「なんか悪かったね。厄介な人絡ませちまって」

 絡んできたかと思うとそのまま立ち上がってコートに入った三井の背をが追っていると宮城がそんな風に言い、ううん、と首を振るう。
 全く、と隣にいた彩子が肩を竦めた。
「まあ富中のころからアイツはボーっとしたヤツだったからねコート外では。モテて得だなんて微塵も考えちゃいないことだけは確かね」
 は少し驚いて彩子の方をみた。
「富ケ丘出身なの……?」
「そう。後輩なのよ」
 流川は、と続けられて「へえ」とは瞬きをした。
「うちの清田くんが流川くんは中学の頃から自分勝手なプレイばっかりだったって言ってたけど……ほんと?」
「んー……、まあ、でも私が知ってる頃よりはディフェンスもうまくなってるわね。本当にオフェンスしかできない子だったから」
 それでもすごく上手かったけどね。と付け加えられて、なるほどな、とは頷く。流川の練習環境だとオフェンスを鍛える方が理にかなっているし、なによりあの性格――と無表情なのに押しの強いオフェンス強者ぶりを浮かべて思わず乾いた笑みが漏れてしまった。
「ところで桜木花道はどこ行ったのかしら」
「例の武園のセンターと話してんじゃない?」
「ちょっと見てくるわね」
「あ、待ってアヤちゃん」
 すると彩子が桜木を探しにその場を離れ、それを追って宮城も体育館を出ては緩く笑った。どうやら宮城はあのマネージャーのことが好きらしい。
 体育館を見渡す。幾人か残っているが、やはり三井が抜けたら技術的にも身長的にも厳しそうだ。その三井は……大学でもきっと良い選手生活が送れるだろうと思う。三井がどこまでを目指しているのかは分からないが、などと思いつつ視線を流川が使っているコートに移した。
 流川の単独練習はすっかり見慣れたものだが、体育館で見るとやはり少し雰囲気が変わる。自身は小さい頃から屋外練習に慣れているが、体育館のコートでするバスケもいいものだ。
 にしても。なぜバラバラに練習するのだろうか。と、それぞれコート半面を独占して練習している流川と三井を見て肩を竦めた。
 どうやらあの二人はたかだか1on1の勝った負けたに拘り過ぎて逆に練習できないようであるが。さっぱり理解できない、と息を吐く。
 アメリカに行けばそのあたりも改善されるのだろうか。あっちでは練習方法からチーム内でのコミュニケーションまでがらりと変わるはずだ。適応して伸びるかそれともダメになるか、と考えてはハッとして首を振るった。
 まだ二年は先のことじゃないか。と遠い目を見つつ流川を見やっていると、力強く床を蹴った彼は豪快なダンクを決めて、わ、と反射的に呟く。
 やっぱりダンクは羨ましい、と感じつつふと既視感がよぎった。

『勘違いとか、思いちがいじゃねー』
『勘違いなら、あんたに触れたいとか思わねぇ』

 あれは国体合宿の時……夜に二人きりで流川がダンクシュートを決めたあとのことだった。と思い出してカッと頬に熱が宿る。

『これから好きになればいい』

 流川のことは好きではないから、と拒絶した時に彼はそう言っていたっけ。まんまとそうなっている辺りぐうの音も出ない。が、でも、意外とうまくいっているし……と考えていると流川がこちらを振り返ってドキッと心音が跳ねる。
 そのままスタスタと彼はこっちにやってきて一瞬だけ立ち止まった。
「着替えてくる」
 反応が遅れたが頷いた時にはもう彼は体育館の入り口から出ており、ふぅ、とは深呼吸をした。
 そうしてちらりと体育館の時計を見やる。まだ午後3時前だ。
 流川と学校帰りに一緒にいるのは初めてのことだ。学校が違うのだから普段は無理だし、ちょっと嬉しいかも。と気づいてややドキドキしているとひょいと湘北ジャージに着替えた流川が入り口から顔を出した。
「待たせた」
「あ……、ううん」
 そうして外へと促されるも、さすがに黙って去るのは忍びなく三井の方に目線を送る。
「じゃあ三井さん、お先に失礼します」
「あ、おう! じゃーな」
 軽く頭を下げて流川に並ぶと、彼はどこか憮然とした表情をしていた。
「なんでわざわざ……」
「え……?」
「先輩」
 言われて、ああ、とは瞬きした。
「だって黙って帰るのもなんだし……」
 一応三井とはそこそこ親しくしている自覚のあるとしては当然のことだったが。もしかして三井と流川は仲が悪いとか? いやまさか、と思いつつスリッパを脱いで靴に履き替える。
「チャリとってくる」
「あ、うん」
 体育館入り口を出ると、流川はそう言って裏手の方へ行ってしまった。
 そういえば毎朝ロードバイクを使っているし、まさかあれで通学しているのだろうか……と考えていると彼はいわゆるママチャリを押しながら現れて、なるほど、と納得する。
 しかし流川は湘北の近くに住んでいると言っていたような。自転車が必要なのだろうか? と並んで校庭を歩きつつは流川を見上げた。
「ねえ流川くん、まだ3時だしどこかでお茶でもしていかない?」
 せっかく時間あるし、と言うと「ん……」と流川はやや歯切れの悪い声を漏らした。
「これからなにか用事あるの?」
 もしかしてだから早く自主練を切り上げたのか、と含ませると「いや」と彼は首を振るった。
「茶ならオレんちで飲めばいい」
「え……」
「今日、親いねーし」
 夜まで、と一旦足を止めた流川に言われては一瞬固まった。
「どーする?」
「え……と」
 それはどういう意味だ? と一瞬は考え込んだ。
 流川の家には行ったことないが、流川はの家には何度も来ているし。特に深い意味はないのかも……と考えてるとフイと流川が前を向いた。
「イヤならべつに――」
「う、ううん! 行く……!」
 思わず流川のジャージの裾をキュっと掴み、流川がこちらに目を向けた。
「んじゃ後ろ、乗って」
「え……あ」
 うん、とママチャリの後ろに乗るよう指示されてはおずおずと腰を下ろした。
 ギュッと流川の腰に手を回しつつ、つくづく今日が土曜で良かったと思う。平日だったらもしかして生きて帰れなかったかもしれない。と、さきほどの流川のファンによる応援の迫力を思い出しながら頬を引きつらせた。
 というか割と恥ずかしい。彼氏の自転車の後ろに乗る、なんてよく見る定番中の定番な気がするが、実際に体験すると落ち着かない。――と冷たい風を受けながらも頬の熱さを覚えていると、ほどなくして自転車が停まった。
「着いた」
 言われては流川から身体を離して降りる。どうやら一軒家のようだ。予想以上に流川の家と湘北は近いらしい。
「学校からすごく近いのね……」
「だから選んだ」
「え……!?」
「近いから湘北にした」
「え……!? うそ、海南の推薦断ったのもまさか……」
「近いから」
 こく、と頷きつつ自転車を敷地内に停め、玄関の方へ促す流川を見ては絶句した。
「そ、そっか……。でも流川くんが海南に来てれば、学校でも一緒だったね」
 それよりも近さで単なる公立を選ぶのはどうなのだろうか。結果的に湘北はインターハイにいけて間違った選択ではなかったのかもしれないが。完全に結果論だし、と考えていると「まあ」と流川が呟く。
「近いとベンリだし湘北で不満はねー。どのみちあんたとも会えたし」
 ぴく、との頬が撓った。
 仮に流川が後輩として海南にいたら……自分の中での扱いは清田と同等になっていた可能性が高い。と思うとこれで良かったのかも。などと考えつつ開けられた玄関のドアから中に入る。
「お、お邪魔します」
 来客用らしきスリッパを差し出してきた流川は階段をあがって突き当りの右手の部屋が自分の部屋だと言い、机の上に置いてあるリモコンで暖房をつけるよう言い残してどこかへ行ってしまった。
 言われた通り階段をあがり、流川の部屋らしきドアを開ける。
 一目で流川の部屋だと分かったのはフローリングの床にバスケットボールが転がっていたからだ。
 身体の大きな流川のためだろうか。大きめのベッドに学習机以外は目立ったもののないシンプルな部屋だ。壁に貼ってあるマイケル・ジョーダンのポスターを見て頬を緩めつつ、は机の上に置いてあったリモコンでエアコンのスイッチを入れた。
 机には一応ノートが何冊か出ているが、ちゃんと勉強しているのだろうか……とコートを脱ぎつつ考え込んでいると、ガチャ、とドアが開いた。
 見やると流川が手にマグカップを一つもってこちらにやってきた。
「ティーバックの紅茶しかなかった」
「あ……、ありがとう」
 どうやら飲み物を持ってきてくれたらしい。受け取ると「座れば?」と言われて「え!?」と声が跳ねる。
 どこに……と聞きたかったがフローリングは冷たいし、ベッド以外にない。というかベッドの端に目配せされ、従ってはおずおずとベッドに腰を下ろした。
 流川の分の紅茶は? と聞く前に彼はクローゼットをあけて着替えらしきものを取り出すとこちらを振り返った。
「シャワー浴びてくる」
「え!? え、なんで……」
「? 汗かいてて気持ちわりーし」
 言って流川は再び部屋を出ていき、いやというほど跳ねた胸を押さえては深呼吸をした。
 彼は朝からずっと部活で練習試合までこなしたのだ。いくら冬で汗はひいたといってもシャワーを浴びたいと思うのは当然だろう。
 流川の部屋にいるせいか妙なことを意識して自意識過剰すぎただろうか。とマグカップの紅茶に口を付ける。
 でも――元旦で自分の部屋で二人きりだったときは結局二人で寝落ちという結果になったとはいえそういう雰囲気だった気がするし。思えば付き合い始めて割と経っているし。いやでも、と考えて首を振るう。
 いったんマグカップを机の上に置いては深呼吸をした。
 なにかしていないと変なことを考えそうだ、と転がっていたバスケットボールを手に取った。いつも外で使っているものとは違うのか汚れていない。部屋でボール感覚を養うために触れるようにしているのだろうか。と、軽く回したりして緩く笑った。
 思えば自分は暇さえあれば諸星と紳一と3人で練習ばかりしていたから本当に環境には恵まれていたと思う。おそらく自分はセンスや才能という意味でも抜けていたのだろうと自負しているものの、やはりそれを伸ばすのにはそれ相応の環境が――などと考えつつボールを握り締めていると、ガチャ、とドアの開く音がした。
 流川が戻ってきたのだろう、と顔を上げる。案の定、部屋着に着替えた流川がドアを閉めてこちらにやってきた。
「なにしてんだ?」
「か、考えごと……」
「ボール……」
「る、流川くん……部屋でもボールにずっと触ってるのかな、って思って」
「まー、たいていは」
 言いながら流川がの隣に腰を下ろし、ギシ、とベッドが軋む。瞬間、極度の緊張かからうっかりボールを手放したの手からボールが零れ落ちて転がった。
 ゴク、とは息をのんだ。ちらりと流川の方を見やるとこちらを見ていたらしく瞳がかち合い、心音が跳ねる。なにか話を――とは懸命に唇を動かした。
「あ……そうだ、今日の試合……、どっちのチームもまだ若いからこれから調節が大変そうね……」
「ん……まあ」
「武園は流川くんを何人か使ってマークしてたけど――」
 やや上ずりつつ続けていると、ふいに流川が大きな右手での頬に触れ親指の腹でそっと唇に触れてきた。自然との言葉が途切れる。
「お喋りはあとできく」
「る――」
 射抜かれるような瞳で見られたかと思うとそのまま流川が唇を重ねてきて言葉は簡単に飲み込まれてしまった。
「ん……ッん」
 ぬるりと入り込んできた舌に思考が揺さぶられる。
 初めてこういうキスをしたときは息継ぎをも奪い取るような勢いに戸惑ったものだが、いまでも彼のキスは飲み込まれるように激しい、と後頭部を押さえられて口内で好きに動く熱い舌にも必死で合わせる。
「っ……」
 そろそろ空気を求めてギュッと流川のシャツの裾を握り締めると察したのか彼は唇を解放してくれ、は、とが息を吸い込む間にもその唇は首筋に移動してきては無意識に強く流川の背中を抱きしめた。
「ちょ…っと」
 なんだかいい匂いがするのはボディソープの残り香だろうか。など浮かされていた頭が首筋にちくりと痛みを覚えて小さく呻いた。
「流川く……」
 流川の左手が制服越しに身体の線を辿り、戸惑ってはその手を制した。
「ちょ、ちょっと待って……」
「なんで」
 顔を上げた流川と目が合う。
「な、なんでって……」
「オレはあんたに触れたい」
 え、と反論の間を与えられずに再び首筋をぺろりと舐められ身体に体重をかけられては背中をベッドに付けないように懸命に押し返した。
「ま、待ってってば……!」
 少し強く言い返すと不満げながら流川は手を止めた。
 その隙には態勢を立て直して息を整える。
「イヤなのか……?」
 ぼそりと言われて、う、と息を詰まらせたは次いで小さく首を横に振るった。
「なら、」
「わ、私もシャワー浴びたい」
 やっとのことで絞り出すと、はたと流川の身体が硬直した気配が伝った。たまらずは流川を見上げる。
「る、流川くんは浴びたのに……」
「オレは部活で汗かいた」
「私も浴びる。気になるもん」
「別に気にしねーけど」
「私がいやなの……! シャワー浴びるまでしない」
 そこまでいえば、う、と一瞬言葉をなくしたらしき流川が小さく息を吐いた。
 わかった、と引いた流川は立ち上がって「こっち」と誘導した。
 なんだか妙なことになったが勢いで言ったとはいえ本心だし……と取り合えず流川のあとをついて一階に降りていく。
 洗面所に案内され、これ使って、とバスタオルを出して渡してくれた流川がその場を後にするとは恥ずかしさのあまりに座り込んでしまう。
「ハァ……」
 こういうのは正しい手順なのだろうか? なにもかも初めてでさっぱり分からない、としばらく唸ってから立ち上がり、取り合えず制服を脱ぐ。
 彼氏の家のバスルーム、という妙な体験にいたたまれなさを覚えながらも下着を脱いで髪をくくってからはバスルームに入り、シャワーヘッドからお湯を出す。
 心の中で「借ります」と呟いてから手に取ったボディソープは先ほどの流川から感じた匂いと同じで胸が騒いだ。
 ぼんやりと温かいお湯に打たれていたらだいぶん落ち着いてきた。一抹どころではない不安でいっぱいではあるが、別にいやではないしな。と思い至って身体についた泡を丁寧に流し終えてからお湯を止める。
「さむ……ッ」
 さすがにバスルームの外は寒く、いったんタオルを取ってバスルーム内に戻ると手早く身体を拭いてからは髪をおろした。
 問題はどうやって流川の部屋に戻るかだ。制服をまた着るべきなのだろうか? でもどうせまた脱ぐんだし、と考え付いて「うわ」といたたまれなさに顔を覆う。
 けど。でも。万一にも制服が汚れたら目も当てられないし、ここはやっぱりバスタオル一枚で戻ろう、と覚悟を決めて身体にバスタオルを巻いてバスルームを出る。
「さむっ……!」
 脱衣所に戻るとぐずぐず考えている余裕のないほど気温は低く、は畳んでいた自分の制服ほかを手に取るとそのまま二階まで急いで戻った。
 ごく、と息をのみ込みつつ流川の部屋のドアをノックする。
 そして、カチャ、とドアをあけるとベッドサイドに座っていた流川がこちらを見やって少し目を見開いたのが見えた。
 おそらくバスタオル一枚で戻ってくるとは思わなかったんだろうな、とは視線を泳がせる。
「シャ、シャワーありがとう」
 頷いた流川は立ち上がってなにやらクローゼットの方へ向かった。そして一本ハンガーを差し出してきて、あ、とは受け取った。
「ありがとう」
 制服をかけろということだろう。は畳んだシャツや下着類はそのまま自身の荷物のそばに置いて、ジャケットとスカートをハンガーにかけた。
「かして」
 流川がそれをクローゼットの方へ持っていき、はベッドの方に視線を向けて小さく息を吐いた。
 カチャ、とハンガーをクローゼットの取っ手にかけたような音が伝った。かと思うとすぐに後ろから大きな腕に抱きしめられては一瞬息を詰める。
……」
 ドクっ、と耳元で響いた声に胸が騒いだ。流川が名前を呼ぶのは珍しく、ドキドキしている間に流川の手がのあごを捉えて、後ろを向かせるようにして唇が重ねられた。
 そのまま向き合ってキスをしながらお互いにベッドに乗り上げる。
「ん……んっ」
 早鐘を打つ胸が苦しい。でもいやじゃないし……と思いながらもは少し流川の胸を押して顔を見やった。
「あ、あの……流川くん」
「なに……」
「あの、はっきり言っておきたいんだけど……。わ、私、こういうことはじめてで」
 すると流川がキョトンとした顔を浮かべた。
「オレもだけど」
「えッ!? あ、そ……そ、か。そうよね……」
 ――そうだった。流川は動じないタイプだった。それは経験から来るものではなくただの性格だった。そんなの分かっていたはずなのに、と一抹の不安がによぎる。
「あ、あの……その、やり方、とか……」
「……保健体育で習った……」
「え――!?」
「ダイジョーブ、ちゃんと聞いてた。……と思う」
 これも用意したし、とごそごそと枕元に置いていたらしきゴムの小包装を見せられていよいよはいたたまれなくなってくる。
「そ、そう……、というか、あの、今日って最初からそのつもりだった?」
 やたら準備がいいし、と含ませるとなにをいまさらというような視線を受けてしまった。
「たりめーだ」
「あ……そう」
「どっちみちやってみないとわかんねー」
 それはそうなのだが。ほんとにオフェンスが強い……とやや逃げ腰になっていると流川がおもむろに着ていたシャツを脱ぎ捨てた。白く逞しい肌が露わになっては、え、と目を瞠る。
「あんたも触れば?」
 言って流川はの右手を取り、彼自身の鎖骨辺りにその手を触れさせた。
 ぶわ、と温かさとともに形容しがたい感情がに流れる。
 あったかい、と思いつつは少し頬を緩める。
「流川くん……色白いね」
 肌すべすべだ、と含ませると流川にとっては嬉しくはないのか、む、と口を曲げた。
「生まれつきだから変えらんねー」
「試合中も思ってたけど……筋力はこれからかな」
 流川は全国区のバスケ選手という意味では身長に対してどちらかというと細身だ。筋肉自体はついていて均整は取れているがまだ成長期だしこれからかな、などと過らせつつ肩に手を滑らせていると、むぅ、と流川が不満そうな声を漏らした。
「兄貴と比べて言ってんのなら、あっちがゴツいだけ」
 流川は紳一と比べられたと思ったのかは少し笑った。確かに紳一はインサイドプレイヤー並の身体をしているが、と流川と見つめ合う。
 すっと流川がの頬に触れてきては心地よさに瞳を閉じた。ベッドが少し軋んで、は降ってきた流川のキスを受け入れながら重なり合いつつ流川の背に両手を回した。
 たぶん大丈夫だ……と思いながらギュッとその手に力を込めた。


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