絶対



青学対ルドルフ戦、ダブルス2終了後――

「お疲れさま」
海堂はその声の主を見た3年の不二周助だった、いつも笑顔で何を考えているか分からない先輩で
海堂はあまり良い印象を持っていないが、先輩と言う事もあり返事を返した
「・・・ドモ」
不二はニコニコと桃城にもお疲れと声を掛けた
あの人は何を考えてるのか分からん・・・と考えながら
青学とルドルフの応援の境目にあるベンチに座り込み大きなため息をついた

「んふっ大きなため息ですね」
観月は海堂の後ろから話し掛けた、それに少し驚いたのか海堂は立ち上がって
「キサマ、ルドルフのベンチコーチだろ?なんで此処にいるんだよ」
「んー僕はシングルス2で不二君と試合するんですよ、だからアップしに出て来たんですよ」
「フン、それなら早くすればいいじゃねえかよ」
「君は越前君を応援しないのですか?」
「てめぇには関係無い」
その場を離れようと海堂は観月に背を向けて歩こうとした瞬間
「海堂君、僕の相手になってくれないですか?」
ラケットとボールを持ち海堂を呼び止める

「なんで俺がキサマと、しかも他校の奴とアップしなくちゃいけないんだよ!?」
「やっぱり駄目ですか・・・」
「やっぱりってなんだよ、分かってんなら聞くなよ」
「冗談ですよ、ただ君に一つ聞きたいことがありまして」
「・・・いいが、俺もキサマに聞きたいことがある」
「いいですよ」
観月はベンチに座り、手でベンチを軽く叩き海堂にも座るようにと要求した

「それじゃまず僕から聞きますね」
「ああ・・・」
「さっきの試合で、いちかばちかのブーメランスネイクを打ったのはどうしてですか?」
「いちかばちかじゃねぇよ、シングルコートに入らないだけでコートには入るんだよ!」
「その自信が有ったから打てたんですか?」
「別に・・・打たねぇと勝てないと思ったからだ」
「ふーんそうですか・・・」

「あの時、なんでオマエはラインを掃きに出てきたんだ?」
「んーー別に訳なんて無いですよ」
笑顔で海堂に返事を返す
誰かに似てる・・・海堂は少し疑問を持ちつつも観月に聞き返す
「桃城の志気を削がすのと乾先輩に話し掛ける為だろ!」
「んふっ、バレました?」
「てめぇのそう言う勝ち誇った顔がいけすかねぇ」

勝ち誇った顔?笑顔?・・・・あ!あいつ(不二周助)に似てるんだ!
人間一度そう思うとと中々頭から離れなくなる
海堂は観月の、どの行動を取っても不二に似てるとしか思えなくなってしまった

「ん?どうしましたか?海堂君?」
「なんでもねぇよ」
コイツも何を考えてるか分からねぇ顔をしてやがる、さっきの事(ライン掃きの話)と言い食えねぇ奴だ
しかしアイツ(不二)に何から何まで似てやがる・・・

「海堂〜そんなとこで何してんのー?」
菊丸が不二と一緒に海堂と観月がいる所に近づいてきた
「あれー?ルドルフのマネージャーだよねー?何で海堂一緒にいるの?」
「本当だどうして、観月君と海堂君が一緒にいるの?」
「別に」
不二は海堂を見てクスッと笑い
「素っ気無いね」

「それで?観月君僕の学校の人に何か用でも?」
「んー雑談していただけですよ」
「そーなの?不二の弱点とか聞いてたんじゃにゃいの?」
自分が観月の責で酷い目に遭ったので、ジトっとした目で観月を見る
「菊丸君、僕は他人に聞かなくても相手のプレイを見るだけで相手の弱いところなんて直ぐに分かりますよ」
「そうなんだ、それで観月君の次の相手の僕の弱み見付けた?」
「それは秘密です」

海堂はその二人の顔を見て思った二人が似ているのは錯覚でも何でもなかった
根本的に性格が似ているから言動が全て似るのは当たり前だと思った

「ねーねー海堂!あの二人似てるヨネ?」
「そうッスね」
あの二人が似ていると思ったのは自分だけでは無いと分かり更に確信した

そんなことを考えているうちに二人の話が終わっていて、不二が
「英二、僕もアップしなくちゃいけないから英二付き合って、それじゃあね観月君」
「不二君、君には負けないですよ」
二人の間に火花が散ってるように見えた

「そう言えば話まだ途中でしたね」
「ああ」
「桃城君の志気を削ぐためと乾君に話をする為に言ったのは事実ですよ」
「キサマは乾先輩と競うつもりなのか?」
「まぁそういう事ですね、僕のシナリオ通りに事が進むか、乾君のデータがそれに勝ち
僕のシナリオが途切れるかを競いたかったですね、最も乾君にはその気は無いみたいですが」
「ふん、くだらねぇ」


海堂は越前が試合をしているコートに向かって歩いていった


観月はベンチに座り、空を見上げ
「くだらない、か・・・・確かに君らにはくだらないと思いますが僕の・・・・」




『僕のシナリオは崩れない』

だけど、乾という男がいる限り

「絶対」という言葉が付けられない・・・

だから周りがどう見ようが

彼とはどんな手を使っても勝負をしたかった

その彼と勝負できる機会が来た・・・

だけどこの機会を逃したら2度と勝負が出来ない

そんな気がする

だから誰にも邪魔はさせない

そして彼に勝って「絶対」という言葉を手に入れて

『僕のシナリオは「絶対」崩れない』

そう言える絶対の自信が欲しい

「絶対」に付いている乾という名の鎖を壊して

恩を仇で返すような挿し絵(苦)この話に乾は出てこないし、観月はユニフォームなんだけど、なんとなくフッと制服が浮かんだ…。





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〜あとがき・ゴメンナサイ〜
海堂と観月・・・というリクエストですが・・・
内容の薄い会話をしてますね・・・
しかもメッサネタバレ気味な内容・・・
(コミックス派の皆様スンマソン)
まっ!いいか(いいのか?)
光夜サマ!こんな物で良かったのでしょうか?
最後は〜ちゃん語ってます詩人です(笑)
しかも内容ちょっと他のSSとかぶっちゃてるかも
メグの中で観月と不二は似ているものと考えてます



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ありがとうございました〜vv
私の方こそ小説のクオリティ下げるような物描いて申し訳ないです(汗)
ベンチに一緒に座る観月と海堂が実にツボでしたvv
何気に英二君と周助も出てきてくれたし(嬉)
私のむちゃくちゃなリクエストに応えてくださって
ホントに感謝してます〜(><)
これからもどうか宜しくお願いしますねv




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