+ トッキュー!!感想 +
第六巻 |
□第六巻。
嶋さんの言う「踊る」の意味が分からない兵悟たち。 星野君だけは連れてこられたこのプールが荒天シミュレーション設計になっていることを知っていて……。 知らない他の面々は「俺たちで勝負じゃ!」とか闘争心燃やしてるんですが、そんなことを言っている余裕は嶋さんがプールの操作を始めた瞬間になくなりました。 荒天シミュレーション設計の通り、嶋さんが操作した所為で波高発生、流速は三ノットまで上昇。波高はともかく三ノットはねーわ、と庶民は思うわけですが、潜水士として選抜された彼らヒヨコ達でも当然無理でした。 「これもクリアできんようなら今すぐ辞表書いて田舎帰れ、クズども!」 嶋軍曹の素敵罵倒タイムの開始です。羅列してると大変なのでショートカットでお届けしました。 まあ、どれだけ煽ったところでヒヨコにこなせるはずもなく、スクリューに巻き込まれる寸前で嶋さんは機械をストップ。 「助かった?」と安堵する兵悟達に「逆や」と一言。 「スクリューに巻き込まれて全員死亡。ぜ・ん・い・ん・し・ぼ・う・や」 キッツイけどこれが本番だったら現実にそうなることを忠告。 しかし嶋さんは「あ、しまった。機械の操作間違えとったわ」とわざとらしく謝り……「やっぱりあんなキツイの間違いだと思った」と安堵した兵悟達でしたが……。 「波高三メートル、流速五ノット。これがトッキューの最低クリア条件やった」 とさっきよりも格段にキツイ条件をぶつけてきました。そして超笑顔で「さっ、二本目行こか!」と。 鬼軍曹〜〜〜と恨みつつ兵悟達は為す統ナシなのだった。 そして楽しい楽しい研修は続き、連日嶋軍曹に罵倒される日々。 みんな各区管のトップで鳴り物入りでトッキュー来ただけにプライドずたずたです。 泳力等々の体力的なことに加え「アホじゃ務まらん!」と嶋さんに座学までたたき込まれ……もうみんなズタボロです。 保大卒の星野君以外はけっこうキッツイんじゃないかなーと思います、お勉強。 つーか肉体的にも頭脳的にも教官任せてもらえる嶋さんって、凄いんだろうなーとつくづく思います。とても千葉の(略) 兵悟たちヒヨコ軍団は初日こそライバル意識剥き出しで敵対するのみでしたが、少しずつライバル意識かつ仲間意識が芽生えてきている様子です。 もっぱら官舎では星野君の部屋に集う日々。星野君たぶん年長だし面倒見良いしで、慕われてる様子。 しかし初日のメグルと大羽とタカミツの意地の張り合いはかなり笑えました。 「二岡は巨人に来た裏切りモンだろ?」←広島出身・大羽への悪口 「探しても見つかりません佐賀県!」←佐賀出身・メグルへの悪口 「みそラーメンまずかー! みそ汁んごた!」←北海道出身・タカミツへの悪口 アホくせえ……!(笑) 仮にも二十歳越えた男どもがどこの小学生だよ……。 でも何だかんだ言いつつ結局星野くんのところに集まっちゃうんですよね。持つべきものは同期ですね。星野君の部屋でも地元自慢で喧嘩してる奴らが可愛いです(笑) メグル嫌いの私ですが、メグルとは地元がほぼ一緒なので非常に懐かしいことばかりですね。メグルの食べている「うまかっちゃんラーメン」とかマジ懐かしい。 そして研修始まって数日……ついに精魂尽きたのか、兵悟達は銭湯で溺れる事態にまで発展してしまいました(笑) 「ファック! 潜水士が風呂場で溺れてどうするYO!」 とは通報を受けた黒岩隊長のお言葉。 あいつらなにやっとんじゃ!とキレまくる嶋さんに「嶋本だって新人の頃は似たようなもんだったじゃねーか」と黒岩隊長。 ぐうの音も出ない嶋さんは「いやいや黒岩さんの理不尽なご指導のおかげで僕もここまで丸くなれました」とぺこり。軍曹同士、仲いいな(笑) ちなみに研修が始まって少し経ってから初めて嶋さんが副隊長だったことが判明しました。トッキュー服に「副隊長」のワッペン付けてましたから。 まあ今までの彼の言動を見るに、予想できていたことなので特に驚きませんでしたけど。 ヒヨコ軍団は当然日々嶋さんに不満を募らせていきます。今日も星野君の部屋で勉強しつつ嶋さんの愚痴を言い合う日々です。 まあ、ヒヨコの気持ちも分かるけど……嶋さん不憫だな(笑) 師の心弟子知らずというかね……損な役回りだと思いますよホント。 そんな中、ヒヨコの中で一番大きくて一番ビビリ癖のあるタカミツがついに爆発。引火させたのはメグルなんですが、鬱陶しいので割愛。 爆発して官舎を飛び出したタカミツを兵悟達は探すべく街に繰り出しました。しかもタカミツは悪いことに嶋さんや真田たちが飲みに来てる繁華街に行ってしまったらしく――一同は鉢合わせを避けつつ必死でタカミツを探します。 タカミツは「いやなこと忘れてぱーっと飲みいこ?」とどっかのキャバ嬢に捕まっていたんですが、タカミツを発見した兵悟達は必死に説得。 なにもかも上手くいかなくて自信喪失してたタカミツを「俺だってそうだよ!」と皆で励ます。そして「軍曹ギャフンと言わせようよ!」とお約束的にまた嶋さんへの愚痴で盛り上がっている所に……。 「こんなところでなにしとんのや?」 と眉間に何本も皺を刻んだ鬼軍曹の声が……。 青ざめた一同は取りあえずタカミツを庇って「みんなで騒ぎたくって飲みにきただけです!」「若気の至りです!」と。 まあどうせ嶋さんは見抜いてるんでしょうけどネ。 「佐藤タカミツ!」 「はい!」 「お前最近結婚式出たか? 出し物なにやった?」 「はい! 潜水士のみんなとマツケンサンバUを踊りましたであります!」 「そっか。そんな騒ぎたいんなら俺にマツケンサンバU見せてくれや」 そんな軍曹の鬼のような言葉で一同はマツケンサンバを踊らされ、マツケンサンバにまでダメ出しをされる羽目に……。 当然この日から訓練の厳しさは更に増したのだった。ああ、可哀想に(笑) しっかし嶋さんのノースリウエットスーツ姿真面目にカッコイイです。 当然ながらガタイは良いしな……。ヒヨコにはない「特殊救難隊」の文字が眩しいぜ……。 さて、ダメダメながらも研修は続き……いよいよ第二段階・トッキューの各隊との合同訓練へ。 研修後の配属先は各隊長の推薦で決まるということで、希望の隊があるなら徹底的に売り込んでおけ!と嶋さん。 当然ヒヨコたちは奮起するわけです。特にメグルと兵悟は真田隊狙ってますからね。……まあ今の真田隊入ったらもれなく軍曹も付いてくるってことまでは頭回っていないようですが(笑) 大羽は二隊の隊長に誘われて来たから二隊希望だそうです。――実は嶋さんは大羽を狙っていたので、もし本気で大羽取るつもりだったら嶋本VS二隊隊長がドラフト会議で勃発していたわけですよね。それは凄い見たかったかも。 「大羽は俺が誘ったヤツだ。俺が取るのが筋だろう?」 「せやけど、俺かて大羽を評価しとります。育てたんは俺です!」 「大羽は二隊だ!」 「いや三隊ですて!」 とかさ……、あ、嶋さんは新米隊長なので二隊隊長には敬語かと思われます。……いいなぁ、大羽の取り合い。分かるよ、私も大羽大好きだもん。私も部下にするなら絶対大羽。 ただ、今の大羽は死んでも嶋本隊は嫌だろうけどな……(笑) さて、話を戻して。 タカミツは同郷の多いところならどこでも良いそうです。 そして星野君は……「俺も三隊希望だけど。三人で勝負だね」と一言。メグルと兵悟は「マジっすか!?」状態。 星野君は兵悟にとってはちょっとお兄ちゃんみたいな感じで、まだこの頃は歳の差か階級差ゆえか若干敬語気味。 ランニングで一緒になった星野君になぜ三隊を目指してるのか訊くと「真田さんは俺の先輩なんだ」と。 またまた真田SUGEEEEタイムです。正直、この辺りから真田SUGEEEが鬱陶しくなってきた私です。 星野君は真田に会ったことはないらしいんですけど地元が同じ横浜で、中学、高校と自分の前にはずっと真田がいたらしいです。だから勝手に憧れて保大に入って潜水士になったんだと。 星野君は兵悟が西海橋で真田を救ってくれたから自分の目標を失わずに済んだ、お互い頑張ろう。とエールを送ります。兵悟にとってそんな星野君は大きく見えるわけで……メグル以外にもこの人に勝たなきゃいけないんだ、と強く思うわけですね。 まあ、ぶっちゃけ真田は兵悟を気に入ってるから、順当に行けば真田は兵悟を指名したと思いますけど……それは神視点だから言えることですよね。 さてさていよいよトッキューとの合同訓練。 まず初日は黒岩隊長が隊長をつとめる一隊とのレンジャー訓練です。 レンジャーと言っても別にキートン先生招いたり、自動小銃小脇に抱えて森の中を爆走したりするわけではないようです(笑) まあトッキューですからネ。 一隊隊員の長倉さんという方が負傷していたために急遽現れたサナダマンが長倉さんの代わりを務めることになりました。ちなみに長倉はこの場で終了のキャラかと思いきや後々準レギュクラスになりますのでよく覚えておくように(笑) 真田が訓練に参加することになって「いきなりアピールチャンスがきたばーい」と内心ガッツポーズのメグル。兵悟と星野君はそれぞれ緊張した様子。 今日の訓練内容は模擬船室での吊り上げ訓練。リペリング(ロープ)降下で天井から床に降り、要救助者(人形)を確保してストレッチャーで吊り上げるということ。 リペリング降下か……、つまんねーなぁファストロープ降下の方が良いのに。私は男は黙ってファストロープ派。(※これは戦闘ではなく救難です) ちなみにトッキューでもやたらホイスト降下だのリペリングだのと普通の乙女にはおよそ関係のない単語が出てきますが、その都度喜々として語ると思うのでついてきてください。ちなみにリペリングとファストロープ降下の違いは安全環があるかないかの違いくらいに思ってください。映画とかで軍人がヘリでバーッと来てバーッと下りていってるのはほぼ間違いなくファストロープです。 えー、ということでレンジャー訓練。 降下要員は兵悟、メグル。吊り上げ要員はタカミツ、大羽。そして指揮は星野君。 元消防のメグルは降下はお手の物でちゃっちゃと降下しちゃって、兵悟もそれに何とかついていって人形に「大丈夫ですか?」と問いかけるものの当然ウンともスンとも言わないので意識レベル300(無反応状態)と断定。二人でストレッチャーに乗せるものの、メグルは要救助者(人形)を適当に扱いさっそく「人形や思て粗末に扱いやがって」とキレかける嶋さん。 嶋さんは常々繊細に行動すること、とみんなに教え込んでますが……、非常にずぼらな私はメグルとかタカミツとかに近いので、嶋さんの言っていることはもの凄くよく分かるし私もよく言われるし本当に耳が痛いんですが……。嶋さんには頭が下がる思いがすると共に「プライベートでは絶対付き合いたくねえ、ウザそう」って思っちゃいますね……嶋さん大好きだけど。 まあ、そんなこんなでヒヨコチームはてんでバラバラなので教官たる嶋さんは頭を抱えちゃうわけですよ。見てらんないというか。他の隊員と違って「自分の教え子」って責任もある分傍観もしてられないし……まあ、なんというか嶋さん頑張れって感じですホント。 2mほど上昇させたところでストレッチャーが傾いてしまいました。兵悟は「一度降ろそう」と星野君に進言するんですけど、「タイムロスする」と星野君は却下。真田が見てることで星野君は極度の緊張状態にあり……指揮担当の星野君が「引き上げろ」って言ったら引き上げるしかないわけで、引き上げた結果――ストレッチャーから人形が落下して床に叩きつけられ、粉々になってしまいました。 人形に近付いた嶋さんが一言。 「要救助者の死亡を確認」 そうです、これは訓練ですがもし本番だったら救助者は死んでる場面です。 更に悪いことにヒヨコ軍団はメグルを筆頭に互いに責任の押し付け合いを始めました。 嶋本軍曹がついに雷を落としそうになった直前――、マジで切れる5秒前のサナダマンがいてさすがの嶋さんも黒岩隊長も「やべー真田怒ってるよどうするよ」状態。 「もっかいやりなおしじゃー!」と嶋さんは叫んだものの、要救助者役がいなくて悩みまくる黒岩隊長。 人形代三十万……公務員の給料二十万……要救助者の命プライスレス……金で買えるものだけ買えない海保……と唸る黒岩隊長が悲しいです。 そうっすよね……海保って貧乏ですもんね……。予算カツカツだもんね……人形バンバン買ってる場合じゃないよねマジで……。 そして黒岩さんは「長倉やる?」と訓練から外れている長倉に要救助者役をやるように言ってみますが「嫌ですよ、冗談」と当然長倉は嫌がるわけで。 そしたらサナダマンが自ら立候補。 慎重派の嶋さんは憔悴気味に「危険ですよ!」って説得するんですが聞く耳持たず。……ちょっと真田鬱陶しいっす。新人研修に関しては嶋さんに一任してあるんで決定権とか持ってるのは彼なんですけど、嶋さんは真田の隊の副隊長でもあるわけで……やっぱり真田に弱い。悲しい中間管理職な嶋さんです。真田がこう言ったらキッパリ「ダメです」って言えないじゃない。 おまけに真田は確保索いらないとか言い出しちゃったZE。 黒岩さんも嶋さんも止めてんのに「これは命令だ」とか言っちゃったよコイツ……。何だお前、たかが余所の隊の隊長だろ? 一隊隊長かつ新人統括の黒岩隊長や教官の嶋さん相手になにを言ってるんだ? 階級も多分全員一緒だろうけど、先任は黒岩隊長だろ? 何なのこいつ……と思わずにはいられない。 ってもしかして黒岩さんは特修科卒だからあれですか。真田はこの中で唯一の一等海上保安正っすか? なら仕方ないな、すまんかった! なわけねーだろ! それはただのパワハラじゃ真田め!! まあ、そんなこんなでパワハラ真田は兵悟に確保索を外させ自らを危険な状態に晒しました。 今までにない緊張感の中で、今までにない集中力を発揮するメグル。 やっと本気か、消防上がりでスキルあるんやけど手ぇ抜くクセあるからなー、まとめ役には向かんが判断と処理は速い、と嶋さん。 あとは……と嶋さんは吊り上げの方を心配。多分、嶋さんが心配してるのは星野君のことです。星野君は先ほどにも増して緊張しちゃってグダグダ状態。そんな状態なので上手くいかずにストレッチャーがまたもヤバイ状態で「落ちる――!?」と嶋さんたちが青ざめた瞬間に指示を飛ばしたのはなんと兵悟でした。 星野君から兵悟に指揮が交代し、自然と皆をまとめあげたのは兵悟。嶋さんは一番若くて一番未熟な兵悟がこんなリーダーシップを発揮したことに驚くしかないようです。――こうして見ると、嶋さんの兵悟の評価ってあんまり良くないんですよね。そう言えば一巻から彼は兵悟否定派だったことを今更ながら思い出した私です。なんかちょっと残念なのは、私が兵悟好きだからだろうなぁ。 そんなわけで無事訓練も終わり、嶋さんは速攻で真田の元に駆け付けて「落ちたらどないするつもりやったんですか!?」と。すると真田マンは「落ちることは考えていない。俺はお前たちを信頼している」と。 意味が分からないヒヨコ一同に嶋さんはため息をつきつつ真田の足りない言葉を通訳。トッキューは互いの命を託せるくらい仲間を信頼するんや、と。せやから危険な場所にも飛び込んでいける、互いを信頼する気持ちこそが命綱でそれがトッキューの神髄だと言うことです。 感動するヒヨコ一同に「なに希望に満ちあふれた面しとんのや! これからやる一隊の訓練見て己のブタ加減を知れ!」と叱咤を飛ばすことも忘れない嶋さん。そして「確保索外すんはやりすぎです! ありえへん!」と隊長を諫めるのも忘れない嶋さん。 隊長がアレだと副隊長マジ苦労するわ……と今日も嶋さんへの同情が尽きないのでした。 さて、研修が始まって二ヶ月が過ぎました。 例の壊れた人形はやはり買い直せるはずもなく、砕けたカケラつなぎ合わせて補修して可哀想な感じで使われてます。 四隊との合同訓練でもヒヨコは嶋さんに例によって叱りとばされる羽目になり、「今年の新人は出来わるいなぁ……この中から一人選ばなきゃならないとは」と途方に暮れる四隊の隊長は押尾さん。まだ名前も判明してませんが後々メインのエピソードがあるので覚えておくように(笑) そんなこんなで訓練を重ねて、初めて例の流速五ノット波高三メートルをクリアできたのはメグルと星野君でした。 「お前らはチンカスから皮に昇格や、喜べ」と全く嬉しくない言葉を軍曹にもらいつつも、他の三人は荷物まとめて帰れ!と言われてしまい……。 このままじゃ帰れない、と三人プラス星野君プラスメグルは居残り特訓を勝手に開始。勝手に操作盤まで扱って……これで事故が起きれば他でもない嶋さんの首が飛ぶって分かってんのケ? と責めたくなるんですが、まあ、青春ってヤツですよね。 嶋さんは、厳しいふりしてもの凄く優しいし、かといって絶対にその優しさは表には出さずに遠くから知られることなく見守る人なので……多分彼らが居残り訓練すると分かっていてちゃんと帰らず残ってました(笑) 二ヶ月の訓練の中で一番成長したのは互いに互いをフォローするようになってきたことだ、と嶋さん。青臭いけど、いつの間にかトッキューらしくなってきたなぁ、なんて思いつつ「ま、始末書で勘弁してやるか」と遠くから見守る嶋さんはホントに最高だと思いますよ。惚れるよ。 「しかし……アイツはほんまトッキューでやってけるんやろか。ヤバイことにならんといいけど」と意味深な心配も残しつつ……研修は続きます。 さてさて打って変わって佐世保。 テレビでは海保特集やってて、兵悟の姉ちゃんは真田をみて「あーこの人ちょー好み。こういう人の子供生みたい」だって(笑) まあいつもの真田SUGEEEタイムです。 どう見てもノースリウエットスーツでヒヨコに指示飛ばす嶋さんの方が素敵なのになー。誰か「あー、嶋本さんだ! めっちゃカッコイイ!」って言ってあげてよ!! そんなわけでユリちゃんもテレビ見つつ「兵悟くんの顔見たいなー」なんて思ってたらバッチリ兵悟も映っちゃいました。しかも溺れてる所が。 「なんだぁ神林! テレビ映っとるからって溺れたふりせんでもええぞ?」 そんな罵倒を受けつつ本気で兵悟は溺れており、慌ててプールから引っ張り上げて水を吐かせつつキレる嶋さん。 「トッキューの恥さらしや!! 佐世保に帰れーーー!!」 そんな嶋さんの罵倒も当然全国ネットで流れ……しらはでその放送を見ていた坂崎さんはマジで切れる五秒前。携帯をめっちゃ早打ちして兵悟に電話するものの、兵悟も坂崎さんからの苦情電話だと悟って出るに出られないのだった。 まあ、収録の時兵悟は下痢でいつもの調子じゃなかったらしいです。 ミスばっかりだし、今度の三隊との訓練じゃ挽回しなきゃ! と名誉回復を狙う兵悟です。 さてさてそんなわけで三隊との訓練はリペリング降下です。だから男は黙ってファストロー(略) トッキューは基本、ヘリで現場に向かい、かつ流れる船へと降下しなければならないのでホバリングしてるヘリから船へ降下というのはなかなか難しくトッキューにしか出来ない技術。――なんて言われてますが別に特救隊の独占技術ってわけでもないです。これ明らかにスライドリペリングの間違いです。スライドリペに関しては何度か観ましたけど、やっぱSUGEEEって感じですね。 普通のリペリングに関しては「ヘリパイSUGEEE」って感です。なかなかホバリング(ヘリで一カ所に空中停止)続けるのキツイでしょうし。 そんなわけですが、今日は訓練なのでただのリペリング降下であり……そこまで難易度は高くないと思われます。 トップバッターはメグル。まあ、コイツは消防で鍛えてたので降下はお手の物です。トッキュー隊員も驚く速度で降下しちゃいました。 メグルの次に行くと言ったのは星野君。でも星野君の様子は何だかおかしくて……もの凄い降下スピードでブレーキ出来ない状態に。 「星野ーーー!!」 間に合わないのに、真っ先に慌てて駆け付ける嶋さんの叫びが痛々しいです。 星野君は15mほど落下して床に叩きつけられる羽目に……普通なら死んでます。しかし意識はあるようで……なぜ助かったかというと、星野君が床に叩きつけられる直前に兵悟がとっさに担架袋を投げ入れてクッションにしたからだったんですね。 やー、兵悟は機転効くしとても良いと思います。 とっさに星野君を守った兵悟、真っ先に駆け付けた嶋さん、次いで駆け付けた大羽。とよく性格が現れてると思います。メグルは……もうなにも言うまい。 「星野、なぜロープを絞らなかった?」という真田の質問に「途中で急に力が入らなくなって……」「それだけか?」「……メグルよりも、どうしても良いタイム出したくて……」と星野君。 申し訳なさそうな星野君が痛々しいです。そのまま星野君は嶋さんに付き添われて救急車で病院へ。 ……つーかもし星野君に何かあったら責任問われるの教官の嶋さんだよあっぶねえええ! つーか真田はほんとクラッシャーだよなあ、コイツさえいなきゃ……。 さて翌日。 「星野君大丈夫なのかな……」とみんなが心配する中、「はー、甘かねえ! レスキューする人間が要救助者になるなんて恥ばい! 恥! オイやったらはずかしゅーて戻ってこれんね!」と言いたい放題なのはメグルさんです。まあ、メグルの言うことも一理あるけどさ。 でも星野君は軽い脳しんとうだけで大丈夫だったみたいです。メグルが悪口言ってる所にタイミング良く現れました。 「なーんや心配して損したばいっ!」とはメグルですが……お前ほんとに心配したのか? 「だいたいオイは全国の消防の中でも五本の指に入る降下タイムの記録保持者ばい!」だから張り合う事自体間違いなんだとメグルさん。……コイツほんと無駄に能力たっけーよな。残念なことにほんと「無駄に」なんだけど。 星野君は言いたい放題言われても「メグルが一番身体能力ずば抜けてる」とメグルを認めて三隊入りを諦めモード。そんな星野君を兵悟は必死にフォローして「そうだな、俺としてはメグルより兵悟に三隊行って欲しいな」と星野君。なんだか兵悟と星野君はすっかり仲良くなってますね、最初敬語だったのに。 また星野君と訓練できるんだ、と兵悟は安堵しつつ今日の研修へ。 今日は高嶺さんによる危険物取り扱い及び器材についての講義。どこまでも優しい高嶺さんだけにいっそヒヨコのアホさ加減が可哀想な場面です。 そこに嶋さんが来て「星野、話がある」と基地長室へ呼び出して……。 再び戻ってきた星野君の顔は、どこか色がなくて……。「どうしたの?」と問いかけると星野君は一言。 「俺、トッキューを除隊されることになった。明日付けで辞めなきゃならない」 目を見開く兵悟。以下七巻へ。 六巻私的ベスト台詞。 「要救助者の死亡を確認」 兵悟たちが人形ぶっ壊した場面の嶋さんの台詞。なんていうか、現実がよく分かってないヒヨコの目線で見ていると頭殴られたようなシーンでしたね。 別に嶋さんが好きだから選んでるわけではないというか、こういう印象に残るシーンが毎回嶋さん故に嶋さん好きになった感じです。 |