+ 犬夜叉殺生丸感想 +



「"アニメ"の殺生丸について」

ネタやギャグばかり書いててもアレなので、少し真面目に語ってみましょう。

皆さんご存じの通り、アニメの殺生丸は桔梗と並んで特に原作からかけ離れたキャラになってますね。
確か高橋女史本人もそんな事言ってましたっけ・・?異様なキャラになってるとか何とか。

まあ、私はアニメの殺生丸が大好きなので全く不満はなかったです。(※過去形)
そもそも原作のままアニメに変換するのは100%無理ですし、似せれば似せられるほどちょっとの違いに文句を言いたくなりますし、あそこまで変えてればいっそ清々しいと思いませんか?(笑)
まあ・・でも原作の殺生丸のみが凄く好きだという人には少々辛いかもしれませんね(^^;
私が桔梗でショックを受けたのと同じでしょう・・。(アニメの桔梗は高笑い飛ばす悪女っぽいキャラだからなー/遠い目)
まあ、アニメの桔梗もあれはあれで良い・・と思っていた矢先変えた本人が行方をくらましましたけど(涙)


原作は原作の殺生丸で凄く好きなんですけどね。

アニメの殺生丸はアニメの殺生丸としてもの凄く素敵だと思います。
原作の彼にこだわりがあって、アニメの殺生丸に不満がある方!少し視点をずらしてみると別の面が見えてくるかもしれませんよ・・?


アニメの殺生丸の好きな点は。
先ずキャラデザ。
原作よりグッと大人っぽい!
元もと少女と見まごう程の美少年的容貌だった殺生丸ですが(原作)アニメ設定ではすっかり大人の、長身の美青年ですよね。
それがまたアニメの性格・声にマッチしてて凄く良いと思います。(原作の絵で成田声は流石にキツイでしょうしね/苦笑)

次に性格。
これ重要です。
原作ではつかみ所のないキャラですが、アニメではやっぱり多少は特徴がいりますよね。
特徴というか・・監督が明確に「こういうヤツだ」と言うのを掴んでないと辛い。
ほら、ヒカ碁で西澤監督@佐為が「落ち着いた大人の男性」だったようにアニメなりの性格付けがある訳です。
それが極端に原作から離れてしまっていたようですが(つーか元もと何考えてるか分からないキャラですから、そこに突っ込んだ分だけ変になるのは当然でしょう)私にはそこがツボで・・!
アニメにおける殺生丸の最重要キーワードは「父上」ですよね。(ん?原作もか?)
そして殺生丸自体はより強く・・とひたすら強さを求めるストイックな人なんですよ。(それが演出で滑稽に見えて笑いを誘うんですが/笑)
それでいてどことなく影があるのは見えない何かを追い求めてるから。(これはEDで顕著に出てるので後に説明します)

原作ではあくまで自然にクールでニヒルな殺生丸ですが、アニメでは寡黙を装ってるのに結構多弁で、クールっぽいのに実は内面熱い部分が見え隠れ、しかもイル兄の「闇人形」さながら数々の電波セリフを飛ばしてくれる素敵な人(笑)
(「ああ・・やっぱり池田監督だ」と妙に納得させられるキャラ付け)


まあ、とにかく(私が思うには)アニメの殺生丸は父の影を追いながら強さを求めてる人、なんです。
強くなりたいから鉄砕牙を求めてる・・って自己紹介もしてましたしね(笑)
だからりんを助けたときも「天生牙・・この私に人間を助けさせたか」と言ってるんですよ。
アニメの殺生丸は「刀の意志」みたいなのを大事にしてますしね(人格があるよに扱っているというか…)

このセリフについても結構色々言われてますが、アニメの殺生丸は本当にそう思ってるんでしょう、全く言葉に裏などなく(つーか、モノローグで裏も何もないでしょう)
原作でもそこはそうですが、アニメでは完璧に「試し切り」だったと思います。
あの話、原作では重要なハズなのにアニメではBパートに回されてるのがそれを物語ってます・・あんまり重要視してないんでしょう。
ひたすらストイックな殺生丸ですからね・・そんなお助けエピソードをあまりおおっぴらにやる必要はなかったんだと思います。
りんが死んでて、それを見たとき天生牙が反応したからそれに答えて使ってみた、と。
ほら、生き返らせた後もとっとと1人で行ってしまうでしょう?
原作じゃこの辺は描かれてませんが、アニメの彼は1人でスッと去っていくんですね。いかにも孤高の貴公子(笑)らしい。
・・・賛否両論ありそうですが(つーか非難ゴーゴーっぽい)私はそういうアニメの殺生丸が好きなので、ああ成る程な〜と妙に納得してしまいました。
だから今後のりんとのやりとりもきっと原作とは違った意味で面白いだろうなーと思っていた矢先、池田監督が逃亡しましたので(苦)ハイ・・まあ何と言いますか、ええ(何だ)

私が好きなのは、あくまで池田監督の殺生丸です。
いや、池田監督の「犬夜叉」が好きでした。
一本筋が通ってポリシーがあって、緊張感があって好きでした。

監督が極端に変えた殺生丸(と桔梗)です。(おそらく思い入れが多分にあったのもこの2人)
だから監督が変われば、また極端に変わるのもこの2人という事になりますよね?
その不安通り、すーっかり変わっちゃいましたよね殺生丸(涙)
なんか、「アンタ何がしたいの?」状態です>今現在
とにかくストイック、という印象が強かった池田殺生丸は、監督が変わっていきなり優しい兄ちゃんになったり、りんに対して過保護なパパのようになったりキレたり怒鳴ったり・・出てくる度に「どなたですか?」と言いたくなるような、悪い意味でつかみ所のない人になっちゃいました。
戦闘面に置いても「格好良く見せる」という部分がなくなり、殺生丸特有の「圧倒的強さ・余裕」が弱くなりましたし。

多分青木新監督があんまり彼に対してこだわりがないんでしょうね・・。
その所為でかなり変ですよね。行動理念も分からないし。
青木監督はのんびりした方なのか、「犬夜叉」自体気が抜けたようになって一気に面白くなくなりました。
緊張感がなくなって、ラブコメ度が高くなり・・(黙)(某GWの悪夢再現のようになってますね
まあ、逃亡した監督の後釜やってる苦労は察しますけどね(^^;
今現在の殺生丸が嫌いな訳ではないです、やっぱり好きは好きです、が、原作と同等かそれ以上に好きだった池田殺生丸ほどではないです。
もう3人目の殺生丸(1人目:原作、2人目:池田殺生丸)として割り切って楽しむしかないのでそうしてます。


そうそう、手っ取り早くアニメ殺生丸を掴むにはあの驚愕のED(笑)殺生丸プロモと化した2代目ED「深い森」を観るのが一番だと思います。
・・まあ、最初あのEDを観たときは「なんでコイツが主役なんだ?」と色んな意味でビックリしましたし、何でこんな好待遇なんだ?主人公の兄貴特権か?と疑問だったんですが、曲に合わせたとか、殺生丸が人気あるからとかそういうのを抜きにして、池田監督は監督なりに「殺生丸」という人を視聴者に伝えたかったんじゃないかなーと思います。
あのEDは絵がもの凄く綺麗ですし、殺生丸もこれ以上ないほどカッコイイですから思考回路切断されて「殺生丸・・素敵vv」となりそうな所ですが(・・・)落ち着いて、冷静に観てみると、やっぱり上に書いたようなテーマが主になってますよね。

追い求める父の影・・父の骸を憂いを帯びた瞳で見つめ、父が封印した竜骨精を求めて自らの足でその地に赴き、竜骨精を何とも言えない表情で見つめ続けた後、決意の瞳を浮かべて・・そして最後空を飛ぶ。

やっぱりストイックな人だ・・好きだ(笑)

父君は殺生丸に天生牙を与え、殺生丸自身に「何故私に天生牙を与えて犬夜叉には鉄砕牙を与えたのか」という疑問を残していきました。
圧倒的力を持って、更に強さを求めてる人なのに、何故か何かを求めているような影があるのはこの辺からでしょうね・・。
EDではそう言う部分も相まって、より一層観る側にイマジネーションを与えてくれます。

だからあのEDは「殺生丸はこういう人なんですよ」という池田監督からのメッセージだと思ってます。
貴重なEDを殺生丸のみの映像にしてでも伝えたかったんだ、と。
何せ殺生丸は出番少ないですからね(笑)ああ言う風にEDででも何かしら意思表示されないとなかなか分かりにくいと思いますし。
うん、そう言うことにしておこう(笑)
それに池田監督自身「思い入れが凄くあるED」だそうですし・・。
殺生丸好きとしては殺生丸を大事にしてくれてるんだなーと感動しました。
何か気が合いそうだ池田氏とは・・桔梗好きで殺生丸好きなんて。

あのまま池田氏が監督続けてたら、桔梗オンリーのEDもあったかもしれませんね(笑)
池田さんが一番拘ってたの、桔梗でしょうし。(初代EDもじっくり観れば実はメインは桔梗ですよね)
父と強さをテーマに置く殺生丸はいかにも少年漫画的で本当に良かったです。
(故に監督が逃げたのは本当に本当に殺生丸に関しては惜しい)
父親絡みのエピソードはおそらくやりたかっただろうし、池田監督にやって欲しかったですね。


古橋某みたいに、自分の説教節にのせてキャラを変えるなんてのは言語道断、超自己満足的で大嫌いなんですが(つーか古橋が嫌い)池田監督みたいなこだわり方は良いなーなんて思いました。
桔梗も・・もっと監督続けてくれてれば良かったのになあ(^^;


ああ、そうそう。
アニメ殺生丸の好きな点をもう一つ。
ズバリ、声(笑)
これまた反対意見多そうですが、私は成田さんの殺生丸声、非常に好きです。
電波セリフの独特の言い回しもステキですが(笑)なんか、色気ありますよね・・男性の低音をステキだと思ったのは初めてです。
成田さん自体は他作品の脇役とかで聞いたことはあるんですが、こう意識したのは初めてです。
殺生丸の声、高音をイメージしてた方が多いと思います。
私は別に原作を見て声のイメージがあったわけではないですが、あんな低音だとは流石に思いませんでした(笑)
幽白の凍矢を松本保典さんがアテた時と同じような衝撃です(笑)
・・・まあ、殺生丸に限ってはアニメのキャラデザがかなり大人っぽいので良いんですが。
松本さんもですが、成田さんもいわゆる「流行の美形声」ではないと思うんですよ。
声自体はキレイだと思いますが、割とフツーっぽいどこにでもいそうな声。珍しい声ではないですね。
私はそういう流行り声だの珍し声だのが凄く苦手なので、しみじみフツーっぽい声の人がアテてくれて良かったなーと思ってます。
それでいてさっきも言ったように色気漂う低い声で・・(笑)
あの声で「死ね」「消えろ」等のセリフは痺れます(笑)


つまり、キャラデザ(ルックス)、性格、声ともに全てツボにハマったんで私はアニメの殺生丸に惚れた訳です。・・・た、単純ですね(^^;
いや、全てが絶妙に混ざり合い、三見一体だったからこそ惚れたのかな・・。
この三つの中で最重要はやっぱり性格ですから、前ほど好きにはなれませんが、キャラデザと声は健在ですので・・今後もそれなりに注目はしますけどね(笑)
やっぱり池田殺生丸が最高に素敵だと思うんです。



と言うわけで、アニメ殺生丸語りでした。