急に携帯が鳴り、兵悟は海難発生の通達を受けて羽田に急行。
残されたユリちゃんに同情気味の黒岩隊長です。
「大変だなー、ねえちゃん」
「いえいえいえ……私、べつに彼女じゃないんでいいんですよ……」
「なんじゃそりゃ。なおさら大変だなー」
黒岩隊長は、ほんといい人ですよね。
プライベートを圧迫しないって意味では、嶋本軍曹よりよほど良い上司かも……(笑)

かくしてユリちゃんは今回も失意のうちに帰宅するのでした……。以下、十二巻へ。


□十一巻私的ベスト台詞。
「お前らはトッキューや! 絶対できる!」
やはり、隊長のこれでしょう!
あとはやっぱり「平気そうに見えるかぁ?」が表情付きでインパクト大でしたね。
あれで嶋さんに更に惚れた、ってくらい格好良かったですからね。
ハイエースをドロドロにした悪ガキでもいざ要救助者になったら命がけ。本当に全身凍りながらのレスキューで、全然平気ではないということが伝わってきて、もうほんと嶋本隊長カッコイイですよ。
十一巻はとにかく嶋本隊長が素敵すぎる巻だったと思います。軍曹でも副隊長でも素敵だけど、やっぱり嶋さんは隊長が一番!そして三隊最高!

 


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