「へぇ、結構可愛いね。あのコ。」
多分、偶然だったと思う。
いや、まったくの偶然。
それでも、なぜかその台詞は僕の耳に妙なくらい印象的に残っていた。
「声、かけてみよっかなぁ。」
「ナンパしてみたら?淳なら絶対成功だーね☆」
「ありがと慎也、んんっ。」
淳は慎也に微笑む。
一瞬。目が合った。
送られてきた視線。
いかにも挑戦的な目。
・・・・・その挑戦、受けてやろうじゃありませんか。
負けず嫌い。
中学男子テニス都大会会場。
聖ルドルフ学院の面々は次の対戦までのわずかな休憩時間を過ごしていた。
そこで、ルドルフレギュラーの一人木更津淳の目に入ってきたのは、
汗にまみれた雑草の間で場違いな輝きを見せる一輪の花。
不動峰中学校のユニフォームを着た一人の女の子だった。
「・・・・杏サン。」
それに同じくして気がついた観月はじめは、心にもなく小さく呟いていた。
不動峰へ偵察に行ったとき、少し気になっていた少女。
橘 杏
それも、別に恋心とかじゃなくて不動峰中学校の部長の妹だから・・・だったはずなのだけど。
淳の挑発に乗ると決めた以上。
彼女を完璧に口説き落とさない限り観月は自身のプライドを満足させられないだろう。
「こんにちわ。」
観月が彼女にかける言葉を考えているうちに、淳はさらりと彼女に声をかける。
あまり自分から女生徒と話すようなタイプじゃないが、
人気のあり人懐っこい彼のこと、女子への対応には慣れている。
そこいらの女子ならドキドキしてしまうような柔和な笑顔でまずはイイ印象を残すのには成功したようだ。
杏は大きな瞳を開いて、口元を微笑ませた。
「こんにちわ。」
「こんなところで何してるの?女子の会場はあっちでしょ?」
「私のお兄ちゃんが試合に出てるのよ、これから応援に行くの。
・・・あなたもテニス部の人でしょ?そのユニフォームは・・・。」
「聖ルドルフ学院、ですよ。お久しぶりですね、橘さん。」
やや強引だが、観月はすっと淳の隣に立って軽く会釈してみせる。
淳はやや口元をひきつらせるが杏は全くきづかない。
観月の顔を見て、ポンッと軽く手を打った。
「・・ああ、この間偵察にきてた・・・え〜っと、観月サン?」
「名前を覚えていただけているとは光栄ですよ。」
「だって。神尾君が観月はじめは俺が倒す〜〜〜〜っとか言っちゃって(くすくす)」
不動峰中学校に偵察に行ったのはつい2,3週間前のこと。
そうだ、確か神尾アキラが彼女に気があるようだから少しからかってやったんだっけ。
古ぼけた記憶のすみっこにそんな事もあったと観月はなんとなく思い出した。
「それは楽しみですね。不動峰と当たるのは決勝ですから是非そこまで勝ち進んでもらわないと。」
「心配しなくても、ちゃんと決勝まで行くわよvフフフ楽しみvそちらも頑張ってネ。」
「ええ、勿論。」
一歩リィド?
観月がくすっと笑って淳を見ると彼は拗ねたような表情で睨んでくる。
「・・・・アナタの名前はなんていうの?」
くるんっっと振り返った杏の暖かい黒の瞳と目が合って、淳は一瞬目をぱちくりさせたが、
すぐに落ち着いて、元の笑顔に戻る。
「俺は淳。木更津淳だよ、よろしくね。」
「よろしく、木更津君。」
綺麗な笑顔。
あえて例えるならばまばゆい太陽の下でゆれる太陽か。
本気で声をかけたわけではない淳もこの笑顔には心がゆれた。
本気になっちゃったらどうしよう?
淳がどぎまぎしていると杏はコートをみて、あっと声をあげた。
「・・・あ、試合始まっちゃう。二人共またね☆
決勝で会いましょう♪」
ばいばいっっと手を振ってぱたぱたと駆けていく杏。
観月と淳はそれを手をふって見送って。
完全に見えなくなってから互いに睨み合った。
二人の間に火花が散る。
(今回はひきわけかな、でもまっあんな笑顔見せてくれて俺がやや優勢だけどね)
(んー・・・引き分けってことにして置きましょうか、でも知り合いの僕の方が有利ですけど)
「またあいつらくだらねぇコトで競ってんのか?」
「シッ、部長、聞こえたらマズイですよっっ(汗)」
「どっちもどっちだーね...。」
はてさて。
このバトル・・・・決着はつくのやら・・・(^^;)
END
後書き。
すんまそん、中途半端に短いです。
つかSS書いてる余裕なんてないんですが(オイ)
でも開設祝いはその日のうちに書いてしまいたい!ってコトで最優先☆
ちょい前にいただいたリクエスト(観月and木更津)×杏←神尾デス。
(神尾でてない・・・(汗)スミマセン)
HP開設おめでとうございますです(逃)
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ありがとうございます〜vv
開設日に書いて送ってくれるなんて!忙しいのに…(感涙)
あぁぁ凄い良かったですvvそうなんですよ!
こんなの読みた
かったんですよ〜(><)
もう一生大事にしますvこれにも挿し絵描きたいなぁ(大迷惑)
この後どうなるのか…この終わり方めっちゃ続きが気になになります〜(><)
そして神尾の運命やいかに(笑)