+ トッキュー!!感想 +



第七巻
□第七巻。
彼らが来る、と恐らく分かっていた嶋さんのアップから入る七巻。自身のデスクで複雑かつ無表情というか。パソコンと睨めっこ。
そしてやはり、激しい足音を立てて彼らはやってきました。
「嶋本教官! 星野君が除隊って……どういうことですか!?」
「説明してください! 昨日のミスが原因なんですか!?」
「ここでは一回ミスしたら除隊になるんですか!? やり直す権利もないんですか!?」
必死に訴える兵悟、大羽、タカミツ。だけども嶋さんは返事どころか目も合わせてくれなくて……。
何か言って下さい、と兵悟が言ったときに背後から聞こえたのは真田の声でした。
「除隊を進言したのは俺だ」
真っ白になる兵悟たち。少しの沈黙のあと、兵悟の矛先は嶋さんではなく真田へ。
「答えてくださいよ真田さん!」
「――よせ、神林」
肩を掴んで止める嶋さんを振り切って兵悟は真田に訴えます。星野君がいかに真田に憧れてトッキューに来たのかと言うことを。どれだけ星野君が自分たちヒヨコのまとめ役を務めてくれたかと言うことを。
しかし――。
「憧れでレスキューができるか!」
強い声で真田は一喝。
「生死の分からない要救助者を船底に発見。あと八分で爆発下限界の5%に達するガス濃度……この状況で、お前たちは星野とバディ組めるか?」
真田の問いに迷う面々。
船底に下りて要救助者を担いで甲板に戻るまで最低でも五分必要。八分過ぎれば船の爆発に巻き込まれ間違いなく死亡という状況でどう行動するか――皆が迷う中割って入ったのはメグルの声でした。
「オイは星野君とは組めんね」
星野君はいつも大事な場面でミスしてきた。だから危険な状況で星野君とバディは組めない、と。だから星野君は除隊になっても当然、みんなもそがん思うやろ? というメグルの問いに「思わない!」と否定したのは兵悟でした。
「俺たちを信用してるって言ったのは真田さんじゃないっすか!? 俺はどんな状況でも絶対――星野君を信じて一緒に行きます!」
こんな風に言ってくれる友人ってほんとに貴重だと思います。星野君はどれほどこの兵悟の言葉に救われただろう……ってほんとに思いますよ。しかし兵悟が真田にタンカ切ったところで基地には海難通報が入ってきました。
一隊、三隊に出動命令が下り、兵悟たちも準備を手伝います。
嶋さんも三隊なので当然出動なわけで……準備をしながら真田に「さっきの例え話……」と話しかけるんですが「海難に集中しろ」と遮られてしまいます。
やっぱりまだあのこと気にしとるんや――、と意味深な伏線を張ったところで続けざまに通報が入り準待機の四隊まで呼ばれてトッキューフル稼働。
全ての出動を見送ったところで、星野君は諦めたように空を眺めて……。
「俺はもう、みんなとあの空へは行けないのか……」
兵悟たちはかける言葉が見つからず黙っていたところで首都高のほうから激しい衝突音が。事故です。しかも渋滞していて消防がくるのに時間がかかりそうということで兵悟たちは自分たちが救助に向かうことに。
「ヒヨコ隊出動カカレ!」
正式に専門官から指示もらって兵悟たちは首都高へと猛ダッシュ。
救急車が来るのは15分後らしい。首都高はいやと言うほど何度も通りましたが確かに混み方はハンパないです。世田谷で降りて銀座のほう向かうとマジぱねぇっす。やっぱ乗るなら関越っす。湾岸線は通ったことなかったと思うんですけど……まあ羽田からの行き帰りあるから当然混むでしょうね。踊る大走査線でよく使われるのここでしたっけね。
野次馬は消防じゃなく海保がきたことに疑問を抱いてますがそんなことを言っている場合じゃないですね。横転したトラックに乗用車が突っ込んだみたいでけっこう酷い状況です。
トラックの運転手は無事。乗用車に乗っていたのは親子で、運転していた母親は車から降りることが出来たんですが娘の方が足が挟まって出られない状態です。
ともかくみんなどうすればいいか分からないので、元消防のメグルに「どうすればいいの?」と訪ねるとメグルはニヤリ。
「今から指揮はオイが執るばい!」
うっぜえええええ!!! マジうっぜええええ!! ある意味リアルなのかもしれんが、なんかこう、メグルって緊張感ねーよな……笑ってる場合でも得意になってる場合でもねーだろ。
しかしメグルが指示を飛ばす前に星野君が行動してしまいメグルは慌てて星野君を張り倒します。
終いには邪魔だから野次馬の管理してろと星野君を現場から外しました。
――メグルはさあ、出来る子なんだから性格直せばかなり使えると思うのに勿体ないっすね。飛ばす指示は正確だけど、なんつーか……ねえ。
星野君は、ちゃんと状況を把握してメグルの指示を仰ぐべきだったのに怪我した親子を見てカッとなって先走ってしまった……と自省。今の自分じゃあの中には戻れない。お前らならきっとどんな前線へも飛び込んでいけるさ……と除隊という現実と自分の足りなさを受け入れた苦悶と諦念の表情のあとに「頑張れ!」と同期たちに声援を送ります。
……もうほんと切ねえなあ。
そんな甲斐あって娘さんは無事救助され、目立った傷もなくお母さんと抱擁を交わして兵悟たちはほっと一息。
しかし星野君はそんな母親を娘から離して、兵悟に母親をボードに乗せ替えるよう指示を出しました。
「こんどは何の真似ね?」と呆れ気味のメグル。
「時間がないんだ!」という星野君に兵悟はさっきの「星野君を信じてる」と真田に言った言葉通りすぐに手伝いましたが他の皆は状況が分からず……星野君は「お母さんは骨折している」と一言。
メグルに至ってはそんな星野君に「アドレナリンでおかしくなったんやなかと? やけんトッキューば除隊になるったい」と重ねて呆れた声を漏らすものの星野君は「嘘じゃない!」と訴え……そうこうしているうちに母親に異変が。そこで初めて母親の状態がヤバイことを認識した大羽とタカミツもすぐに手伝いに参加し、星野君の指示で母親に応急処置を施した所でようやく救急車が到着しました。
乗っていた救急救命士さんが「誰が応急処置を? 実に適切な処置だ、ありがとう」と。
母親は髄液漏れを起こしていて、最悪の場合心停止……という可能性もあったわけで、星野君の適切な処置によりそれは防げたのでした。
救急車を見送って、兵悟、大羽、タカミツは星野君に抱きつきました。「すまんのう、すぐに信じられんで」と素直に言える大羽はマジいい男だと思う。
野次馬にも拍手をもらい、星野君は救命士の先輩によく教わっていたから出来たことだ……と言いつつ「最後に、ちょっとは役に立てたかな?」と。
みんなと一緒にレスキューできてよかった、ありがとう、と星野君はみんなに背を向けた状態で耐えきれなかった涙を流しました。
これが、同期五人でやった最初で最後のレスキューでした……。

さてさて、上記の事件は本来なら消防がやるべきものだったので海保である兵悟たちは消防庁から表彰されることになりました。
「海上保安庁特殊救難隊 星野基殿」と賞状に書かれた文字が切ないですね。それは星野君が紛れもないトッキューにいた証拠。嬉しい反面辛くて……この表情がまた絶妙というか、作画の久保さんは絵上手いと思います。
星野君は今日で最後だから、訓練には参加せずに帰ることになります。皆かける言葉に迷っている中またまたメグルさんが暴言を吐きにやってきました。
「おらんくなるヤツのこといつまでも構ってられんやろ。――なんや、オイは謝らんぞ。間違ったことは言うとらん。そんなんじゃ巡視船戻っても同じ失敗すっちゃなかか?」
まあ、メグルの言いたいことも少しは分かるけど……メグルは一度自分も痛い目合えばいいよ、と思わずにはいられないよなぁ。星野君は大人だから受け入れて「そうだな」なんて言っちゃうけども。
少なくともメグルと一緒に仕事はしたくねーよ私は。
星野君はトッキューを除隊になって、今まで追ってきた真田の背を追えなくなって……これからどうすればいいんだろう、と虚ろな状態。そのまま去ろうとしていた所で現れたのは――。
「星野、まだいるか!?」
なんとサナダマンだった。
ツカツカと星野君に突進した真田は星野君の肩をガシッと掴んで一言。
「俺が除隊勧告をしたのはお前は最前線に飛び込むと冷静な判断が出来なくなるからだ。――だがレスキューは最前線だけでは成り立たない」
とサナダマン。昨日の事件を聞いたせいかは分からないけど、星野君に救急救命士の資格を取るように薦める真田。もしも星野君が救命士の資格を取れば横浜で海難が起きたときは心置きなくあとを任せてレスキューに専念できる、と。
「その日を楽しみにしているぞ」
もはや星野君が救命士を目指して資格取ることを決定稿のようにして語る真田。だからお前は天然なんだよ(笑)
でも星野君も思うところあったみたいで、俺はまだ終わりじゃない……と新たな目標が生まれたことに希望を見いだしました。
そして「よっしゃ、頑張れ星野ー!」と盛り上がる同期たち。
そんな彼らをやっぱり、嶋さんは見えない所で見守るのでした。

――星野、みんなお前を慕うとったなぁ……あんだけ必死になってくれる仲間、なかなかおらんで。最前線のレスキューにその優しさは向かんかったのかもしれんが、真田隊長の言うとおり救命士ならぴったりやと思うぞ。これからがお前の作る道や……がんばれよ。

可愛い教え子を一人除隊させる嶋さんはまた泣きそうになっております。
嶋さんは本当は星野君を除隊させたくはなくて、除隊させてからもずっとこのことが引っかかっていた……というのは最終回で分かるので今は素直に嶋さんの優しさに感動しておきたいと思います。
誰よりヒヨコを思ってるのに、絶対にそんなこと悟られるわけにはいかない。嶋さんてほんと不憫な役回り。

つーか真田マジうっぜえな。コイツ自分の副隊長が教官や思てやりたい放題進言しすぎだろマジで。
まあ、嶋さんも「星野やっべえーなどうしよう」って思ってたからこそ真田の「星野辞めさせろ」って進言を受け入れたんだろうけどさ。まあ、嶋さん優しいから辞めさせたりしなくて「どうにかして俺が引っ張っちゃる!」ってトッキューにしてそしていざ現場でヤバイことになったらそれはそれで大問題だし私も嶋さんはちょっと甘いと思うけども。
でも真田はなぁ……救命士になれなんて完璧後付けだしなあ……。つか星野君がミスったのは全部真田がしゃしゃり出て来た場面だけで、真田さえいなきゃ普通に優秀なのにね、波高三メートル流速五ノットもクリアしたし。二度しか星野君の訓練見てない真田が除隊を進言とか普通に考えてねーわ。マジうっぜ。
ま、数年後に星野くんは嶋さんの優しさとか気遣いを悟ることになるから良いよ。もう真田じゃなく嶋さん慕ってよ星野君、マジで。絶対真田より良いって。じゃないと嶋さんが不憫すぎるにも程があるから。

そんなわけで除隊になった星野君ですが、実はまだ官舎にいるのでした(笑)
元々この辺が地元ですし、勤務先も横浜ですし、救命士の学校も横浜だしな(笑)
相変わらずみんな星野君の部屋に入り浸る日々です。なんだかんだでメグルも星野君の部屋に来るし……この辺はほんと星野君の器の大きいところだと思います。
救命士かあ……海保的にはトッキューよりも狭き門だ、頑張れ星野君。
ていうか星野君は保大卒のエリートなので、ハッキリ言ってトッキュー除隊になったところで痛くも痒くもありません。おまけに潜水士・救命士の資格持ちなんて無敵すぎですよマジで。メグルなんていずれ手の届かないエリート出世コースを驀進することでしょう。
いくら特修科という制度があるにせよ、保校卒じゃどれだけ頑張ったところで保大卒には勝てないのだよ……。特修科卒の行き着く先なんて閑職っすよ。
だから長い目で見ると星野君の一人勝ちなので、元気だしてネ☆
とまあ、ネタのようですがこれは悲しい現実です。トッキュー的には星野君は負けな感じですが、現実的にはかなりの勝ち組です。性格も良いし、格段にメグルより優良物件です。
しかし救命士かぁ……意識してなかったけど、救急車のお世話になったときに世話してくれたお兄さんは救命士だったのかな、なんて思い出してしまいました。

さてさて、研修は続きます。
寝坊した兵悟は同じく寝坊したメグルと出勤で車内は気まずい空気が流れてます。つーかまたしても上り線と下り線がおかしいです。お前ら京急に乗れYO!浜松町経由で整備場に通ったら電車賃四百円上乗せな上に出勤時間三十分伸びるし踏んだり蹴ったりだよ……。
今日からの訓練はいよいよヘリからのリペリング降下です。
リペリング降下はトッキューだけに許された技――と兵悟が言ってますが、んなわけないです。リペ降くらい誰でもできます。トッキューだけに許された技があるとするなら、ホバリングしてるヘリからのリペリングではなくて移動してるヘリから降りるスライド式のリペリング降下ですね。これも特救隊の独占技術ではないけど、お家芸ではあると思います。
まあ、特救隊は実際に降下上手いし……別にいいんだけど……、でも、ちょっと微妙かなーこんな言われ方は。
降下がちょっと苦手な兵悟は「オレンジ(トッキュー服)を着るために頑張るぞ!」とモノレールに乗りつつ意気込んでるんですが、そんな時、近くの女性が荷物を落としてしまいました。
拾ってあげると、居眠りしていたらしき女性は髪バッサーな状態で礼を言って荷物を受け取り、ヘアピンでバッサーなってた髪をアップにしました。
わー……、と兵悟ですら言葉なくして見入ってしまうほどの美人でした。
「ご出勤ですか?」
と急に沸いて出てきたのはメグルさんです。
「こん人、化粧したらべっぴんばい!」とロックオンしたメグルは朝っぱらからナンパです。綺麗か人に声もかけんで通りすぎるのはトイレにノックせずに入る程失礼だそうです。恥ずかしいから止めようよと止める兵悟に「D−Tは下がってろ」と言いつつ例の美人女性に「フライトですか?」と。女性が肯定すると「やっぱりスッチーさんばい!」とメグル。
「最近の日本はおかしかけんですねー、変なか客も乗せて飛ばんばいけんとでしょ?」
「そうね、頑固者、筋肉ナルシスト、脳内天狗、チキン野郎、セラミックヘッド親父、それからお喋りマシンガンに――死体かな。ところでどちら様?」
「オイは石井盤です、羅針盤の盤とかいてメグルです!」
メグルはメガネを外して背景に花を背負ってウインクでキメ顔。女性はまるっと無視して「あなたは?」と兵悟に聞いて兵悟も自己紹介すると、女性は兵悟の名前をどこかで聞いたことがある様子で……。
兵悟は兵悟で「この人、誰かに似てる?」と。
そんなこんなで騒いでいるうちに整備場駅について女性は「頑張ってね」と降りていってしまいました。兵悟たちは降り損ねてしまいました(笑)
まあ、天空橋から引き返してきてもタイムロス五分だ。痛くはないさ(笑)
ちなみに兵悟は彼女のことを「ほんとキレーな人だなぁ」とポーッとして見てたので、佐世保のユリちゃんは悪寒感じてました(笑)
さて、今日は羽田航空基地に協力頂いてヘリからのリペリング降下訓練です。
今日の訓練を担当するのは……スーパーピューマだあああ!! えー、何かと申しますと海保所有の大型ヘリであります。漫画の中では「わしたか」という名前らしいですが、明らかにピューマなので以後ピューマと呼ばせてもらいます。羽田のピューマ「わかわし」をもじって「わしたか」にしたのかな?と思います。
ちなみに海保の航空基地ですが、モノレールに乗れば整備場駅から見えます。私は当然のごとく通るたびにガン見しておりますが(笑)、私の最愛は自衛隊のC130輸送機ちゃんなので、海保の機体はファルコンとかガルフ(ジェット機)のほうが好きですね。日本人ならブルーイレブンだろ?とも思いますが、格好良さはガルフかなぁ。ブルーイレブンも丸み帯びてて可愛いっちゃ可愛いんだけども。運が良ければ例によってオレンジな方々が訓練していたりもしますけど、私は特別特救隊が好きとかいうわけではないので、格納庫の前にオレンジがいると「見えねんだけど」と若干損した気分になり……、い、いや訓練してる隊員の方は頑張ってるんだからアレなんですけども。モノレールに乗った際はぜひ格納庫チェックしてみてください!
さて、嶋さんはピューマを「俺たちのバディなんや」と紹介。ついで副操縦士さんとか通信士さんとかを紹介していって、最後に「あれ、機長は?」と。どうやら機長はまだのようで。
「あ、来ました来ました……」
副操縦士の富岡さんが呟いた途端、嶋さんは90度腰を折って最敬礼で頭を下げて。
「おはようございます!! 五十嵐機長!!!」
いつも偉そうな軍曹のあまりの低姿勢っぷりに「な、なんだそんなにドンなのかこの機長は」とビビるヒヨコたち。
「お前らもはよあいさつせえ!!」
と怒鳴られてビビりつつも張り切ってあいさつするヒヨコたちにあいさつを返しながら深くかぶっていた帽子をとって機長が顔を見せました。
「これから二週間、リペリング降下訓練の機長を務めます、五十嵐恵子です」
そこにいたのはなんとモノレールで会った美人さん。兵悟は「機長!? 朝の女神が!?」と。大羽もタカミツも「べっぴんさんじゃ!」と真っ赤っか。
そうです、ピューマの機長はトッキュー最強伝説の恵子様なのでした。しかし恵子様……下手すればアラフォーなのに若い衆からすっぴん状態で美人扱いってどんだけーと思います。作画的には私はそんなに美人とは思えないんですが……、せめて一重じゃなくて二重だったら……!
恵子様はヒヨコたち一人一人の性格及びクセについて細かくダメを出してるんですが、一人ゾクゾクしてるメグルは完璧M男でキモいです。こいつアイドルオタクだし、リアルでいたらマジきめえっす。
恵子様は兵悟が西海橋で真田を助けたことについても突っ込みます。
「覚えておきなさい、空は海とは違う、落ちたら死ぬの。――いい? 空では奇跡は起きない」
恵子様SUGEEEEタイムですが、まあ恵子様なら良いかな、と思います。
「嶋、離陸時刻は10:45。それでいいわね?」
「はいッ、問題ありませんっ!!!」
どんだけ低姿勢なんすか嶋さん……と思わずにはいられないほどの憔悴っぷりです。この頃は嶋さんの過去なんて分からなかったから単純に疑問でしたね。なんで恵子様にこんな逆らえないの?と。
兵悟はそんな恵子様を見て「真田さんに似てる」と。メグルは気づいていないようですが、基本的に真田っぽいのに惹かれるんでしょうネ。
ハッ、ようするに恵子様SUGEEEは真田SUGEEEの派生なのか……そいつはウゼえや(笑)

ちなみに私はコミックス読んでるので、この回のおまけで嶋さんの名前が「進次」ってことを知りました。作中で出てくるのはまだまだあとですが。
三管生まれ、五管勤務、とも書いてあるので嶋さんがエセ関西人なのも決定ですね。特技は腹筋しながらの素登りらしいです……器用なことするなーと想像してみたらおかしかったです。

えー、リペ訓開始です。
離陸したピューマから東京を見てはしゃぎまくるヒヨコたち。
「あっ、あれ東京湾アクアラインですか!?」by兵悟
「うおー、うみほたる!うみほたる!」byタカミツ
「ハスキーで良か声ばい……恵子タン……v」byメグル
「まるで人がゴミのようだ……」by大羽
「緊張してくれ!! 遠足とちゃうで!!!」
アホ生徒を率いる嶋先生はほんとかわいそうです(笑)
えー、大羽ですが、台詞を見てお察しの通り彼はジブリオタです。一番のお気に入りは「耳をすませば」らしいです。休日には聖蹟桜ヶ丘にカメラ持参で行っちゃったりします(笑) あー大羽マジ可愛い。大羽とお友達になりたい……。
ちなみにみんなリペ訓のために髪の毛まとめてるんですが、メグルだけはまとめてないのがメグルらしいです。コイツ「格好悪いから」という理由だけでその辺やらないヤツだから。一番髪が長くて鬱陶しいんだから、とっとと準備するべきなのに、ほんとになんというかね……。
逆に嶋さんは必ずゴーグルもするし、当たり前ですが見た目よりも機能重視派ですね。実は私、ピューマに乗ってる嶋さんって凄い好きなんです。インカム装着の嶋さんのカッコ良さマジぱねぇっす。
てことでリペリング降下開始です。
嶋さんは恵子様に「今日は風がないから揚力をあてに出来ない。トルクがどんどんあがるわ」と言われて「お手間は取らせません!!」とまたビビリモード。これはもうトッキュー七不思議の一つでしょうネ、恵子様に頭の上がらない軍曹。でも風がないというのは降下する側にとっては良い条件ですね、ラッキーです。
まずは嶋本教官のお手本からです。嶋さんは何度も何度もカラビナや安全環の確認をして、いざ降下。
そのあまりの速さにヒヨコたち(除くメグル)は圧倒されるしかないわけで……、やっぱり嶋本さんて凄いんだ、という兵悟たちに「そうだろうそうだろうようやく分かったか!」という気持ちでいっぱいでした(笑)
さて次は大羽の番。下を見ると、ただでさえちんまい軍曹がもっとちんまくて……。青ざめるも男・大羽は一気に降下。しかし。
「まわっとるで!!」
シュタっと降下できずにグルグル回りながら降りちゃったために目を回してしまいました。当然離脱も遅れて怒られる怒られる。
タカミツは慎重に降りすぎてなにもかもが遅い、と怒られ……次メグル。――あーはいはい、速いですね、嶋さんと同じくらい速いですね、手順も鮮やかっすね、凄いっすね。
恵子様もあまりの速さにビックリするも、地上に降りたメグルはジェスチャーでハートマークを作っており思わず目をそらす恵子様。めげずにメグルは「L・O・V・E」とジェスチャーし、通信士を悩ませてました。はた迷惑なヤツじゃ。
恵子様はメグルの降下スピードよりも、メグルの迷いのなさに驚いていました。肝が据わっているのは噂以上だ、と。
兵悟は負けられない、と思いつつ自分の番が来て降下しようとするけども何故か飛び降りることが出来なくて……。
結局飛び降りることが出来ないままその日の訓練は終了してしまいました。
「明日は09:40よりブリーフィング開始。それからまた定置訓練をピューマで実施や、ええな」
あれ、普通に嶋さんピューマのこと「ピューマ」って言うてる……(笑) 今気づいたけど、これは、読者に不親切じゃないのかなって気がします。今まで「わしたか」って言ってたわけだし、あの絵みて「うほおおスーパーピューマきたああ!」なんて一発で分かるの、余程のマニアしかいないと思うし……。最初に「スーパーピューマ"わしたか"で訓練を行う」とか言ったほうが良いですよね、絶対。
恵子様は二日目は必ず結果を出してもらうわよ、と兵悟に忠告して、兵悟も明日こそは……!と思うわけですが、結局四日続けてダメでした。
定置訓練は明日で終わり。その次からはいよいよ巡視船に協力してもらってスライドリペリング降下の訓練へと移行することになります。
参考に嶋さんは過去のヒヨコ達の痛々しい「初☆スライドリペ降珍プレイ集!」ビデオを見せました。このように痛々しい歴史がお前達にも訪れると思う、と言われ……みんなは珍プレイ見ても明日は我が身なので笑うに笑えない状態です。……でも、特救隊だってスライドリペ降で失敗して海に落ちることはあるし、うん、そのくらい難しいってことですよ。
ていうか嶋さんは自分のビデオは死んでも見せないだろうな(笑) 私は嶋さんがそんなに優秀なヒヨコだったとはあまり思えないから絶対珍プレイ晒してると思うんですけど(笑)
兵悟は明日飛べなかったら荷物まとめて佐世保に帰れ、と言われてしまい……ホントに崖っぷちです。
一人基地に残って降下の練習を続ける兵悟のことを「わっかりやすーがんばっとるフリしとるねー。同情買えば星野君ごた除隊にならんとでも思うとるんかねえ」とまたも捨てぜりふを吐いたのは他でもないメグルさんでした。
「仲間をバカにするのもいい加減にしろ! 他人の悪口しか言えんヤツがワシは一番嫌いなんじゃ!!」
メグルの態度に怒った大羽に「そがん本気にならんでもよかろーもん」とはメグルでしたが、大羽はメグルとタカミツを先に帰らせて一人兵悟の元へ。
そして大羽は兵悟を連れだして、なんとみなとみらいの観覧車に連れて行きました。男二人で観覧車っす。
なんで飛べんのじゃ?と大羽は兵悟をとても心配して更に叱咤しました。
「キツイ訓練じゃからこそ楽しまんでどうする!? 最近のお前はちぃとも笑っとらんぞ!?」
お前はこんなもんじゃない。そんなことじゃ星野が怒る。仲間がこれ以上減っていくのは見たくない、と大羽。
大羽は兵悟が高所恐怖症かと勘違いして観覧車に連れて行ったわけで……「安直でわるかったのー!!」と叫んでましたが、大羽はほんとに良いヤツです。
しかしながら現実はもっと厳しく……、スライドリペリング降下訓練に協力してくれる巡視船が急に洋上任務に就くことになったので訓練を前倒ししなくてはならなくなって、定置訓練の予定は昨日で終了ということになってしまいました。
まだ兵悟は定置訓練をこなせていないのに、いきなり洋上に出るのは……とタカミツと大羽。するとその一言が恵子様の逆鱗に触れ。
「出来の悪い隊員一人の都合で物事が動くと思うのか!!」
一喝されてまたまた嶋さんは90度腰折って最敬礼。
「思いが至らず申し訳ありませんでした! あとでよく言い聞かせます!」
「そうして、嶋」
や、責任者がかわりに謝るのは当然だけどほんとなんでこんなに低姿勢なんだYO。そしてこの恵子様は「憧れでレスキューが出来るか!」と言った真田にそっくりですが……恵子様の言ってることは正論なので受け入れられますが、真田は(略)
ちなみにこの恵子様の怒声に震えて悦んでいたメグルがマジきもいっす。終始こんな感じで、ピューマ乗ってからも悦ってるメグルに大羽がドン引きだったのを私は見逃しませんでした。
嶋さんは内心穏やかじゃないようです。だって定置訓練もできないのに洋上訓練なんてこなせるはずがないんですから。もう一人除隊する人間を出さなあかんのか、五十嵐機長……? と。……いや、兵悟の除隊決めるの恵子様じゃなくアンタじゃね? と思ったり思わなかったり。
さて高度1000フィート。周囲5キロ以内に航行中の船舶なし。ローリング及びピッチングほぼナシ。ここから「いつもの」行くわよ、と恵子様。嶋さんは青ざめて「お前らしっかりロープ握れ!」と。
そうしてピューマは一気に高度25フィートまで落下。海にぶつかる直前で再び上昇。そうしてまた落下、を繰り返し……。
「どう? これがトッキューの空よ」
と恵子様。トッキューの行く空は穏やかな場所ばかりでない。空は怖いのだと、死の恐怖心を植え付けなさい、と。
さすがの俺でも毎年コレはキツイ……とロープを握りしめる嶋さんの視線の先には、意外にも冷静な兵悟がいました。
ピューマでジェットコースター☆も無事終了し、予定通り洋上訓練へ。
兵悟はなんと自分が最初に行く、と立候補。メグルは当然「オイが一番たい!」と反発して揉め、「嶋、まだ!?」とせっつかれた嶋さんは頭を抱えてというか「もうどうにでもな〜れ☆」みたいな感じかな(笑) まず自分が先に降りるから、次に兵悟に来いと言って行っちゃいました。さすがに鮮やかなスライドリペです、凄いんだぞーコレ。でも、降下する人間も凄いけど、船舶との相対速度を合わせて降下する人間にも合わせてヘリを操縦するパイロットのテクニックも問われるので、やっぱりヘリパイもSUGEEEっす。
兵悟もその辺を感じ取ったみたいで、五十嵐機長ってほんとに凄いパイロットなんだなー、ヘリってあんなに乱暴に扱っても落ちないんだな、と妙に納得してました。
振り出し位置から海を見て、改めてここからこうやって救助に行くんだなーとしみじみ思う兵悟。しらはのいる佐世保の海にも、海に行ったまま戻らない父親の所にも……、こうやって救助に行くんだな、と思った兵悟はすごい冷静に飛びました。
しかし着地に失敗。デッキの荷物に激突して鼻血出しちゃいましたが落ち着いててみんなビックリです。
兵悟が飛べたことでメグルも燃えちゃって颯爽と飛ぶんですが、例によって飛ばしすぎてヘリとの連携がバラバラ。お前は協調性を一から学んで来いと言いたい。

そんなこんなで兵悟が飛べたことで訓練も進み、ある日の午後、ピューマは整備のため訓練はオフになりました。
しかし昼食中にさえ喧嘩を始めるメグルと兵悟を見て「そんなに体力余っとるなら俺が現場の潜水士に返った気分で訓練したるわ!」との嶋さんの一言で巡視船の潜水士の皆さんvsトッキューヒヨコ隊が勃発してしまいました。
ルールは一人二組で目隠し逆立ちをして甲板を一周すること。潜水士側に30秒のハンデ有り。
現場の潜水士っちゅーんは基本トッキューがシャシり出てくること嫌うので内心「負けられるか!」と対抗意識出しまくり。
ヒヨコはヒヨコとはいえ一応トッキュー見習いなので「トッキューの面汚しだけはするな!」と必死な嶋さんはバディ組んだメグルと兵悟にきつく言って聞かせ、勝負開始。
さてさて、二人は良いバディになれるのでしょうか……?
結局ヒヨコ達が勝ったんですが、まだメグルと兵悟は言い争いを続け……「まだ体力余っとるならあの無人島まで心置きなく遠泳してこい!」と命令されて無人島へ向かう二人。

――まだあの二人がバディを組むのは早い気がする……。

という嶋さんのモノローグで次巻へ。思わせぶりですが、この二人がバディを組むことは永遠にないのでこの前フリはサクッと忘れてもらって結構です。


七巻私的ベスト台詞。
「星野君を信じて、一緒に行きます!」
兵悟の真っ直ぐな性格が現れていた場面だと思います。星野君除隊のエピソードはほんとに切ない……。
次点で「俺はもう、みんなとあの空へはいけないのか」とピューマやファルコンで飛び立ったトッキューを見上げて呟く星野君。なんかほんと、切ないです……兵悟や大羽の気持ち、星野君の気持ち、嶋さんの気持ち。それぞれに切なくてね……。真田とメグルは(略)

 


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